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外伝 皆さん、サーボ帝国についてどう思いますか?

九章の後の話になります。


またしても外伝でお茶を濁すことをお許しください。

本編のほうはもう少しだけ時間をください。

楽しみにしている皆さま、本当に申し訳ございません。

「き、聞いたか……このバンニ国の支配者はサーボ様になるそうだぞ」


「おお、それは素晴らしいっ!! これで我が国は安泰じゃないかっ!!」


「ば、馬鹿っ!? サーボ様の弟子にはシヨ様がいらっしゃるのだぞっ!! その意味が分からないのかっ!?」


「あ、あはは……ま、まさかそんな……し、シヨ様はサーボ様が忙しいから代理として行動してるだけだと言っていたではないか」


「本当にか……あ、あの明晰で冷静で冷酷なシヨ様が実務を行うことになるんじゃないかと俺は不安で仕方がないんだが……」


「ま、まさか……そのような非道をサーボ様がお許しになるはずはないさっ!!」


「そ、そうか……な、ならいいんだが……お、俺はもう毒の茨を回収するのはごめんだぞっ!?」


「お、俺だって睡眠時間まで管理されて動くあの悪夢は二度とごめんだっ!!」


「あれは地獄だったなぁ……だ、だけど確かにサーボ様が戻ってきてから僅かに緩和されたからなぁ」


「サーボ様を信じよう……我らの偉大なる勇者であるサーボ様を」


「ああ、サーボ様万歳だな……」


「そうだな…………一応シヨ様万歳って叫ぶ練習もしておくか」


「そ、そうだな…………が、頑張ってあの魔王のストッパーになってくださいねサーボ様ぁ」


 *****


「へぇ……このリース国のトップはサーボ様になるのですか」


「あのサーボ様なら納得ですわっ!!」


「何でもテプレ様ですら突破できなかった大僧侶の試練を軽々と制して見せたとか……流石は偉大な勇者様ですね」


「最初はあの痴女の仲間だと思って変な目で見てましたけど、きっとアレも訳があってのことなのですよねぇ」


「あれはどうもお仲間のシヨという子供がやったことらしい……全く人騒がせな子だよ」


「人形の元になったテキナという人にも困ったものだ、仲間とは言えそういう子供の我儘はピシッと躾けてもらわないとなぁ」


「しかし噂だとあのシヨという子供は中々のやり手だとか……まさかこの国の管理を任されたりしないよなぁ」


「あはは、仮にそうなるとしてもサーボ様の指示を素直にこなすだけになるさ」


「そうですよ、何せサーボ様は我が国の食料問題から治安維持まで全て見事に指揮してくださったお方ですからね」


「そうそう、あれほど見事な采配能力を持つ者が他にいるはずもなし……我々はサーボ様を信じて居ればいいのだ」


「そうですね……勇者サーボ様のもとにこの国は平和で穏やかな日々が続いていくことでしょう」


「まさに理想的だなぁ……僧侶を目指すものとして、ガツガツと働くこともなく過ごせる平穏な毎日こそ幸せだからなぁ」


「出来るだけ早くサーボ様が魔王退治を終えて、政治に専念できるようになってほしいものですね」


「その通りだ……サーボ様万歳っ!!」


「サーボ様万歳っ!!」


 *****


「ツメヨ国の復興がまさかこれほど早く終わるとは……相変わらずシヨ様の統率は凄まじい」


「籠城中は恐ろしくも感じたが、やはり信じてついていく分には何とも頼りになるお方だ」


「しかしサーボ様はその上を行くと聞いてどれほど苛烈なのかと身構えたものだが……実に素晴らしいお方だったなぁ」


「ああ、何せ厳しいことは一つも言わずに周辺国から必要物資の支援を流通させてしまったのだからなぁ」


「あのサーボ様が手綱を握っている限りシヨ様が暴走することもなさそうだし……あれこそが本当の勇者という存在なんだなぁ」


