第279話
わたしは皇族の姫
皇族探索者部隊としては、今はお父様が亡くなり戦力不足がどうしても否めないわ…。
今伯爵家とぶつかれば分が悪い…。
なるべく全面衝突はできる限り引き伸ばしたい。
そしてこれからはブタオさんの育成が皇族家としての戦力への鍵になりそう。
ふくよかで弱者の象徴のブタオさんが強くなればそれに触発されみんなも負けていられないと起爆剤になるはず!!
ブタオさんからしたら格上の金髪ドリルや、一番隊組長さんと戦うのもどことなく、危機感無く了承しようとしてたからビックリしたわ。
負けてもいいなら戦うよってサラッと言ってたわ。
ブタオさんに緊張とか恐怖はないのかしら?
まあ開きなおってるって前から言ってたわね。
けどさすがに戦わせないから安心して。
そして毎日訓練することに渋るブタオさんへのご褒美に侍女がブタオさんとデートしてあげるって…
なんだかわたしだけ除け者にされてさみしいわ…
それに指揮官で雇い主はわたしなんだからわたしがするべき!!
わたしだって外出してストレス発散したいんだからと、結局3人で大型ショッピングモールに行くことになったわ。
たくさん買い物して楽しかった。
ブタオさんは本当にお互い言いたいことが気楽に言える気を遣わなくていい男性では唯一の存在。
歳の離れたお兄ちゃんみたいな…
正直今は侍女くらいわたしは気を許していたのかも知れない…
だからかつい、男性の前で下着なんて買ってしまったわ…
は、派手なのは買ってないけど…サイズを見られたかも…
今思えば死ぬほど恥ずかしい…
まあブタオさんはなるべく見ないように配慮してくれていたわ。
それを侍女が面白がってからかっていたけど。
そんなブタオさんは荷物をたくさん持ってくれたわ。
器用に頭の上に大量に載せて…
体幹やバランス感覚も異常よね…。
ブタオさんはやはりステータスでは言い表せない何かがありそう。
やっぱり伝説のスキル初代勇者様の不撓不屈かしら?
ブタオさんは持ってないと言っていたけど、近しい何かがあるはず…
まああってもなくてもブタオさんはブタオさんに変わりはないか…。
前と違い一人称も僕から俺に変わってたし、訓練を頑張る姿や、こうやってエスコートしてくれようと一生懸命なのはちょっとだけカッコよく思えたわ。
体型や顔面はお世辞にもカッコ良いとは言えないけどそんなこと今ではもう些細なことだわ。
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