第266話
僕は一番隊組長
いま伯爵令嬢のお嬢さんに広い浴場で背中を洗われている
「あはは…僕も最初から強かったわけでは無いからね。訓練と実戦を何度も何度も繰り返してきたから。
それに僕にとってはあんなの朝飯前だから気にしないで」
「で、でも…」
「行く当てもなかった僕を食客として招いてくれた。それだけで充分だよ」
「わ、わかりましたわ…では毎日お背中を流しに参ります!」
「あはは…ほどほどにね。」
嫁入り前の女性に僕はなんてことをさせているのだろうか…
だけど…お嬢さんの好意も無碍には出来ない。
悲しい顔はさせたくないからね。
ただ、お父上にはきちんと報告しよう。
お人が良いから逆に娘が迷惑かけて済まないとか言われるのが目に浮かぶ…
と、一生懸命僕の背中をゴシゴシ洗うお嬢さん…
が…
「あ!キャッ!!!」
と声があがる。
「ん?」
と僕はどうしたのかと後ろを振り向こうか迷ったが止める。
なぜなら
「た、タオルが…、み、見ちゃ駄目です!!」
どうやら自身を巻いていたタオルが落ちてしまったらしい。
「わかったよ。あとは自分で洗うから先に上がりなよ。背中洗ってくれてありがとう。ならこれで今日の貸し借りは無しだからね。」
「や、やっぱりまだ恥ずかしいですわー!!」
と、叫び浴場から出ていった。
恥ずかしいながらも一生懸命僕のために何が出来るだろうかと頑張ってくれたのだろう。
僕はそんな幸福感を感じながら身体を洗い湯船へと浸かる。
「ふー生き返るなあ…。現代も悪くないな。
あしたも頑張ろう…
ってついつい、魔女様のマスターに仕えれる武者修行って忘れそうになるくらい居心地が良いな…
ここは。」
と、浴場から上がり食堂へと向かう。
そこにはエプロン姿をしたお父上が料理を作っていた。
お嬢さんはまだみたいだ…
女性の入浴は長いって聞くしね。
僕に両親はいなく、幼き頃は姉に育てられた。
それから剣の道をと、道場に入門し局長に師事してもらったな…。新選組局長は僕の兄のような存在だった。
だからかずっと料理をされているお父上が珍しく感じ背中を見つめていたら…
「おや?済まない、お腹すいただろう。もう少しで出来るから座って待っててくれないか?」
「かたじけのうございます」
僕が人間として生きていた時代には男が料理だなんて…と、思っていたが、こういう日常も悪くないな。
これが平和な世の中か…
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