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リリアナお嬢様の命令よ!~転生伯爵令嬢は自分に素直に生きると誓いました~  作者: 如月 燐夜
一部四章 少女子爵領地経営編
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少女子爵、野盗を成敗す

本日二度目の投稿です。

読まれてない方はご注意ください。




隊列を組み森の中へと入っていく私達。


相手の人数は此方の倍近く居る。


斥候を何人か送り報せを待つ。


先程報せを持ってきた兵士が言うには300メートル程森を進んだ先に野盗の群れを見つけたらしい。


あれから15分は経っている、更に近づいて来ていてもおかしくない。


「リリアナ様、ここから十時の方角にて野盗の群れを発見しました。数は変わらず別動隊の動きはありません!距離百メートル、間もなく接敵します!」


「分かった、引き続き周辺の警戒を続けて。」


「はっ!」


この世界に時計はないが私が絵図を用いて説明し兵士達に覚えさせた。


今では新人も理解出来る程度には浸透している。


戻ってきた伝令から報告を受け、若い兵士が剣を抜き構えるも震えている。


訓練は重ねてきたが実践は初めての者が多い、恐怖が伝播しあっという間に広がった。


「まだ抜剣の許可は出してないぞおめぇら!しっかりしろ!」


すかさずジョセフの檄が飛ぶと震えを止め表情が少し和らいだ。


流石ジョセフ!


親指をグッと突き上げサムズアップするとジョセフからも良い笑顔と共にサムズアップが返ってきた。



「皆、なるべく近接戦にならない様に私が魔法で人数を削るから大丈夫だよ。ジョセフの言う通りに従えば全員無事とはいかないまでも怪我人は減るかもしれない。しっかり頑張って?」


「「「うおぉぉぉぉお!!」」」


ちょっ、一応奇襲なんだから大声は止めてー…!


まぁ、良いか。派手に行きましょう。



「『清廉なる我が願いを御主に届きたまえ、我が望むは剛力、神速、鉄壁、神の子達に祝福を【全能強化オールサプライズ】』じゃあ行ってくるね」


兵士全員に全能力強化魔法を掛け私は木の上に飛び移る。


普通の身体能力強化の五倍の効果があるし、実は治癒魔法の一種なのだがそれはまぁ置いておこう。


ちなみにジョセフは全能強化を付与した私と素の状態で渡り合えるほどの化け物だ。


これで怪我人は減るし、兵士一人につき、二~三人を相手しても問題ないが私は野盗の六割は気絶してもらうつもりだ。


彼らに出番はないかもしれない。



木から木へと飛び移りやがて野盗の群れが見えてきた。


私は動きを止め、詠唱破棄を行い石礫を大量に飛ばす。


「グァッ!なんだこれ?魔法か?」


「おい、しっかりしろ」


「サバンがやられた!ジャックも!」


「敵は何処だ?!探せ!探せー!」


敵陣は大混乱、さて更に掻き乱してあげようかな。


私は乾いた唇を舌で舐め別の魔法を発動した。


草木に守られた大地がポツリ、ポツリと天の恵み…雨によって侵食されていく。


それは段々激しくなり器をひっくり返したかのような土砂降りとなっていく。


「今度はなんだ?!」


「チッ、優秀な魔法使いが紛れてるみたいだな!おい、全員そこから離れろ!この周辺全部池みたいに沈むぞ!気絶してる奴はほっとけ、ボサッとしてんな!!」


あ、一人デンと構えたムキムキマッチョな山賊風おじさんが大声を上げ皆を逃がそうとしてる。


気絶した部下を放っておくなんてひどい奴だなぁ。


彼の口にした水攻めは大人数相手ならば効率が良いが、魔術式、呪文は魔力伝導率が低く私からすればナンセンスな魔法だ。


彼は何処かしらで兵士でもしてたのだろう。


少し詳しすぎる。


だけど隙が多く、反応が遅い!

私の狙いは他に有る!


