私とリリアナと梨乃
あれ?ここは何処だろう。
真っ白な空間。
上も下も、右も左も、感覚がない。
その場に佇んでいるのか、落ちているのか、横に飛んでいるのか、はたまた急上昇しているのか、それすらも分からない。
私は何をしていたんだっけ?
記憶が混乱している。
私は志波梨乃であって、リリアナ・アルデン・センティス、ここまでは覚えている。
そう、何か大切なモノを取り返しに、国を飛び出した。
それで別の大切なモノを喪いかけた…?
何を…?
人…マシューじゃない、レインでもない…ハッ!マリアンヌだ。
そう、マリアンヌが強襲された。
誰に?
バルッセの公主、ヨハン。
そして私はヨハンをこの手に掛けようと手足を切り捨てた。
それでヨハンの自爆に巻き込まれたんだ。
うん、完全に思い出した。
マリアンヌとマシューが危ない。
ヨハンは死んだけど、ゴッサムがまだ生きている。
奴を倒せるのは私しか居ないのだ。
直ぐに戻らなきゃ。
ーーー何処へ行くの?
そんな声が私に問いかけてくる。
何処へだって?そんなのマリアンヌ達の元だ、決まっている。
ーーでも貴方は既に死んでいる。魔人には勝てない。それでも行くの?
ええい、さっきから私の考えを邪魔するのは誰だ!
私は回りを見渡し、そしてみつけた。
…え?
あれは私と私?
確かに見覚えのある二つの姿。
それは生前の十八才だった私と原作で何度も見た私の姿だった。
ーーそんなに辛い思いをしても助けに行くの?
ーーーあの世界は貴方の知る世界じゃない。それでも、行くの?
リリアナ、そしてリノが私に問い掛けてくる。
うるさい!私は決めたんだ!世界を救って、幸せな人生を送る、と。
その為にはこんな所で立ち止まっている訳には行かないんだ!
それが例え死を迎えようとしていても私は止まらない、止まれないんだ!
ーー貴方の意思は確かに聞いた。この先どんな運命が待っていようと貴方は立ち止まる事は許されない。
ーー理不尽な暴力や別れが貴方を待っているかも知れない。それでも貴方は休む暇なく前へ進まなければならない。
ーーだから、この力を、授けましょう。
ーーこれは希望にも絶望にもなり得る強大な力。貴方に使いこなせるかしら?
ふん、やってやろうじゃない!私は私の人生を生存してみせる!
ーーー出口は向こう。
ーー貴方に幸多からんことを。
私は光に飛び込むと意識が浮上した。
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