「出来ればあの方が上に立ってくだされば……行動力があり過ぎて落ち着かないヒメキ様の伴侶となってくださればなぁ」


「いや、どうやらそうなるらしいぞ……この国はサーボ帝国となるとの噂が聞こえてきている」


「そ、それは最高じゃないかっ!!」


「サーボ様の監視の下でシヨ様が厳しくも正しい指示を出し、それをヒメキ様が実行する……これはこの国はますます発展するぞっ!!」


「それどころか他の国もサーボ帝国に加わっていくらしいぞ」


「おお、この大陸中が一つになる時が来たのか……流石はサーボ様だ」


「既に三国での共同作業によって勇者様の船の建造も行ったらしいが、これも上手く行ったらしい」


「異なる国だというのに何の諍いもなくまとまれるとは……これも全てサーボ様の人徳のお陰だな」


「よぉし、我々ももっと頑張ってサーボ帝国を盛り上げていこうっ!!」


「そうだ、サーボ様の為に頑張ろうっ!! サーボ様万歳っ!!」


「サーボ様万歳っ!!」


 *****


「もう駄目かと思ったその時、勇者サーボ様が我々を救済してくださったのだ」


「てっきりドウマ帝国はこれでお終いだと思って覚悟を決めていたが……本当にありがたいことだ」


「しかもその後も弟子のシヨ様がこの国の立て直しに尽力してくださったお陰で、この通りだ」


「既に流通も元に戻り、生活必需品はむしろ前よりも多く出回っている……領内の村も生活が楽になった」


「ドウマ帝国の主は戦争一択で俺たちを絞めつけるばかりだったからなぁ」


「そう言えばドウマ帝国はサーボ様の管理下に置かれて、どうもサーボ帝国という国の一部になるらしいぞ」


「あはは、それはむしろ素晴らしいことじゃないかっ!!」


「シヨ殿の仕切りは厳しいと聞くが、元々ドウマ帝国は独裁政治だったから何とも思わないしなぁ」


「むしろあれほど優秀な独裁者なら望むところだ……これでまたドウマ帝国の栄光は約束されたも同然だなっ!!」


「魔物の侵略も追い払ってくださって……今は結界とやらを敷いているようでさらに安全になるらしい」


「おまけに隣のハラル王国もサーボ帝国に加わるらしいし、この大陸が統一されることになるからなぁ」


「もう戦争をする必要もない、そして国内はどんどん繁栄していく……言うことなしだなぁ」


「これもそれも全てサーボ様のお陰だ、何と素晴らしいお方なのだろうかっ!!」


「我々も心の底からサーボ様について行こうじゃないか……サーボ様万歳っ!!」


「サーボ様万歳っ!! サーボ帝国万歳っ!!」


 *****


「あぁ……この歴史あるハラル王国もついにお終いかぁ」


「しかし唯一残る王族の血統であるフウリ様がサーボ様を慕っている以上、どうにもなるまい」


「それにシヨ様の指示は正直、文句のつけようがない」


「確かに今まで以上に流通は良くなり、食糧事情などもどんどん改善している」


「魔物が寄り付かないよう結界を張ってくれたおかげで、使える土地が広がって雇用の問題も解消してるみたいだしなぁ」


「ただ直接シヨ様にあった人曰く、なんか苛烈で恐ろしい独裁者気質らしいんだが」


「はは、まさかぁ……仮にも勇者サーボ様のお仲間だぞ」


「そうだよなぁ……そういえばサーボ様は海で暴れていたシーサーペントを倒してくださったそうだぞ」


「聞いた聞いた、漁が出来なくて困っていた港町が物凄く喜んでいたからなぁ」


「それだけじゃない、ドウマ帝国も平定してしまわれたらしい」


「何とっ!? で、ではもう戦争に怯える必要はないのだなっ!?」


「それどころか同じサーボ帝国となった、むしろ共存共栄する相手になったのだ」


「流石はサーボ様だ……もう何といっていいかわからんなぁ」


「この国の王様に化けていた魔物も退治して、ゼルデン大陸を平和に導いてくださった……偉大過ぎる勇者様だ」


「イキョサ様の偉業にも勝るとも劣らぬ人物だ……そのようなお方がトップに立つというのなら納得するしかないなぁ」


