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70.精霊村と遊び道具

集会場に行くと子供たちは朝食を食べ終わったところのようだ。

ぴぃちゃんとひこちゃんを肩に乗せ、長を伴って行ったからだろうか、ドアを開けた途端に大騒ぎとなった。

「「でっかいワンちゃん」」

「「ちょっと大きいひよこ!」」


どうやら他のフェンリルたちは子供たちの為に小さくなってくれていたみたい?で、子供たちの遊び相手になってくれて、気疲れでお肉に突進と。

まあ、それはいいとして・・・。


あんなに痩せていて、生気が薄かったのに、一日でこんなに違うもの?

だって、昨日まで生きるか死ぬかみたいだった子が、よちよちと歩いている。

果実水ポーションの効果凄くない?それ以上に違う効果がマシマシになってる気がする。

どういう組み合わせでこうなったのだろうか。


「ねえ、長理由分かる?」

「この村だからだ」

「それはどういう意味で?」

「ここが精霊村だからだ」

わかってないな。と盛大な溜息を洩らした長が説明してくれた。


「常に浄化するサクレがあり、精霊の泉がある」

頷く。


「それによりこの村にいるだけで魔や負の耐性が出来、身体能力は上がるのだ。それだけでなく、それらを含んだ果物や野菜を食べ、風呂に浸かって英気を養っている」

確かに。


「それが日常化しているのだ。間違いなくこの村の住人は、街の衛兵よりも強いだろう。一部の人間は、隊長すら凌駕する」

絶句。


父さんが一発でゴーレム倒したのって・・・。

「リセやホセは間違いなく将軍クラスだな。エディでさえ、魔力は魔導士に近づいている」

うわぁぁぁぁぁぁぁ。

やらかしたなんてものじゃないね。

「心配するな。国と戦っても、負けることはない」


それは安心だけど、それ以上にどこに向かってるのこの村!

神の御使い、幻獣フェンリルが住み、精霊が守っている村なんて、敵に回したくないね。

きっとこの長だけで国は亡ぶ。

長、お肉上げるから仲良くしようね!


「それよりもいいのか、あのひよこども」

ああ、あの勢いに驚いて肩から降りた途端に捉まったのか。

尊い犠牲だった。


あ、でも、このままだとぴぃちゃんもひこちゃんもトラウマになられると困る。

この子達がお世話するとわかると、卵産んでくれないかもしれない。それはこれからの計画に触りが出来てしまうので、このあたりで止めておこう。


「ごめんね。そろそろ、そのひよこを放してあげて。その甘い果物をあげるから」

その言葉で追いかけまわしていたひよこたちを放してくれた。

そのすきにひよこたちは、長のふさふさの毛の中に潜り込む。

その代わりあたしが囲まれる。

うん。この勢いは大変だ。


「みんな並んで!」

リュックの中に入れておいたポムを1人1個を渡していくと、すぐにかぶりつき始めた。

よちよち組の子達には、マンダリンを剥いで渡していった。これなら口に入れても噛み切れなくても食べられる。

みんながもぐもぐしている間に、ひよこたちにがんばってくれたお礼に、ポムをナイフで切ってあげることにした。


「サン、この子達を紹介しておくね。黄色い嘴の子がひこちゃん。ピンクの嘴の子がぴぃちゃん。もう少し大きくなったら小屋を建てるから、サンが中心になって面倒見て欲しいの」

「・・・いいのか?」

「もちろん!大きくなるから大変になるけど」

「大丈夫!やれる!」


「ひこちゃん、ぴぃちゃん、この子がサンよ」

「「ぴぃ(よろしく)」」

羽を広げて挨拶するひこちゃん、ぴぃちゃん。流石だ。

可愛くて賢いとか、伊達にガチャ卵から生まれてないね。


サンがひよこたちと交流をしてる間に。


集会場の裏にある普通の木を育成で少し大きくして。

まあ、まあの太さの枝が2つ出来た。

これでよし!

家具を作ってくれているおじちゃんに、椅子の部分を4つ作ってもらうことにしよう。

後はロープだけど・・・。あるかな?

なければ葦みたいなのを育成かな。

子供たちを見守っている長を置いて、家具を作っているおじちゃんのところへ走っていく。


「おじちゃん、長さ45㎝くらいで幅が20㎝、厚みが10㎝ぐらいの長方形の板をつくて欲しい」

「それぐらいならすぐにでも出来るが、何に使うんだ?」

「ブランコ!」

「何する物だ?」

「子供たちがそれに乗って、ブラブラと揺れるんだよ」


見たこともないものはイメージが付かないはずなので、下手な図だけど描いて説明してみた。

板にロープを通す穴を開けて欲しいことも。

「面白そうだな。いいぞ、今から作ってやる。ロープも村の倉庫にあるから持って行ってやろう」

「本当!ありがとう。集会場の裏に持ってきて」

「おおっ」


集会場に戻って、ブランコの邪魔にならないところで、まずは滑り台だ!

小さい子が上れるように高さは2mぐらいで、勾配は緩やかに「錬金」

木々しかないところで作ったので、全体的に土色の物になったけれど、仕方ない。強度があれば問題なし!

落ちても大丈夫なように、滑り台の周りは砂にしておくことも忘れない。


後は・・・と考えている内にお腹が鳴った。

朝から肉を大量に焼いたから忘れてたけど、あたし朝食食べてないや。

魔力も使ったし、頭も使った。ここはジャムパンでしょ!

公園って何があったかな?と考えながら、パンをムシャムシャと食べる。

卵が供給できるようになったら、クリームパンもいいな。もっと落ち着いたら餡パンとかもどうだろうか。作りたいもの食べたいものが次々と浮かんでくる。

こんな日もいいね。


今日はとにかくしたいと思ったことをしてみようとマリーは決めた。

マリーによる、公園化が始まった。


読んで頂き、ありがとうございました。

誤字脱字報告、ありがとうございます。


次回は間違いなく二日後に更新しますが、その後は不定期になる可能性が出てきました。

出張だの、新人教育だの、精神が削られることが続きます。

もふもふ、フェンリルの長かシャンスが現れてくれませんかね。

猫、犬の映像ループに陥ってます。

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