第287話
わたしは皇族の姫
わたしは今自分の考えを勇者先輩に伝えた…。
けど否定されたわ。
別にそれはいいのだけれどもなぜあなたの言う通りにしないといけないの?
わたしの人生なのに?
話にならないし、話しているとイライラするわ…
「勇者先輩がどう思おうとも勝手ですが、わたしは自分のしたいようにしますので!
あと…唆されてもいません!わたしの意思です!
ですので周りに危害を加えたらさすがに勇者先輩といえど…公爵家でも許さないですよ!!
では失礼します!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!オ・レのオ・レの話を聞け!!」
わたしは足早に立ち去ったわ。
いまから伯爵家のお抱え探索者、一番隊組長さんとの大事な模擬戦があるのに!!
はぁ…
わたしは深い溜息をつく。
精神をかき乱されたわ…
落ち着いて集中しないと…。
けど、無性にイライラするわ。
女性には月の周期があり、精神的に不安定になりやすい時期があるの。
この調子だと模擬戦に影響が出そう…。
今から控え室にいるであろうブタオさんに話を聞いてもらい、リラックスしようかしら。
侍女が連れて行ってくれてるはず…
わたしは知らず知らずに駆け足になり、ギルドの控え室へ行ったわ。
わたしも侍女みたいにブタオさんをからかっちゃお!
はいはい。って流されたりツッコミを入れられたり、たじろぐブタオさんは面白いの。
侍女がよくて、わたしがからかっちゃいけないとは言わせないわよ!
はやくブタオさんの反応が見たくてわたしは走ってギルドの控え室へついた。
「ブタオさんいる?聞いてほしいの!!」
わたしはノックも忘れ控え室へ入ったわ。
すると…
そこには……
侍女がブタオさんに抱きついていたの。
またブタオさんをからかってるのかしら?
と思ったのだけど…
侍女は涙をうっすら浮かべ、ブタオさんは困ったような、なんとも言えないような表情で侍女の頭を撫でていたの…
まるで大丈夫大丈夫と言わないばかりに…
羨ましい……
また侍女にだけ…
なんとも言えない感情がわたしを支配する。
わたしがわたしじゃなくなるみたい…
「ん?え?姫様?!」
「あ!ひ、ひ、姫様!!ち、ち、違うんです!!
こ、これは違うんです!!またブタオをからかっていただけなんです!!」
「…そう…」
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