「そう言うことだ、我々もサーボ帝国の住人としてサーボ様が来たら万歳して迎え入れようではないか」


 *****


「ええと……この辺りの土地を畑にすればいいのですねぇ?」


「うむ、そして向こうの地帯が牧場だ」


「凄いですねぇ、この間まで細々と暮らしていた私たちエルフがこんなに色んな仕事を任されるなんて」


「結界とやらのお陰で魔物に怯えずにすむからな……逆にこれだけ土地が余っていると色々開拓の余地があるらしい」


「倒れた木々も使い道があるとかで喜んで回収してもらえちゃったし……なんか悪いですよねぇ」


「支援物資のお陰で信じられないほど生活は豊かになった……医療も発達して苦しむ者も劇的に減ったな」


「本当に感謝しかありませんね、どうして私たち今まで外部の人々をここまで警戒してたんでしょうね?」


「いやこれもそれも勇者サーボ様が外の国を全て一つにまとめたからこそだそうだ、でなければここまで好意的に受け入れられはしなかっただろう」


「もう勇者様様ですねぇ……だけどあのシヨ様の指示は……」


「今までのほほんと暮らしてきた我々エルフにはどうにも苛烈すぎるな……だが言われていることが正しいのはよくわかる」


「ここまで生活が改善して……こっちが輸出とかした対価にたくさんお返し貰えちゃってますからねぇ」


「ああ……我々もこのままサーボ様を信じて進もうではないか」


「はーい、よぉしサーボ様が戻ってきたら万歳三唱して歓迎してあげましょうっ!!」


「そうだな、サーボ様とお仲間に我々がどれだけ感謝しているか伝える意味でもいいかもしれないなぁ」


「そういえばここってサーボ帝国って名前の国になるんですよね?」


「ルーフ様とサーボ様が結婚なさるのだから当然だな……サーボ帝国、実にいい響きだな」


 *****


「お、王様っ!? も、もう民意を抑えるのは限界でございますっ!!」


「それほどか……このイショサ国もついに終焉を迎えるのか」


「残念ながら領内の村々は勇者の里を除いて全てサーボ帝国へ所属してしまいました……この王都からも住民の流出が止まっておりません」


「結界とそして勇者サーボの名前による安全保障、そして実際に富をもたらす政策の数々……敵わぬわけだ」


「恐らくは全てシヨという少女の行いでしょう」


「わかっておる、あのサーボ殿が権力を追い求めるとは思えぬ……」


「しかし何故シヨ殿の暴走をお止めにならないのでしょう?」


「確か勧告に来た他国の王女たちは世界平和を口にしておったな……案外そのために汚名を被る覚悟を決めたのかもしれんなぁ」


「……後世まで残るであろう世界を支配した独裁者という汚名を受けてでも世界から戦乱の種を取り除くために尽力していると?」


「あのサーボ殿だぞ……勇者の名前にすら拘らず評価も支援も望まずに人々を困窮から救おうといた事を忘れたか?」


「そうでございましたなぁ……そんなあの者達に勇者の称号を与えたのが我々でしたな」


「大臣よ、あの判断は……正しかったな」


「……そう言える王様、あなたもまた素晴らしいお方ですよ」


「大臣よ、このイショサ国もサーボ帝国に加わる旨を発表しよう……そして我らが最初に勇者サーボ殿を見出したことを世界中に言い広めようではないか」


「ふふふ、我々も歴史に名前を残すでしょうねぇ……己の国を潰す手助けをした愚かな王と大臣として……」


「いいや、きっとサーボ殿なら素晴らしい政治をなさる……我々は世界平和をもたらす偉大な判断をした者として名を遺すのだ」


「そうですなぁ……そのためにも王座を譲り渡す準備をしておきましょう」


「ああ、どうせ後継ぎもおらなんだ……盛大に万歳でもして譲ってやろうではないか」


 *****


「冗談じゃねぇっ!!」


「な、なんであのサーボの野郎に頭下げなきゃいけねぇんだよっ!!」