「なんだありゃ?小娘…?」


「中々の上物じゃねえか!アイツを拐ってうっぱらっちまえば二~三ヶ月は遊べるぞ!」


「待て、お前ら!そっちに行くな!!」


木の上から飛び降り野盗の前に姿を現す。


野盗達は驚きながらも私の見た目に騙されたのか此方に突っ込んで走ってこようとしたが、残念でした。


私の魔法は既に完成している。


バチバチッと火花を上げ野盗の群れへと拳大の輝きが飛んでいく。


そのまま野盗の群れに時速160キロ程で飛んでいきバチーンと大きな音を響かせ放電し全員が倒れた。



死人は…居ないよね?一応威力調節したけどさ。


私の考案した魔法、【雷球スパークボール】だ。なんか使えたら良いなぁって思ったら出来てしまった…!


私理系じゃなかったし、原子と原子がアーッ♂て感じでなるんだよね、確か。


こう、フワッとした感じでもイメージさえ纏まっていれば発動するのだ。


魔法、本当に便利だ。


「『全員集合、速やかに対象を確保。』」


ポフッと音を立てながら火の玉を打ち上げ、拡声の魔法を使い指示を出すと10秒もせずに全員が集まってきた。



「何でここだけ水溜まりが出来てるんだ?」


「ていうか、野盗の連中全員黒焦げで倒れてるぞ?」


「これ全部領主様がやったのか?!」


思い思いに兵士達が呟くとジョセフが前にやってくる。


あ、やべ…


「お嬢、あの魔法を使ったんですかい?」


「え…あ、その…はい」


「ジェシカに報告しときやす。まぁ、今晩は飯抜きでしょうな」


しまった!


前にジェシカ、ジョセフの前で二つの魔法を使ったコンボを見せたとき危険だから使用禁止を言い渡されていたのだった…うっかり忘れてた。


「おめぇらは野盗を全員捕縛、川辺の方へ運んどけ!俺はお嬢にお灸を据えにゃならんくなった」


「「「オスッ!」」」


兵士の皆さんはキビキビと動きだし二~三人を纏めて担ぐと川辺の方へ向かっていく。


うへぇ~…これからジョセフの地獄特訓が始まるのか…しゃあない、覚悟を決めよう。


けど言うだけならタダだよね?


「あの…ジョセフ」


「何ですかい?」


「優しく…してね?」


目を潤ませながら掠れた声で懇願する。


こんな美少女(自称)がお願いするのだ、これを断る人なんて、、、


「そいつぁ無理な相談だ。地獄の二丁目コースとしやしょう」



ダメだった…


その夜は先触れだけを向かわせ、それ以外の全員が川辺でキャンプを張り夜営となり、センティスに着いたのは二日後となった。

本日のキャラ紹介はルルイア嬢です。


聖アムスティア学園生徒名簿

ルルイア・ブラックベリー・エンディミオン 17才


王武文魔保のうちの一つ、魔豊派の当主であるエンディミオン家の次女。


学園内では図書委員をしており、意外にもマリアンヌ・ゲースとの仲は良い。


信奉する神は違えど何処かお互いに牽かれる一面を持っていたのかもしれない。


主人公とは中間テストの勉強の際たまたま同じ本を手に取ろうとし、手が触れ合ってからの仲である。


本を読むのが好きで幼い頃から姉と共に父の書斎を遊び場にしていた。


やがて当主が代々秘匿し続けていた禁書…【邪神招来】を見つけてしまい、怖くなり召喚を拒否するも代償として共に解読していた姉が深淵に呑まれてしまう。


その頃から彼女の心は閉ざされてしまったのかもしれない。


彼女の目的はただ一つ、深淵に呑み込まれた姉ともう一度話す事だ。


「同志、また来てたのね?さぁ、共に闇に堕ちましょう?ふふふ、大丈夫。闇は何者をも拒まず受け入れてくれるわ。いっその事駆け堕ち(・・)でもする?」


役職 図書委員


好きなもの 姉 深淵

嫌いなもの 内容のない会話




第二回、リリちかっ!豆知識~!


ジョセフ…ジョセフの先祖は剣聖の傍流にあたります。

ジョセフの先祖は当時の剣聖の庶子であり貴族にはなれなかった為家名はありませんが、剣術の才能は脈々と受け継がれており、その剣術は庶子だった先祖の名を冠するジョージ流剣術と呼ばれています。


地獄の○丁目…ジョージ流剣士に伝えられている新人へ与える過酷な訓練の総称。


一丁目で大の大人が二日間寝込む程度。二丁目で四日、三丁目で八日…と倍々に寝込む日数が増えていく。

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