第80話
氷姫こと幼馴染みと皇族探索者部隊は階層を進め、88階層オークキングと相対していた。
スケルトンキングと違い、身の丈が3メートルと膂力がありタンクは吹き飛ばされていた。
それからは散開し、足止めしながら削っていき余裕に討伐出来るなあ…と僕は見ていたが…
まさかの転移で侍女の後ろにキングオークが1体乱入してきたのだった。
僕も経験がある、たしかDランク20階層で雷魔術を使うワーウルフ。
当時は分からなかったけど、あれはイレギュラーエンカウントだった。かなり強い個体だったし…
僕はボスと勘違いしてたけど転移で強襲され、死にかけた記憶がある。
そして侍女は転移してきたオークキングに気づいてない…
ダンジョンでの死はつきものだ。
もちろん配信中でも…
グロ現場とかになればモザイク処理が即かかるが、やはり見ていて気持いいものではない…
僕は立ち上がる…
助けようと。
ただ…
身体が動かない…
今の僕には助けるチカラがある、だけど誰でも彼でも助けはじめたら、キリが無くなる…
そして終いにはなんで自分のときは助けてくれないんだ!と…言われるのには目に見えてる…
人間は醜い…
僕はそういうのをたくさん知っている…
だから幼馴染みを尊敬している。それでもずっと救助要請に応え続けているからだ。
けどそのせいで幼馴染みはもう笑わなくなった…
救助を強制させられたらもう、それは呪いだ!
全てを救い終わるまで終わらなくなる。
そして救いを求める声がやむことは決して無い…
僕にはそんな使命感は無い…
無いし持てなかった…
僕は残念だけど、そういう人間なんだ…
僕は助けようと立ち上がったが、座り直した。
すると幼馴染みも気づいたみたいで、身体強化をし、庇うようにオークキングと侍女の間に割って入ってた。
きっと侍女は自分より大切な人なんだろう…
幼馴染みの悲痛な顔をみたらわかる。
そして庇われた侍女が気づき悲痛な絶叫をあげる。
僕はちょっとその光景を羨ましいと思った。
僕は産まれてこのかた、僕をそういう風に大切に思ってくれる人とは1人として出会わなかった…
ずっと疎まれ、嫌悪され、蔑まれ、虐げられ…
あげく夢を否定され僕は自殺…
…けど…
そういえば…幼馴染みは飛び降り自殺しようとした僕を…
下で抱きとめようとしてくれていたな…
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魔力0 残念王子の黒騎士 異世界より地球に転移しどちらも無自覚最強無双
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