美味しいものは世界を越える
ダリアに着いて行くこと五分程、大きな食堂へと案内された。
「さて、あんたはゴールディンモート人じゃなさそうだし、多国籍料理の方が良いと思って此処に連れて来たんだが、構わないだろ?」
「気遣い感謝する。それと私のことはリリーと呼んでくれ。」
「はいよ、んじゃリリー!ここはあたしが持つから好きなだけ食べな!成長期だろうし、ずっと寝てたんじゃ腹も減ってるだろう?」
「あぁ…甘えさせて貰おう。」
一応お金は持っているのだが、アムスティア硬貨がゴールディンモートで使えるのかは微妙だ。
確かギルドで換金をすることが出来る筈だ、その後ダリアにはきちんと礼をしよう。
「ふむ…パスタはない…か。ナール?なんだこれは?」
「ナールかい?ここから北東に行ったベイシアって国で食べられている主食さね。豆やトウモロコシを磨り潰したものを窯で焼いて、野菜や肉を香辛料で煮たガーレン…まぁ、シチューみたいな物を付けて食べるのさ。」
んん?カレーみたいなものかな?
名前もちょっと似てるし!
「なるほど、ならばそれを頂こう。それとミルクも頼む。」
「あいよ、そうだねぇ…あたしも同じのにしようかね。牛肉と海鮮があるけどどうするかい?」
「では海鮮にしよう。」
「じゃああたしは牛肉かね。二人で半分ずつ食べようじゃないか。」
「分かった。」
十分後、とても美味しそうな匂いが私とダリアの前に置かれた。
うん、見た目と匂いは完全にカレーとナンだ。
どれ、味は…
こ、これは!
カレー、正にカレーだ。
ゴロゴロと蟹や海老、烏賊やホタテなどの海鮮が具沢山に入っている。
きちんと下処理しているのか、味わいが深く、それでいてまろやか。
だけど、後から津波のように辛さが私の舌を襲ってくる!
「ミルク、お代わり!あと、ナールも」
これは堪らない!
手が止まらない!
圧倒的にカレーだ!
まさか異世界でカレーを食べれるとは。
お米が恋しい…
私は懐かしさとお米の恋しさで自然と涙を流しながら完食した。
「ほら、あたしの分もやるから沢山食べな!」
牛肉の角切りがゴロゴロと入ったカレー。
口の中に入れた瞬間、肉が解けていく。
こっちは口に入れた瞬間、辛さが際立つ。
辛い!
ミルクがどんどん無くなってしまう。
圧倒的牛!モー堪らん!
えっ?つまらない?
そんな事はどうでも良い。
私の舌で旨さが爆発してるんだ!
これは食のテロリズムだよ!
私は顔を涙で濡らしながらひたすらにガーレンを口へ運んだ。
「そんなに泣くほど美味しかったのかい?まぁ、連れてきて良かったさね!」
それと違うんだよ、ダリア!
ほぼほぼ合ってるんだけど、ちょっと違うんだ!
うぅ…カレー恐るべし…!
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