お嬢様はフラグを立てました
なんとなんと気付けばブクマ件数が90に跳ね上がってました!!
如月、嬉しい!!
これが毎日投稿の力だと言うのだろうか…!
感謝感謝です!ありがとうございます!
春になり私は七歳になった。
この頃になると私は身長が伸び始めてきた。
剣の稽古もそれなりにこなせる様になり、今では兵士と打ち合い三回に一回は勝てる様になっていた。
レインちゃん達三人もパーティに来ると返事が届き、久々に会えるのを楽しみにしていた。会場では大人が酒を飲むので、子供の時分、大人の話は退屈なのだ。
そこで私は事前に三人が屋敷に着いたら私の部屋に通す様にメイドさん達に頼んで現在一緒に遊んでいる。
「ねえねぇ!リリーちゃん!これどうやって遊ぶの?」
私が作って部屋の角に立て掛けてあった竹馬に興味津々なタニアちゃんが指を差して聞いてくる。
「これはね、こうやって上に乗って…おわぁ!」
「大丈夫ですの?!」
レインちゃん達が駆け寄ってくる。
痛てて、すこし失敗した…情けない声を出してしまった。
まぁ大きな怪我しなくてよかった。
家の中で竹馬とか今更言うのもなんだけど庭でやんなきゃな…反省…!
「…これ。リリーが描いたの?」
アンちゃんが机に置いてあったランジェリーの図案を見て不思議そうな顔をしている。
「そうだよ。皆が大きくなったら私からプレゼントするね!」
「本当に?やったー!」
ぐふふ…タニアちゃんの胸は将来大きなものになる。
その時は私直々にサイズをお図りしてあげよう。
寧ろその為に作ったと言っても過言じゃないんだけどね。
「でも…良いんですの?私の母もこれと似た物を身に着けていましたが、すごく高級品だと言ってましたわ…」
レインちゃんがしょぼーんとしている。可愛い。
レインちゃん家は子爵家だからそこまで金銭的な余裕がないのだろう…
ここは安心させておこう。
「大丈夫だよ!私が作ったんだもん!レインちゃんのお母さんには割引するってお店に言っとくね。明日の帰りに寄って行ったらいいよ!もちろんアンちゃん、タニアちゃんのお家にも!友達だもん!」
確かレインちゃんもタニアちゃんほどじゃないけどそれなりに成長するはず。今から収穫祭(サイズ検定)が楽しみだ。
私は扉の近くに立っているイレーネにマルーナへの言伝を頼んだ。
「「「リリー(さん)(ちゃん)!!!」」」
三人が私にくっついて来る。
愛いやつらよ、近う寄れ。ほっほっほ!
私は三人を優しく抱き留めた。
「姉さん!父上がパーティ会場に顔出せって呼んでたよ」
ノックが聞こえ扉を開けたマシューが入ってくる。
幸せな時間を邪魔しやがって…!
それよりもやばいわ!私は皆をマシューには近付けたくない。
私は三人の前に立ち、目が合わないようにする。
フラグが立ってしまうんじゃないかとひやひやする。
「分かった。先に行って待ってて!すぐに向かうから。」
「はーい!あ、お友だちと遊んでたのか…邪魔してすみません。僕はマシューって言います。姉さんのことよろしくお願いします。」
礼儀正しく頭を下げたマシュー。
私が指導したものだが今だけはそれを悔やんだ。
まだ幼いが中性的なその顔立ちは愛らしさが光る。
「良いから先に行って!」
マシューは睨んだ私を見て足早に出ていった。ふぅ…
「マシュー…さんって言うんですのね」
や、やばい!
レインちゃんの目が恋する乙女のそれになりかけている…!
そういえばレインちゃんは男嫌いなのに、幼い頃のマシューにだけは優しかったと公式設定には有った気がするな…?
惚れたとかそういう設定なんだろうな。
ギャルゲーでは有りがちだと弟のコウタも言ってた記憶がある。
だけど何かキッカケが有ってマシューにツンケンしてたような…何だっけ?
