第291話
わたしは皇族の姫
侍女は一番隊組長さんの秘剣焔に必死に耐えて亀影盾をひたすら構えている。
わたしの大魔術を使う時間稼ぎをしてくれている。
「大したものだよ…致命傷にならないようにしてるとはいえ秘剣焔を耐えるなんて…
正直、魔力量からして後ろのお嬢さんの大魔術が僕に決まれば僕はこの模擬戦は負けていたであろうね…。
模擬戦は。
だけど…ごめんね。模擬戦といえど僕は負けられないから奥義をだすよ。」
奥義?!
けど侍女を倒してもわたしの大魔術のほうがはやいわ!!
この模擬戦は2対1、侍女が倒されても皇族家の負けにはならないルール!!!
すると一番隊組長さんの上半身が大きくしなりのけぞる
「距離を詰められては刺突の威力が軽減されるのは確かだ…けど僕は距離が無くても最大火力の刺突を繰り出せるんだよね!
いくよ!奥義!!刺突零式!!!!」
一番隊組長さんの足元の地面は吹き飛び侍女と零距離なのに凄まじい威力の刺突を放ってきたわ。
侍女の亀影盾を木刀が貫通し、侍女は吹き飛ばされわたしのほうへ飛んでくる。
本来なら侍女すらも貫かれているはずであろう奥義の威力だけど…木刀というのと手加減してくれたんだと思うわ…
そもそも盾で刺突の軌道をずらすとかの問題ではないほどの威力…
そして侍女がわたしのほうに吹き飛ばされてくる。
ちょうど一直線になるように計算もされているとは…
ダメッ!!わたしの大魔術、氷柱十氷牢が間に合わない!!!
負けるっっ!!
と思っていたら…
ズガン!!!!
わたしの前にまるで隕石が堕ちてきたかのような衝撃音…
そこには……
……
…
侍女を抱き止め、お姫様抱っこしている…
「我は絶望を知る者、そして魔女の因子を宿す者。
ノーネーム!!」
禍々しい漆黒のオーラを纏いしノーネームが突如現れる。
ギルドの訓練場会場は一気に騒がしくなったわ。
「あ、あれがノーネーム?」
「探索者ランキング世界1位が乱入だと?」
「腕が4本ある?2本は女性の腕?っぽいが…」
「た、たしかに異質だ…」
「乱入戦だ!!ノーネームの実力が見れるぞ!!」
「ランキング6位の剣聖ちゃんより強いんだろ?」
「噂では師匠らしい。」
「あれ本物か?本物か偽物を確かめる術なくない?」
「あ、あなたがノーネーム殿?い、いや、確証はまだ無いか…
お初にお目にかかるノーネーム殿。
申し訳ないが今は貴族同士の模擬戦中…
ノーネーム殿、お話は後ほど聞くとしていまは訓練場から退いては頂けないか?」
とギルドマスターが急ぎノーネームの元へ行こうとしていたわ…
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