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コッペリオン支部長の悩み

コッペリオンの街門前にて三十分ほど待たされ、漸く順番が回ってきた私達に衛兵のお姉さんが声を掛けて来た。


「こんにちは、市民証かギルドカードはお持ちですか?」


「これを。」


予めランゼに渡していたギルドカードを検分した衛兵はにっこりと笑い、愛想よく返してくれる。


「おぉ、《旋刃》のランゼさんにAランクが二人も!何か依頼か調査でしょうか?…あ、失礼。最近物騒なのでお気を付けて。」


《瞬旋》とはランゼの二つ名だ。

いいなぁー…カッコいい!私も二つ名ほしいなぁ!


ギルドマスターになるには最低でもAランクの資格が必要らしく、更にギルドマスターになると階級が一つ上がるのでランゼはSランクなのだ。


旅をする際、私とマルシェラちゃんのギルドカードを発行して貰ったのだが、初心者扱いのFで発行するつもりがランゼが勝手に暴走し、結局Aランクになってしまった。


最初はSランクだったのだがそれでは目立ち過ぎるので、何とかAランクにして貰った。


二つ名が付くのならSランクでも良かったかも…いや、私の判断は正しい筈…うん。


ちなみにマルシェラちゃんはCランクだ。


シャドウリンクスほどの獣魔を連れているFやEなどあり得ないという話になり、Cランクで落ち着いた。


「物騒とは…何かあったのか?」


「えぇ、クーロン王国と小国連盟の間で小競り合いが起きまして、難民が多くコッペリオンに逃れましてね。食料が足りず孤児やらならず者の窃盗や刃傷沙汰が相次いでまして…おっと、忘れていました。コッペリオンへようこそ。」


お喋りなのか、小声で内緒ですよ?

と語る衛兵のお姉さんが素敵な笑顔で見送ってくれた後、私達は街門を潜りまずは冒険者ギルドへと向かった。


道すがら、すれ違う様々な種族の冒険者、商人を見ながらも私達はギルドへと到着する。


最初はギルドにてこっちの支部長さんがランゼに話があるとの事で、序でに道中で得た素材を売るのと、出来れば依頼を受けたり、ダンジョンにも行ってみたい。


ということでマルシェラちゃんとダリアとメルティさんに宿の予約を任せて、噴水のある広場前で待ち合わせすることになっている。


残りの私、ランゼ、ボストンでギルドにやって来た。


体の大きいみぃちゃんは街門近くの獣魔預かり所でお留守番である。


「ようこそ冒険者ギルドへ。本日のご予定は依頼ですか?それとも受注でしょうか?」


素敵な受付嬢さんが営業スマイル増し増しで対応してくれるのを、交渉担当のランゼが用件を話す。


ぶっちゃけ丸投…げふんげふん。

元ギルド長という肩書きを持つ大人なランゼが交渉事をした方が私としては安心なので任せている。


「私はマルバラ支部の元ギルド長ランゼと言う。こちらのギルド長に取り次いで貰いたい。連絡は通信石で行っていると思うが…」


「ランゼ様ご一行ですね?お話は伺っております、どうぞ此方へ。」


既に受付嬢さんにも話は通っているらしく、そのまま三階の応接室に通された。


しばらくすると、ノックと共に先程の受付嬢さんと優しい顔立ちの若いお姉さんが入ってくる。


燃え上がる様な深紅の長髪に、相対する様な綺麗な海を連想させるエメラルドグリーンの瞳、白のローブに手には大きな白杖を携えていた。


「ランゼ、久しぶりですね。急に呼び立てにも来て頂き感謝します。」


「久しぶりだな、フローラ。紹介しよう、我が主のリリアナ・アルデン・センティス様とBランク冒険者のボストンだ。お嬢様、此方コッペリオン支部ギルド長のフローラ・ゴールディンモートだ。」


