第331話
ノーネームの俺は食堂のおばちゃんの娘に、白刀を向け言い残すことはあるかと聞いた。
幼馴染の皇族の姫からみたら姪にあたるギャル。
「う〜ん。ないかな…
あ!ブタっちは無事かな?」
「なぜ気にする?」
「う〜ん、わかんない。ただ最後に謝っておきたかったのかもね。ごめん…ブタっち…」
ギャル姪はブタオがいまここにいるノーネームの俺とわかってはいない。
「…祈れ!!ゆくぞ!!!」
全てを諦めた表情をしているギャル姪が静かに目を閉じた。
俺は白刀を振りかぶりった。
……
…
ガッ!!!
「マスター…よろしかったので?」
「ノーネーム様…」
「ああ。これでよい。これで…不服か?」
「い、いえ!!マスターの言が全てです!!不服などあるわけありません!」
「め、滅相も御座いません。ノーネーム様!」
うん、二人とも意外だったんだろうな…。
俺は…
瞬時に刃の無いほうに刀を返し峰打ちにしていた。
今、ギャル姪は気絶している。
もちろん外傷や後遺症などはないようにして。
正直無意識だったのかわからない。
俺も最初は殺すつもりだった…気がする。
なにより本人が死を望んでいたから…
だが、生い立ちの家庭環境に同情したのか…
はたまた最後にギャル姪がブタオの俺を気にかけ謝罪したからか…
つい手元が狂った。
「さて帰るとするか…ちなみに一番隊組長よ。
我がブタオという事は秘密にせよ。ブタオで接するときもあろう、その時は普通に同学年みたいに接っせよ。
不可視の手もご苦労だった。不可視化せよ。」
「と、とんでもございません。わかりました!マスター!」
と可視化されていた不可視の手が、透明になる。
「委細承知致しました。ノーネーム様。
御前失礼する前に一つよろしいでしょうか?」
「構わん。どうした?」
「ノーネーム様の配下にしたい者がおりたく、今度御目通りは可能でしょうか?まだその者には聞いていない故、今から聞いてきます!魔女様転移は可能でしょうか?」
「一度行った場所なら可能です。あとは魔力の痕跡…一度会って尚且つわたしの記憶に残ってる者ならば」
「ノーネーム様、少々失礼致します。早急に吉報を持ち帰って来ますので!では魔女様転移をお願い致します。」
と頭を下げる一番隊組長、そしてどっかに転移してしまった。
うん、俺配下ほしいとか一言も言ってないよね?
まあいいや。
いらんかったら不合格とかでも言えばいいだけか。
まだチカラが足りん!とか言っとくか…
俺はその間に漆黒顕現を使いギャル姪を皇族本家へ運びこんだ。
う〜ん…配下かあ…
配下かあ…大丈夫なんかな。やっぱりぶっちゃけいらないんだが…
変なトラブルメーカーとかで尻拭いとかさせられそう…。
急に不安になってきた。
と、そうこうしていたら一番隊組長が帰って来た。
誰かを連れて…。
ってはや(笑)
俺はその者を配下に加えたのだった…
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