第237話
俺は2年Fクラスに来ていた幼馴染み、皇族の姫様と話ていた。
俺なりに覚悟を決め皇族家探索者部隊へと入隊を決意したからだ。
今日の放課後にその入隊式があるからと、それを伝えに来たらしい。
そして俺の顔つきが変わったと…
そんな今の顔つきが素敵だと言ってくれた。
それから、
「またね」と幼馴染みは自身のAクラスへと帰っていく。
「うん。じゃあ、また。」
すると2年Fクラスの男子は
「クソっ!ブタオの癖に!」
「やっちまうか?」
「いや、けど…」
「なんかいつもと顔つきが…」
「イジメっ子平民がいうにはやり返して来たって」
「生意気な…ブタオの癖に…」
「それに皇族家探索者部隊の一員だろ?」
「あれってBランク以上しか入隊出来ないんじゃ?」
「噂だと見習いらしい…」
「あいつ探索者ですらないよな?」
「無資格者」
「生意気すぎる」
「なんかスキルが生えたんか?」
女子達は
「けど確かに顔つきは今のほうが素敵よね」
「うん、わたしもそう思う…」
「キリっとしてて精悍さが…」
「見方によってはイケメンかも…」
「けどデブだからねえ…」
「いまから唾つけとこうかな」
「確かに、大成してからじゃ遅いかも」
と、女子からは概ね好評だった。
まあ俺本人というより皇族家の息が掛かっているというブランドにだろうけど…
イジメっ子平民グループは
「イジメたいけど皇族家に睨まれたくはないし…」
「噂と思ってたらマジだったしな…」
「なあ?どうする?イジメっ子平民さんよ?」
「なにが?」
「いや、ブタオ?ちょっと女子にも持て囃されて…シメル?いや殺さないのか?」
「いや、いい…」
「なんで?」
「あいつはやり返してくる…昨日おれ、あいつに腹やられてまだ痛むんだ…皇族家にも睨まれたらおれのFクラストップからの貴族への道が途絶えるから…
ブタオをイジメるのはもうやめる…」
「まじかよ…」
「ああ、変わりに違うヤツをいじめよう…」
「そうだな。ブタオの次に弱かったやつは…たしか…」
「ねえ!!あのさあ!」
俺はイジメっ子平民達が次のイジメのターゲットを探しているとこに割って入ったのだった。
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