「まぁ、この方がお噂のリリアナさんですか?失礼、ランゼとはギルド長会議にて何度ご一緒させていただきまして、よくリリアナさんのお話を伺っておりました。フローラ・ゴールディンモートです。王家の姓を持っていますが、私は庶子で継承権がありませんので、悪しからず。」


「初めまして、フローラさん。それでランゼに話があるって聞いてるけど、どんな用件なの?」


「えぇ、ではお話しましょう。あれはーー」


フローラさんの話を要約するとこう。


二週間前、丁度マルバラがスタンピードの被害を受け、蜂の巣をつついたかの様に大騒ぎをしていた頃、コッペリオンでも騒動が起きていた。


先に衛兵のお姉さんが話してくれたクーロン王国と小国連盟との小競り合い。


毎年何度か行っている恒例行事の様なそれは今回に限って違った。


クーロン王国の第三王女メイリーが激励視察として国境砦に訪れていた際に、忽然と行方を眩ませたのである。


兵士数名が護衛と称して連れ出したのを何例かの目撃情報が上がっていた。


小国連盟側に何度も使節団を送り抗議したが、知らぬ存ぜぬで通され一向に話は進まぬ膠着状態。


クーロン王国側は激情し、本格的に軍を展開し宣戦布告をした。


しかし大国であるとは言え、多勢に無勢。


クーロン王国が僅かに劣勢だという。


その理由というのも、クーロンの剣と呼ばれる英雄クロッカス率いる第三中隊がダンジョンにて消息を断ち二週間経った今も連絡が取れないという。


しかもそのダンジョンというのがゴールディンモート王国なのだから知らぬ存ぜぬでは通せないのだ。


庶子とは言え冒険者ギルド長のフローラに王家から圧を受け断るに断れない。


「既にコッペリオンの上位冒険者が探索に向かったのですが、そちらも連絡が取れないのです…出来れば依頼という形でお受け頂ければ幸いなのですが…見付からなくても責任を問う様な事は致しません。ランゼさん如何でしょう?私が行ければ良いのですが、事務処理に忙殺され動くに動けない状態なのです。」


ギルドマスターになる条件としてある程度の個人戦闘力、ーー厳密にはAランク以上の資格が必要となる。


そしてギルドマスターになると階級が一つ上がり、Sランクになる。


ことフローラは王家の七光りでは無く、魔法と弓の腕がありそれこそ一騎当千の力を秘めている。


…と、ランゼがこの場で解説してくれた。


当の本人であるフローラは顔を真っ赤にしながらも否定していた。


「むぅ…それは…」


「んー…わかった、良いよ!別に見付からなくても責任を問われないんだったら行ってみるのも有りだと思うよ?報酬も出るんでしょ?」


「ええ、それは勿論。一応到達階層を証明するためにその階層の魔物の素材を提出してもらう必要は有りますが、ランゼが着いてるのでそれは心配する事はないでしょう。」


「お嬢様がそう言うのであれば…分かった。此方で受けよう。」


「有り難うございます。では此方が詳細を記載した書類となります。期間は五日、階層は二十四階層から二十六階層の間が捜索範囲となります。」


「承知した。早速準備に取りかかろう。お嬢様、行きましょう。」


「うん、フローラさんまたね~!」


フローラさんと別れギルドを出ると私達は宿を取って先に噴水広場で待機していたダリア達と合流して、説明を行い必要そうな物資を集め始めた。

サブキャラ作者用メモ

ちょこちょこ名前とか忘れたりしちゃうので…汗


ランゼ・カーソナル

23才 元冒険者ギルドマルバラ支部ギルドマスター Sランク冒険者 カーソナル王国元王子


ダリア・ドラクリオン

22才 Aランク冒険者


ボストン

31才 Bランク冒険者


ミスティ

20才 元マルバラギルド職員 Cランク冒険者


マルシェラ

見た目14才 実齢425才 Cランク冒険者


フローラ・ゴールディンモート

19才 コッペリオン支部ギルドマスター Sランク冒険者 王家庶子



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