第143話
わたしはしがない平民…
名前はあったけど名前は無いに等しい。
平民の名に価値は無い…
そんなわたしは今、宗教裁判にかけられている。
「黙れい!!何が慈悲だ!!
なら…男装と認めるか?
汝は女であると認めるか?」
と王様がニヤリと勝ち誇った顔で言う。
「は、はい…ですが…それは神様からの神託で…
わ、わたしの意志では御座いませぬ…なのでご慈悲を頂きたく…」
「ならばその神とやらを今呼べ!余の前に!
それが無理なら余に神託とやらを直接聞かせてみよ!」
ドン!!と王様は机を叩き立ち上がった。
「…」
「出来ぬであろう!!此奴は神託神託と虚偽を並べ国家反逆を目論み玉座を狙う異教徒よ!!!
まるで自分が神にでもなったつもりだったか??
此奴に死罪は生温い!これを異端審問とし、最大級の醜名を授けようではないか!如何か?裁判長?」
「証拠もなにも本人が性別を偽ったと自身が認めたため、王様の言を認めましょう。
異教徒の魔女と認定し、3日間磔投石、後に火あぶりの刑とします!!」
そう判決が下ったわたしは国家から魔女と認定され3日間磔られた…
あれほど親っていた平民達がわたしにこぞって石を投げる。
死ね!
悪魔!
魔女!
と…いろいろな暴言の嵐だった…
ちなみに魔女とは悪魔と同等の醜名…。
この国一番の汚名をわたしは背負うことになった。
わたしは本当に神様からの神託に従っただけ…
国を想い、民を想い…
国を平和にしたかっただけだったのに…
本当にただそれだけだった…
それがこの仕打ちか…。
投石がわたしの目にあたり片目が潰れる…
今や当たってない場所は無いくらいだった…
「ゔっ!!ぐっ…」
痛い、痛い…痛い。痛いよ。
「やったぜー!いいとこにヒットしたぜ!」
あれはわたしを慕ってくれていた、ふくよかな平民…
弟のように毎日可愛がっていたのに…
今では身体の痛みより、魔女と言われ親しかった人に傷つけられることがよっぽどつらい…
そしてわたしの処刑日…
そのまま火を焚べられたわたしは、
瀕死ではあるけど生きたまま焼かれた…
「ギャーーーーーーーー!!!!熱い!!!熱い!!熱い!あつい…あつい…あ、づ、い…」
わたしの喉は焼け爛れ声が段々出なくなる…
涙はとうに枯れたが、最後に出る涙の一滴は一瞬にして炎の熱で蒸発した…
それを見て笑う王様、大臣達、裁判長、民達…
そしてわたしが弟とのように慕っていたふくよかな平民も…
この火あぶりの処刑は国総出の娯楽イベントだった…
「ゆるさ…ない…みん、な、憎い…にく、い…
ころ、してやる、ころして…やる、…こ、ろし…て、やる…ころしてやる、ころしてやる、
こ、ろ、し、て、こ、ろ、し、て、こ、ろ、し、て…こ…ろ…し…て…こ…ろ…し…て…こ…ろ…し…て…」
※元ネタ聖女ジャンヌダルク(魔女)です。
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