第186話
わたしは皇族の姫
雨が降りしきる中、
剣聖ちゃんが言っていたノーネーム様と思われる御姿、漆黒騎士様と邂逅したわたし。
ノーネーム様はなぜか四本腕で、うち2本は背中から女性のような細腕が生えており、その腕がお父様を抱えていた。
「漆黒の騎士?…ノ、ノーネーム様でございますか?ノーネーム様?こ、これは一体?」
わたしをダンジョンで助けてくれ、Sランクダンジョンコアも下さったわたしの味方ノーネーム様。
わたしの婚約者。
一方的に皇族家が、そう決めているだけだけど…
わたしもお父様も興味が絶えず、謎多き御方。
きっとお父様を助けに増援に来てくれたんだわ!
嬉しい!!!
嬉しい!!
嬉しい!
わ、わたしのために!
わたしが増援に行けず苦しんでいたのを察知されたのですね!
あ、ああ…わたしは初めて恋をしました。
まだ御尊顔を拝謁出来てはいないですが、
いえ、どんなお顔立ちであろうと愛せます。
腕が四本でも!!
わたしはあなたを愛してしまった…
いつもわたしを助けて下さるあなたを。
ノーネーム様は無言でお父様をわたしに渡す。
「お、お父様…」
あれ?
お父様?
お父様??
お父様が息をしていない…
あれ?
お父様が、しんでる
死んでる?
なぜ?
なぜ??
わ、わたしが、
わたしが…
わたしが増援に、
間に合わなかったからだ…
わたしがお父様を殺してしまった…
わたしが……
わたしが…
わたしが!!
わたしはそう自覚しはじめた。
もうわたしの心が限界だった…
あれ?わたしはまた大切な人を守れなかった…
お母様も、昔からの顔馴染みだった皇族家探索者部隊の人達も…
さらにはお父様までも……
わたしが頑張ってもう誰も死なせないようにって努力して来たはずなのに…
誰も死なせない…
死なせたくない…
あれ?
わたしのしてきたことは全く以て無意味だったの?
そうだ…わたしは見ず知らずの平民を助け、お父様を見捨てた…。
わたしが本当に守りたかった者はもう死んだ…
わたしは今まで無意味なことをしてきた…
もう生きている意味がない…
あ、意味の無いわたしは生きててはいけないんだ。
生きてはいけないなら死んだらいい。
わたしは死んだほうがいい。
わたしは死ぬべき存在。
わたしは…死のう。
つらい。
もうつらい。
お母様やお父様の元へ行きたい。
逝きたい…
完全にわたしの心は壊れ…
「…そうだな…我が殺した…」
プツン!!
わたしの中で何かが切れた!
「き、き、き…貴様あああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
皮肉にも壊れようとしていたわたしの心は怒りにより持ち直した…
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読者の皆様 初心者の拙い文章ですが
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魔力0 残念王子の黒騎士 異世界より地球に転移しどちらも無自覚最強無双
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