第253話
僕は一番隊組長
魔女様からマスターを侮辱した愚者に天誅を下せと命がきて転移して頂いたのだが、即取り下げられた。
すると…
「な、なぜあなたが?」
と声をかけられる僕。
たしか…前に魔女様のテストで手合わせをお願いしたお嬢さんかな?
いや、手合わせしてないほうのお連れのお嬢さんだった。
「あ、この前手合わせの時いたお嬢さんだね。こんにちは」
僕は急ぎ殺気を霧散させて、臨戦態勢を解いた。
「姫君様、この御方が今わたくしの伯爵家にいる一番隊組長様ですわ!」
おや?伯爵令嬢のお嬢さんもいた。
ならやはりここは学び舎か…
と、姫君様と呼ばれている方へ僕は紹介されたけど初対面じゃないんだよね…
なるほど…姫君様なら、この御方は天皇様か、将軍様の御息女か…。
ひれ伏したほうがいいかな?と、思うも僕は魔女様とマスターを今は主としているから、御容赦願いたい。
「あなたの仕えているのは伯爵家だったのですね…
わたしも勧誘していたのですが…残念です」
と、姫君様と呼ばれてる方が言う。
「違うよ。僕が仕えるのは魔女様とその主様だけ!
このお嬢さんには縁があって食客でお世話になってるんだよ」
なにやら勘違いしているから正しておく。
「危ないところを助けて頂いたんですの!
そしてこれからずっと師事をしてくださるのですわ!」
え?ずっと?
いや…僕は…
まあいいや。
「…そうでしたか…先の殺気はわたしに向けてですか?一番隊組長さん?
それに魔女とは?」
「ち、違うよ!!あ、僕は魔女様の命にて主様を侮辱した不届き者を誅せよ!といきなり言われて転移して頂いたんだけど…その者が誰かを聞く前にすぐ、その命は取り消されてね。
僕にもよく分からないんだ!
で、魔女様ってのは僕を召喚して下さった御方だよ。
じゃ、僕の用は済んだみたいだから…
では御二方ともこれにて失礼!」
と僕は会釈して足早に立ち去る。
誤解だとわかってくれたらいいが…
「あ…魔女って一体…?」
って聞こえたが今は聞こえない振りをしといた。
訓練の途中だったしあまり無駄話はしなくないからね。
魔女様に口外を禁止されている訳ではないけどベラベラ喋るもんではないからね。
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