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師弟関係について思うこと……ああ、この時代は良いなぁ

「よぉし、じゃあ行こうぜぇっ!!」


「うぅ……べ、別についてこなくても……」


「おめぇみたいな臆病もんほぉっておけるかよ……それにこいつとなら魔王も倒せそうだしなぁ、頼りにしてるぜマシメ様よぉ」


 そう言って俺の肩を叩くトラッパーさん。


 先日この村を襲っていた魔物を追い返すのではなく、殲滅したことで俺はかなり彼女から信頼を得られたようだ。


(最初こそ混乱してたけど、落ち着いてからは物凄く気さくになって……まあ連日の魔物の襲撃でかなりストレスたまってみたいだしなぁ……)


「だ、だけど本当に私たちについてきて平気なの?」


「何度も言ってんだろ、あんたら……というかマシメがあの魔物を殲滅してくれたからあたしが護衛する必要もねぇし、非常用のシェルターも作ってあるからしばらくの間なら放っておいても大丈夫なんだよ」


「そ、そうじゃなくてぇ……わ、私たち魔王退治の旅をしてるんだよ……こ、怖くないのぉ?」


「それも言っただろ、マシメ様のシャレにならない能力なら魔王に太刀打ちできそうだからなぁ……こっちから出向かなくてもいずれこの大陸だって狙われる、明日は我が身だ……なら勝算のあるマシメ様の下で修行しながらこっちから攻め込んでやったほうがいいてぇの」


 そう言ってイキョサちゃんにニヤリと笑いかけるトラッパーさん。


「そ、そうだよねっ!! や、やっぱり私の考えは間違ってなかったんだっ!! これからよろしくねトラッパーさんっ!!」


「トラッパーでいいってぇの……しかしあんたは今のままじゃ頼りねぇし早く度胸付けろよイキョサちゃん」


「わ、私もイキョサでいいよぉ……そ、それに怖いものは怖いのっ!!」


「魔王はもっと怖いぞぉ、ひょっとしておめぇしょんべん漏らすんじゃねぇかぁ?」


「も、もう……トラッパーの馬鹿ぁっ!!」


 口では怒ったように言いながらも笑っているイキョサちゃん。


 魔王という脅威を前に協力して挑める仲間ができたことがよほど嬉しいのだろう。


(いい話だ……本当に良い話なんだけど……いつの間にか俺も魔王退治のメンバーに含められてないかこれっ!?)


 当初の予定ではあくまで師匠として鍛えるだけという話だったはずだ。


(これヤバくないかおい? 本格的に歴史に干渉する前に離れねぇとマジで魔王退治までやらされかねないぞ俺っ!?)


「あっはっはっ!! まあ精々こいつから離れねぇこったなぁ……なあマシメ様よぉ」


「もぉ、意地悪ばっかり言ってぇ……このまま一緒に旅をするのは少し不安だねぇマシメ様ぁ」


「……そうかもしれませんねぇ」


 だけど無邪気に俺に微笑むイキョサちゃんと本当に信頼しきった笑顔を向けてくるトラッパーさんに水を差すようなことを口にできない。


(うぅ……何て綺麗で真剣な眼差しなんだ……こんな短期間なのに互いを信頼して……ああ、眩しぃよぉ……)


 魔王という真の脅威、そしてそれに対して感じていた無力感と死への恐怖。


 それらを意志の力で乗り越えて克服しようという崇高な志が、これほどまでに心を通わせる要因になっているのだろう。


 全く持って俺のパーティにはない尊い絆だ……ついつい拝みたくなってしまう。


(こんな素敵な光景を壊せねぇっ!! 俺みたいな汚れた奴が触れちゃなんねぇっ!! ありがたやありがたやっ!!)


「……様ぁ、マシメ様ったらぁっ!!」


「あ、ああ……何だいイキョサちゃん?」


「もぉ呼び捨てでいいのにぃ……それでこの後はどうする予定なのかなぁって?」


「修行するんならあたしにも頼む……あんたに追いつくのは無理でも少しでも手助けできる程度には強く成りてぇからなぁ……」


(こ、これだよっ!! この謙虚でありながらも向上心があって、しかも師に対する敬意も忘れてない……これが弟子ってもんだよなぁっ!!)