「長老だって覚えてるだろっ!! あいつがどんだけサボって怠けてたかよぉっ!?」


「この間なんかワイバーンの群れを押し付けてったじゃねぇかっ!?」


「絶対に嫌だぞっ!! 断固として拒否するぞ俺はっ!!」


「だ、だが……まさかイショサ国までサーボ帝国に屈するなんて……」


「大体何なんだよサーボ帝国ってっ!? どうしてあいつが国のトップに立ってんだよっ!?」


「カーマとセーヌはなにしてやがるっ!? さっさと止めろよぉおおおっ!!」


「ふははは……駄目だぞぉ君たちぃ、世界は我が偉大なる息子であるサーボとその父である俺の前にひれ伏すのだよっ!!」


「おほほほ……そうですよぉ、私たちの大いなる息子であるサーボとその母である私に皆ひれ伏すのですよぉっ!!」


「て、手前らぁあああっ!! 何急に威張ってんだぁああっ!?」


(わ、私たちサーボ様に娘を預けて正解だったなぁ)


(え、ええ……まさか世界の指導者にまで至るなんて……)


(し、シヨ……色んな国からお前に怯える声が聞こえてくるんだが……大丈夫なのか?)


(シヨ……立派になり過ぎですよ……親ながらあなたが恐ろしくてなりません……)


(あのテキナが男に惚れるとは……最初は恨んだが今は感謝してますよサーボ殿……)


(あれほど男嫌いに育って孫の顔はあきらめていたのに……ありがとうございますサーボ様……)


「み、皆の荒れる気持ちはよくわかる……ワシもこのような勧告を受け入れたくはない……」


「し、しかしね……王都イショサからサーボ帝国に加わらないなら勇者年金は打ち切るとまで言われているのだ」


「な、なんという横暴だっ!? 許しがたいっ!?」


「そ、それならそれで勇者年金抜きでやっていければ……」


「他の村は愚か世界中の国がサーボ帝国に与している以上、そこを頼らないとなると商売すら成り立たんのだぞ……」


「な、なんであんな奴にぃいいっ!!」


「こうなったら反乱してでも俺たちの意志を見せつけてやろうじゃないかっ!!」


「そ、そうだそうだっ!!」


「勇者の里の底力を見せつけてやろうぜっ!!」


「おおーっ!! よし早速……って何だあいつらっ!?」


「変な鎧を着やがって……な、なんで俺らの村の外に柵を作ってんだっ!?」


『警告っ!! これより先はサーボ帝国の領土となるっ!!』


『サーボ帝国に屈さぬ以上はこれより先は立ち入りを許可しないっ!!』


『これも全て偉大なるシ……サーボ様のご意志であるっ!!』


『ただちに全能なるサーボ様の元に帰依するべしっ!!』


「ふ、ふざけんなっ!! 俺たちを何だと思ってやがるっ!!」


「力づくでも突破してやらぁっ!! 勇者コンテスト優良者の実力を……ぐへぇっ!?」


「な、なんだこいつらつ、強すぎ……ぐはぁっ!?」


『敵勢力からの攻撃を検知っ!! これより正当防衛権を発令し武力制圧に移るっ!!』


『これは聖戦であるっ!! サーボ様を認めぬ愚か者に天罰をっ!!』


『シ……サーボ様万歳っ!!』


『サーボ様万歳っ!!』


『サーボ様万歳っ!!』

その後


「さ、サーボ様万歳……」


『声が小さいっ!! もう一度っ!!』


「サーボ様万歳っ!!」


『勇者の里の陥落を確認……直ちにシヨ様へ報告っ!!』


『ついにシ……サーボ様の下に世界平和が実現されたのだっ!!』


『きっとシ……サーボ様もお喜びだろうっ!!』


『よぉし、シ……サーボ様のためにもさらに頑張ろうではないかっ!!』


『『『『サーボ様万歳』』』』


 多分こんな感じ……悪夢かな。

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[一言] 勇者の里の人達ほんと不憫だな……
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