第184話
わたしは皇族の姫
わたしはお父様が苦しそうな表情をしているのを初めてみた…。
お父様はお母様を愛していた。
誰よりも…。
きっとそれはお母様も同じ…。
わたしはそれ以来本気で訓練に取り掛かる。
だいぶ自分に自信がついてきて、中等部のときには無資格ながらも皇族探索者部隊の人達とダンジョンへと同行していたわ。
みんな幼少の頃からの顔馴染みばかり。
だけど、みんな死んでいったわ…。
呆気なくモンスターに殺され…
わたしにはもう貴族の誇りと義務しかない。
それしか生きる意味がなくなった。
親しくなればなるほど、別れがつらい…。
だからわたしに友人はいなくていい…
けど1人でも死なせないために、素質の無い人を見かけては探索者をやめるようにどんどん進言していったわ。
その分わたしが頑張ればいいだけ…
そんな疎ましく思われることをし続けていたわたしはいつからかずっと笑うことは無くなった…
けど新たなランキング1位ノーネーム様に助けて頂いたわ。
きっと素敵なイケオジって剣聖ちゃんがいってた。
謎に包まれていて、それでもわたしを生配信中に助けてくれたり、Sランク以上のダンジョンコアを頂いたりと、ずっと気になっていた。
わたしは今までずっと助ける側だったからか、助けて頂けるのがこんなにも嬉しいなんて…。
あの生配信で幼少からの顔馴染みのお姉ちゃんこと侍女まで失っていたらわたしの心は壊れていたかも知れない…
それにお父様が新たな婚約者候補にするって言うから気になってしまうのは仕方がないわ!
最初聞かされたときはちょっと嫌だったのは此処だけの話よ!
そして最近…
一対一近接戦最強と言われている剣聖ちゃんとブタオさんという、貴族の権力に屈しないどころか、弱いながらも凄い精神力の持ち主の方とお友達になれたわ。
ちなみにブタオさんも探索者の素質が無く、探索者をやめるようにわたしが進言した数多くの内の1人…
最初はおどおどしていて目にチカラも無く、最弱でイジメられっ子だったのに、今では凄い変わりようなの。
本人は開き直っただけって言ってたわ。
けどそうだとしても凄い胆力。
まるで格上の貴族すら手玉に取りそうな…。
今のブタオさんの目にはそんな絶対の自信がみてとれるの。
そんなブタオさんとダンジョンへ行き初心者講座の生配信をしたわ。
やはりブタオさんは凄かった。
確かに最弱のクソ雑魚だったわ!
だけど、諦めない闘志が凄かったの!
最弱スライムと死闘のすえ勝利を収めていたわ。
これからきっとどんどん強くなる気がする…
これは予感ではなく確信。
お父様もそれを認められ、ブタオさんを皇族探索者部隊見習いにとスカウトしてたわ。
結局ブタオさんは今は何がしたいかわからないから、いまは保留みたいな感じだったけどお父様はブタオさんに初代勇者と同じスキルがあるのでは?
とお考えだった。
歴史上の偉人。初代勇者は世界で唯一Aランクダンジョン100階層ボスへ挑戦した御方。
残念ながら、踏破出来ず亡くなられたけど…
その御方が持っていた不撓不屈という伝説のスキル。
今も昔も同じく持ってる人は誰もいない。
Sランク踏破者ノーネーム様、元世界最強のお父様、わたしに剣聖ちゃん。お付の侍女に牢獄のブタオさん。
これからの日本の未来は明るい!
間違いないわ!
わたしはそう思ってたら少しずつ笑顔になれていた。
こんな楽しい日がずっと
平穏な日がずっと…
続けばと…
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読者の皆様 初心者の拙い文章ですが
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