 やっぱり眩しい、尊い、素敵だ、最高です。


 改めて三弟子が弟子をしていなかったことを思い知らされる。


(な、涙が出そうだ……い、いけない弟子の前でそんな姿を晒したら弱みを握られて利用されて……そんなことする弟子はシヨちゃんぐらいしかいねぇよ俺ぇっ!!)


「ま、マシメ様っ!? ど、どうしたの調子悪いのっ!?」


「おいおい、しっかりしてくれよ……やっぱりあの魔法は結構負担デカいのか?」


「い、いやそんなことないですとも……大丈夫ですとも……そ、それで今後の予定ですとも……ですけれども……」


 弟子に体調を心配されるというあり得ない光景……じゃなくて当たり前の光景に改めて感動してしまい訳の分からない口調になってしまった。


(し、しっかりしろ俺……この子たちの師匠に相応しい態度をとるんだ……)


 こんな立派な弟子たちを不安にさせるわけにはいかない。


 俺は何とか冷静さを取り戻すべく、この後のことを考え出した。


(この後は……仲間として行動するなら一刻も早く魔王退治へ向けて動くべきだし、あくまで間接的に師匠としてのみ関わるなら修行をつけるべきだけど……どうしたもんかなぁ……)


 非常に悩ましい。


 理想を言えば修行をして実力が身についたところで別れるべきだろう。


 しかしそれは難しい……というか嫌だ。


(こんな素敵な弟子たちの表情を曇らせたくない……一緒に行動して尊いところをもっと見て俺も心を鍛えなおしたい……というか帰りたくない……)


 彼女たちから離れるということはこの時代に居る理由を失うことと同義だ。


 そうなれば俺は切り札を使って元の時代に戻らざるを得ない……あの弟子たちが居る場所へだ。


 こんな素敵な仲間を見た後にあの三弟子を見たら本気で泣いてしまいそうだ。


(い、いやあの子たちはあの子達で大事だよ……だけど今はマジで耐えられねぇ……)


 少なくとももう少し、俺の精神が鍛えられるまではここに残っていたい。


(そうなるとある程度魔王退治に同行するべきだし、なら移動すべきなんだろうけど……あんまり関わるのもなぁ……どうしたもんかなぁ……)


 最近行動方針を決めるのをシヨちゃんに任せっきりだったせいか、どうにも考えがまとまらない。


(ここにシヨちゃんが居れば一瞬で決めてくれるんだけどなぁ……まあいなくていいんだけど……ああ、空気が美味しい……)


 軽く深呼吸して思考をまとめ、俺は二人に向かって口を開いた。


「まずは実戦形式で鍛えるためにこの大陸を巡って、魔物を退治して回ろうじゃないか」


「はぁい、わかりました」


「OK、了解だ」


 師である俺の言葉に二つ返事する弟子たち、実に素晴らしい。


(もう一つ一つの仕草に感激してしまう……俺ってこんなに涙もろかったんだなぁ……)


 どうやらあっちの弟子たちに俺の心はズタボロにされていたらしい、だからこんな当たり前の光景がとても染みるのだろう。


「じゃあまずは……地図はあるかな?」


「うーん、一応あるけど殆ど役に立たないよ?」


「何せこの大陸には人が移住しはじめたばっかりだからなぁ、村がどこにあるかも載ってねぇし……あんたもここに住んでんなら知ってんだろ?」


「そ、そういえば魔王が大陸を沈めたことも初耳だったみたいだし……マシメ様って今までどこで何をしてたの?」


「ちょっとまあこことは違う場所で修行をね……」


 地図を受取りながら、二人の疑問に軽く首を振ってごまかす。


(いやある意味事実だけど……ここじゃない未来で修行したんだから……まあ下手にそんなこと教えて余計な混乱を誘う必要もないよな……歴史にも刺激を与えたくないしなぁ……)


 とにかく俺が未来から来たことは教えないことにする。


「ええと今いるのはこの辺りでイショサ……南の方だから、どんどん北上していってみよう」


 未来の知識を思い出しながら、俺は別の国々があった場所を巡って行いくことにした。


(イキョサ様のメンバーは全部で四人だ、修行するにしても全員と合流してからのほうがいいからな)