一番肝心なところが抜けてるとかダメだな、私。
「ねえ、レインちゃん!皆でパーティ会場に行こ!お菓子一緒に食べようよ!」
声を掛けるがボーッとした表情でマシューが出ていった扉をジーっと見ている。
こうなれば…仕方ない!
「うりゃあッ!」
私はレインちゃんをベッドに押し倒した。
タニアちゃんとアンちゃんが驚きの声を上げている。
「よそ見してる子にはお仕置きだよ!それ!」
「ヒィッヒィッ…ギ、ギブアップですわ…!はぁはぁ…」
ぐへへ…私はレインちゃんの脇や首を擽る。
可愛らしい笑い声を上げたレインちゃんがギブアップしたのを見て指を離す。
「少しは目が覚めた?」
「は、はい!少し考え事をしていただけですわ!それにしてもリリーさんったら酷いです!」
プリプリ怒りだしたレインちゃんの頭を撫でてお姫様だっこをする。
少し成長の早い私はレインちゃん達より頭一個分大きい。
アンちゃんは二つ分だ。
日頃の剣の稽古で鍛えたからか、華奢なレインちゃんは羽の様に軽かった。
いつだったか忘れたが、レインちゃんをお姫様だっこするという夢を願ったがいつの間にかは叶ったな。
あとはベッドインだな…なんちゃってなんちゃって!
でもベッドから抱き上げたからこれじゃベッドアウトだ。
「え?!リ、リリーさん…?!お、下ろしてくださいまし!自分の足で歩きますから!」
レインちゃんは必死の形相で私から逃れようと試みた。
しかし、甘いのだよレインちゃん!私が離すわけないじゃん!
「ダーメ!マシューに見惚れてた罰!このまま会場に向かうからね!タニアちゃんアンちゃん行こ?」
私は不機嫌さを隠さずレインちゃんを持ち上げる。
これはお仕置きであってレインちゃんを虐めるためではないのだ。
だがきちんと罰としてタニアちゃん達に声を掛ける。
「わーずるい!次私もやってー!」
「タニア…ダメ!」
羨ましそうにするタニアちゃんにお叱りの言葉を与えたアンちゃん。
でもその顔は少し物欲しそうだ。
「二人はまた今度ね?」
私は二人にウインクして歩き出す。
タニアちゃんは素直に喜び、アンちゃんは
「別に…してほしくないし…」
と呟いている。
廊下を歩き二階のパーティ会場までもう少しだ。
アンちゃんは言葉とは裏腹にその顔は少し赤くなっている。
仕方ないなぁもう。今度欲しがりちゃん(アンちゃん)にもお姫様抱っこしてあげよう。
「リリーさん…その、ごめんなさい!」
レインちゃんの吐息がかかる。
真っ赤にした綺麗な顔がすぐ近くにあってドキッとした。
「反省してね?レインちゃんの友達は私。たとえ弟でもレインちゃんは渡さないから!それにレインちゃんは…ううん、何でもない。」
「はい…!私にはなんですの?」
首を傾げるレインちゃん。
まだ縦ドリルになってない綺麗な金髪が首の傾げ具合によって揺れた。
いつ頃なるのかな?いきなりなったらちょっと怖い。
レインちゃんのお母さんは縦ドリルじゃないしな…
「うーん…内緒!でもレインちゃんはマシューには絶対に渡しません!」
私は笑顔をレインちゃんに向ける。すると
「うー…その顔、卑怯ですわ…」
とレインちゃんが呟きみるみる顔が更に赤くなった。
可愛いなぁ。
会場に着く扉の前で下ろしてあげた。
レインちゃんと目が合わない。
嫌われちゃったのかな?
それはちょっと…いや、かなり辛い…かな。
いつもより少し長めに書いてみました。
このくらいが読みやすいですかね?
この方が良いって意見が有れば続けてこの程度書きますがどうしましょうか?
とりあえず次回からは千文字前後ほどに戻します。




