第277話
わたしは皇族の姫
わたしは一番隊組長さんと邂逅した。
なにやら魔女とその主に仕えているみたい…
その命により誰かに天誅を下すと言っていたけど、すぐ取り消されたみたい。
交戦にならなくて良かったわ…。
彼は強い…
剣聖ちゃんくらい強い気がする。
わたしでも勝てるかどうか…いえ接近戦なら分が悪いわね。
そういえばブタオさんも魔女がどんな人?って前に言ってたわね。
その魔女に仕える一番隊組長さん…。
魔女について質問したのだけど返事が返されることなく立ち去ってしまわれたわ。
翌日わたしは探索者学園2年へと進級しAクラスとなったわ。
相変わらず居心地の悪い授業をサボり、ブタオさんのいるFクラスへと行き、今日皇族家探索者部隊の入隊式があるからと伝えたわ。
それから入隊式の準備を皇族本家の訓練場でしていると、侍女とブタオさんだけがまだ来てない…
最近あの2人はなにかと仲がいい。
はあ…呼びにいこうかしらね。
侍女も最初はブタオさんをすごく嫌悪していたけど、今はわたしと同じく彼を認めている。
実力はまだ無いけど人柄というか、弱者だけど…それに抗うその在り方に魅入ってしまってるのかも。
今までそんな人はいなかった。
ふくよかとは弱者で卑屈で、何の役にも立たない…そしてみんなから差別されイジメの対象。
それは長い歴史の戦争と同じで決して無くならない。
その中で唯一ブタオさんだけは違った。
最近の侍女は…
多分、亡くなった侍女の最愛の弟とブタオさんを重ねはじめてる気がするわ…
呼びにいったら、侍女とブタオさんの距離がかなり近かった。
いえ密着しているわ…
わたしがスカウト…いえ、最初はお父様が皇族家探索者部隊にブタオさんをスカウトしてたわね。
まあわたしがスカウトしたのと同じだからブタオさんの主はわたしなのよ!!
そんな所有欲かなにかは分からないけど…
「なにしてるのかしら?」
と、怒気をふくめてつい言ってしまったわ。
それからノーネーム討伐を絶対の使命に掲げるとわたしは入隊式で宣誓したわ!
お父様の仇!ノーネームだけは絶対に許さない!!
どんなことを、なにをしてでもわたしが討ち取らなきゃいけないの!!
お父様の無念をわたしが晴らすわ!
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