 まずは仲間を揃えることにする。


 後のことはその後で考えよう。


(マーセ様の出身地はわからないけど、イーアス様は確か一番北側にあるリース国の出身だったはず……とりあえずマーセ様を探しつつそこを目指そう)


「よぉし、じゃあ早速移動しよぉっ!!」


 そう言って俺の身体に飛びつくイキョサちゃん。


「……何してんだおめぇ?」


「マシメ様はすっごい高速移動できるんだぁっ!! だからこうして移動したほうが速いのっ!!」


 薄っぺらい胸を張って答えるイキョサちゃん。


「いやそれはそうだけど、こんな……そうだ人力車を探そうっ!!」


「じ、人力車って……普通の馬車じゃダメなのかよ?」


「それより俺が押したほうがずっと速いからねぇ……それに馬じゃ簡単に魔物にやられてしまうよ」


「いや、まあ……そりゃそうだけど……自分で言っといてなんだが、この辺にゃぁどっちにしても車なんざ調達しようがねぇと思うぞ」


 トラッパーさんが言うには、この辺りにはぎりぎりで自給自足している人々ばかりだから物資を提供できる人など居ないというのだ。


 まして俺たちは……イキョサちゃんたちもまだ無名だ。


 はっきり言って勇者という称号すらないだろう、おまけに金もない。


 確かにそんな俺たちが物資を分けてもらえるとは到底思えない。


(俺も急すぎて何も持ってこれなかったしなぁ……生活必需品すら事欠くぞ……)


 食料はまだその辺の魔物を狩ればどうにでもなる。


 問題は水だ……これも俺がその気になれば魔法でどうにでもできるがそれこそ魔力が尽きたらお終いだ。


 何が起こるかわからない以上は、出来る限り魔力は温存しておきたい。


(つまり、出来る限り次の村へ向かって……出来ればそこで色々と仕入れるべきところだなぁ)


 もしくは道中で探してもいいが、とにかく早急に移動したほうが良さそうだ。


「仕方ない、じゃあトラッパーさんも俺にしがみ付いてください」


「は、はぁっ!? ほ、本気で言ってんのかおめぇっ!?」


「本当に速いんだってばぁ……騙されたと思って背中にでもしがみ付きなよ」


「い、いや……けどよぉ……うーん……」


 何やら躊躇しているトラッパーさん。


 しかしこうしている時間も勿体ない。


(日が落ちたらそれこそ面倒なことになるからなぁ……しかたない……)


「イキョサちゃん、ちょっと首にしがみ付いて……」


「え、ええと……こうかな?」


「ありがと……トラッパーさん、失礼するよ」


「えっ!? あぁっ!? ちょ、ちょっと待ぁっ!?」


 イキョサちゃんに自力でしがみ付いてもらうことで両腕がフリーになった俺は、強引にトラッパーさんを抱きかかえた。


「これでよし、じゃあ行くよっ!!」


 いわゆるお姫様抱っこする形で保持した俺は、早速オーラ突きを放って移動し始めた。


 二人を連れたまま凄まじい速度で移動を始めた俺は、同時に周りを確認して食糧や水を調達できそうな場所もついでに探していく。


「やっぱり凄いよマシメ様はっ!! ねぇ、凄いよねトラッパー……トラッパーぁ?」


「ぅ……ぁ……」


 イキョサちゃんの声にか細い吐息を洩らすトラッパーさん。


 調子でも悪いのかと軽く様子を伺えば、俺の腕の中で顔を真っ赤に染めながらカチコチに緊張しているのが分かった。


(マジで体調不良なのか? けどさっきまでピンピンしてたしなぁ……どうしたんだ?)


「あの、大丈夫ですかトラッパーさん?」


「ひゃぁっ!? な、な、な、なにがだよぉっ!?」


「本当だ、お顔が真っ赤だよ? あらら、もしかして怖いのぉ?」


「ば、馬鹿言うなっ!! こ、怖いというか逞……と、とにかくあたしは平気だってのっ!!」


 虚勢を張って俺の身体に手を伸ばし……ちょこんと服をつまむトラッパーさん。


(……ひょっとしてこういうの初めて……というか男に免疫ないのかこの子?)


