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「恥ずかしさの籠──そして判明する“服が限界”という事実」

朝は穏やかだった。


前日の軽い訓練のあと、今日は洗濯の日だとセリーアが決めた。


子どもたちは外で、太陽の下、服をこすったり、水に浸したり、干したりと大忙し。


ダエルとエイデンは井戸から水を運び、

女の子たちは仕分け作業をしていた。


順調に進んでいた……

サヤが“その”籠を開けるまでは。


サヤ

「え……? なにこれ……?」


マイアが顔をのぞかせる。


マイア

「昨日集めたやつ? でも、なんでこんなに……ざらざら?」


ウラも別の服を手に取る。


ウラ

「えっ……これ、元は白だったの?」


ノアが首を傾げる。


ノア

「繊細な布って、本来もっと……きれいじゃなかった?」


みんなで籠の中をのぞき込む。


そこには――


ほつれた糸、

伸びきったゴム、

色が抜けきった布、

破れた縁、

かつてピンクだった“らしい”何か、

そして……誰も言及したくない謎の穴。


ルミが小さな悲鳴をあげた。


ルミ

「わ、私たち……ずっとこんなの着てたの!?」


マイア(絶望)

「どうやって気づかずに生き延びたのよ!?!」


コマが板に書く。


《状態:下着 致命的損傷》


ウラ

「これは……葬式が必要だよ!」


カイレン(ため息)

「葬式じゃなくて修繕か処分ね……」


ノアは額を押さえる。


ノア

「……だから時々かゆかったんだ……」


ルミは真っ赤。


ルミ

「ど、どうしてセリーアに言わなかったの……!?」


サヤ(叫び)

「恥ずかしかったからぁぁ!!」


全員

「(コクリッ)」


ちょうどそこに、新しい籠を抱えたセリーアが近づいてきた。


セリーア

「みんな? 何か手伝――」


沈黙。


衣服を見る。


少女たちが見る。


セリーアは深く……深くため息をつく。


セリーア

「……この日が来るとは思ってたわ。」


サヤ(半泣き)

「セリーアああ!! 服が死にかけてるのぉ!!」


ルミ

「お、大きくなるのに……こんなの着てられない……!」


ノア

「もはやゴムが存在してません……!」


マイア

「これなに!? なんで!? 誰が作ったの!??」


コマ

《犯人不明。繊維界の陰謀の可能性》


ウラ(うるうる)

「セリーア……お花とか、リボンとか……かわいいの、欲しい……」


セリーアは優しく笑う。


セリーア

「ええもちろん。こんなボロはもう着なくていいわ。」


そこへ遅れてリンカが到着。


リンカ

「何して――」


少女全員

「これ!!」


リンカ

「……ああ。」


そのタイミングで、ダエルが大量の水を運んで戻ってきた。


少女たち、硬直。


セリーア、超高速で籠に布をかける。


ダエル

「……何かあった?」


マイア(裏返った声)

「なんでもない!!」


サヤ(必死)

「ぜったい何でもないから!!」


ウラ(緊張で変な音)

「♪~~~」


リンカは巨大な壁のように前に立つ。


ダエル

「怪しい……なんか隠してるだろ。」


コマ

《怪物よりひどい》


ダエル

「……は?」


ルミ(絶叫)

「だ、男子が知っていいことじゃないからぁぁ!!」


ダエルは混乱したまま後退。


セリーアは彼の頭をぽんぽんと押して道を誘導した。


セリーア

「ダエル、お願い。エイデンを手伝ってあげて。

これはね……女の子の問題なの。」


ダエル

「わ、わかった……」


本気で逃げていった。

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