 その証拠とばかりに、先ほどから何度もチラチラと俺の顔を見ては視線を反らすことを繰り返している。


(乙女だなぁ……何て新鮮な反応なんだろう、まるで出会ったばかりのカノちゃん……はぁ、どうしてああなっちゃったんだろう……)


 俺の一挙動一挙動に反応して、照れたり恥じたりして顔を真っ赤にしていたカノちゃん。


 しかし今ではむしろ、俺を押し倒そうと必死で迫ってきている……恥じらいはどこへ行ったのだろうか。


(あの頃の純情なカノちゃんが恋しいよ……やっぱり俺の教育方針が間違ってたんだろうなぁ……)


 こちらにいる弟子たちを見るたびに、俺の頭に後悔という文字が浮かんで仕方がない。


 だからこそ今度こそは……この子達だけは真っ当に育てなければと強く決意する。


「……んっ!?」


 そう思っていた時、ふと俺の耳に何かが聞こえてきた。


「ま、マシメ……様よぉ……な、なんかき、聞こえねぇか?」


 同時にトラッパーさんも気付いたようで緊張した様子のまま指摘してきた。


「えぇっ!? な、何っ!? 何なのっ!?」


 何もわからないイキョサちゃんだけは慌てて周りを見回しているが、俺は既に方向もわかっている。


 一旦オーラ突きを止めて、そちらへ向かって走り出すとすぐに音の種類が判別できるようになった。


(戦闘音……しかもかなり派手だっ!!)


「こ、これは……誰かが戦ってんのかっ!?」


「グオォオオオオオオッ!!」


「う、うわぁっ!! ま、マシメ様っ!! ど、ど、ど、ドラゴンだよぉっ!!」


 果たして俺が向かった先に居たのは四つ足の巨体を持ち背中から翼をはやしたドレイクドラゴンと呼ばれる魔物だった。


 同じ龍族でもワイバーンとは比べ物にならない強力な戦闘力を誇る強敵だ。


(おお、初めて見た……まあ今の俺の敵じゃないけどなぁ……それより戦ってるやつのほうが気になる)


 その強力な魔物を前に、端正な顔つきをした長身の人間が立ちまわっていた。


 近くには壊れた馬車の破片と、傷ついた民間人の姿がある。


 どうやら移動中に襲われたようだ。


「グォオオオオっ!!」


「くっ!? 自然の息吹よ我が魔力に従い冷気の障壁を齎せ、氷結凍壁(ブリザード・ウォール)っ!!」


 ドラゴンが炎のブレスを吹きかけるタイミングで、そいつは魔法で氷の壁を作り出し皆を守って見せる。


「はぁあああっ!!」


「グォオオっ!?」


 更に炎が切れると同時に氷の壁から飛び出し、果敢にも切りかかっていく。


 尤もドラゴンの固い皮膚を傷つけることはできなかったようだが、そうして注意を引くのが目的だったようだ。


 そのままドラゴンを誘導して民間人から距離を取ろうとしている。


(物凄く戦い慣れてるな……身のこなしも大したもんだし魔法の使い方も上手だなぁ……おまけに正義感もある……尊いわぁ……じゃなくて助けないとっ!!)


 真っ当に頑張っている人を見るとついつい見守りたくなってしまうが、こんな状況を放っておくわけにはいかない。


(俺が助けに行けば一瞬で片が付く……けど、それよりこの子たちに経験を積ませよう)


 仮にも魔王退治に行くのだから、あれぐらい倒せなければ話にならない。


「俺は民間人を保護してくる……二人はあの人と連携してドラゴンを退治してくるんだ」


「えぇっ!? わ、私たちがやるのぉっ!?」


「ちぃ、結構スパルタだねぇマシメ様はよぉ……いざとなったらフォローしろよなっ!!」


 怯えながら俺の顔を見返すイキョサちゃんに対して、トラッパーさんは悪態をつきながらもドラゴンに向かって突っ走って行った。


「なぁっ!! こ、こっちへ来てはいけませんっ!!」


「うっせぇっ!! いいから一緒に戦うぞっ!!」


「グォオオオっ!!」


 そして早速戦っていた奴と一緒になってドラゴンに挑み始めるトラッパーさん。


「ほ、ほらイキョサちゃんも行っておいで」


「う、わ、わかったよ……い、行くよ……行くから……い、今行くから……」


 そう言って身体を震わせながらも俺から飛び降りて、今回は一人でしっかりとドラゴンに立ち向かっていった。


(よしよし、頑張れ……ってまた真正面から行くなよっ!! アブねぇってっ!!)


「う、うわぁあああああんっ!!」


 涙すら流しながらまっすぐドラゴンに向かっていくイキョサちゃん。


(……ギリギリまで見守って……最悪は切り札を使って助けに入るか)


 それでも弟子たちの成長を思い、俺はあえて助言も何もしないことにした。


「どうも、皆さん平気ですか?」


「あ、あなた方はっ!?」


「我々は……イキョサ様とその仲間です、あなた方が魔物に襲われているのを見て助けに来ました」


(流石にここで俺が目立つのは不味いよなぁ……あの子をリーダーと言うことにしておこう)


 後世へ伝わる名声を考えて、俺はイキョサちゃんをリーダーだと伝えた上で助けることにした。


「そ、それは助かりま……ああっ!?」


「グォオオオっ!?」


「なぁっ!?」


 何故かこっちに飛ばされてくるドラゴン。


 見ればイキョサちゃんが物凄く困ったような顔でこっちを見ている。


「な、何でそっちに殴り飛ばしてんだよぉっ!!」


 物凄く怒っているトラッパーさんを見る限り、どうやらイキョサちゃんがやってしまったようだ。


(素手でドラゴンを吹き飛ばすって……まあ凄い怪力だったしなぁ……とか考えてる場合じゃねぇっ!?)


 このままぶつかったら俺はともかく、後ろにいる民間人たちはぺっちゃんこだ。


「ちぃっ!! 聖祈昇威(セイント・ブースト)っ!!」


 だから仕方なく、俺は魔法で身体能力を強化したうえで迫りくるドラゴンを思いっきり蹴り上げた。


「グゴォオオオオっ!?」


「え、えぇっ!?」


 まるでボールのように天高く舞い上がるドラゴン、しかし向こうには翼がある以上体勢を持ち直される可能性は十分ある。


 そして空からブレスを吐かれたら非常に厄介だ。


(止めさすしかねぇなぁ……はぁ……)


聖輝光(シャイニング・レイ)


「グォ……っ!?」


 追撃の魔法を受けたドレイクドラゴンは、一瞬で眩しい輝きに包み込まれ……バチンと光が弾けるのと同時に完全に消滅した。


「え……な……えぇ……?」


「な、何……え、ど、ドラゴンは……えぇっ!?」


 何が起きたかもわからない様子で呆然と言葉にならない声を洩らす民間人の人々。


「す、すっごいっ!! やっぱりマシメ様は最強だよぉっ!!」


「やっぱり人間のつよさじゃねぇよおめぇ……頼りになるっつうか怖ぇっつうか……まあ結果オーライってか」


 それに対して俺の実力を知っている二人は片やとても喜んで飛びついてきて、片や呆れたように肩をすくめて見せた。


「あ、あなた方は一体……それに今無詠唱で魔法を……一体どうやって……」


 またドラゴンと戦っていた人もこちらに近づいてきて、驚いた様子を見せながらもどこか落ち着いた様子で話しかけてきた。


(あ、あれこの人……俺がときめいているってことはひょっとして……っ!?)


「え、ええと……あなたは?」


「ああ、これは失礼しました……僕は人々の護衛を請け負っておりますマーセと申します」


(やっぱりマーセ様だったのかぁ……まあ合流できたし結果オーライってところかなぁ)


 トラッパーさんと同じ感想を抱きながら、俺は目の前で頭を下げる女性を感慨深く見つめるのだった。

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[一言] イキョサちゃんたちはいつまで不通でいられるだろう/ と思ったらもう遅い/w
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