62.配信者、浮気する
それから数日はいつものように何事もなく日常が続いた。ただ、カラアゲが夜中の間に俺のベッドに潜むようになった。
すでに大きさは鶏だ。これで雛だと今後どれだけ大きくなるのか心配だ。
そんなカラアゲを見て、ドリも一緒のベッドに寝ることになった。シングルベッドにドリとぬいぐるみサイズのカラアゲ。そろそろ大きいベッドを買う必要があるだろう。
そして、養鶏場のおじさんからもらった餌も食べなくなった。その代わりに野菜をたくさん食べている。
おじさんに一度見せたら、鶏ではないと断言されたし、お腹を壊さないなら野菜を食べて良いと許可をもらった。
鶏ではないひよこってなんだろうか。考えても頭にチラつくのはコカトリスだ。ただ泊まっている探索者に聞いても、全員わからないと言っていた。
探索者ギルドにコカトリスの雛の姿が載った文献があるか確認してみることになった。
聖奈もファンクラブを通して、情報を集めてくれるらしい。
「今日はピーマンの収穫をしようか」
「ぴーみゃん!」
そろそろ夏の野菜は旬を終えるだろう。早くできることを考慮して、試しにさつまいもを今後植える予定だ。成長具合で畑を広げて、秋の野菜を植えていこうと思っている。
「ハリがあってツヤツヤしてるね」
「ちゅやちゅや」
ドリはピーマンを頬にスリスリしている。どこかピーマンよりパプリカに近い見た目をしているが、商品として売れるのだろうか。
この間探索者ギルドに野菜を卸したら、一気に懐がポカポカ、いやパンパンになった。
お金に余裕があれば、その分ドリ達と遊ぶ時間を確保できる。心に余裕が出てくるってこういうことを言うのだろう。
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鉄壁の聖女 最近
ちゅやちゅや!
▶︎返信する
名無しの凡人 最近
相変わらず愛らしいな
▶︎返信する
貴腐人様 最近
パパさんも愛らしいよ?
▶︎返信する
孤高の侍 最近
パパさんの頭もちゅやちゅや!
▶︎返信する
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相変わらず家に泊まっている探索者達は、ダンジョンの中でも配信を見ていた。侍に関しては帰ってきたら、ドリの頭ゴシゴシの刑決定だ。
「ポテトー! じゃがいもはどうだ?」
『ワン!』
この間ポテトチップスが食べたいのか、勝手にじゃがいも畑を掘り起こしていた。
ひょっとしたらと思い、じゃがいもを傷つけないようにお願いしたら、自ら手伝ってくれるようになった。
「それにしてもあいつなんで立ち上がって掘ってるんだ?」
ただ、犬のように土を掘るのかと思ったら、立ち上がって人間のように掘っていた。
疲れたら腰を叩いている姿も見てて笑ってしまう。
そんな俺達を祖父母は微笑ましく見ている。
祖父はこの間ドリと遊んでいたら、腰を痛めてしまった。元気になったかと思ったが、体は年相応ってことなんだろう。
ドリが探索者の人達と遊ぶことが増えてから、力に遠慮がなくなってきた。俺は成人で男だから問題ないが、聖奈や貴婦人には優しくちょかいをかけて欲しいものだ。
「ドリ、今日は何して遊ぶ?」
作業がひと段落した俺はドリと遊ぶことにした。だが、隣を見るとドリはいなくなっていた。いつのまにかどこへ行ってしまったようだ。周囲を見渡すが、ピーマン畑にはいない。
きっと作業に飽きて自分の花畑にいったのだろう。
ひと段落した俺はドリがいる花畑に向かった。
「ドリー!」
俺は声を出しながらドリを探す。花畑にいたら問題ないが、あっちは探索者ギルドが近いため少し心配になってしまう。
「パパー!」
声と同時に足元に衝撃がくる。この間優しく飛びつくように言ったからか、衝撃も弱かった。
「ドリどこに……」
振り返って足元を見ると、そこにはドリではない子がいた。見たこともない少女に俺は戸惑う。
「パパ、私と結婚しよ!」
「えっ……?」
そして、突然のプロポーズ。
娘のドリにもまだプロポーズされていないのに……。
可愛らしい幼女だが、どこか俺の知っているやつに面影が似ている。
「パッ……パ……」
そんな俺達をドリは遠くから見ていた。手にはたくさんの花が摘まれている。
そよ風にパラパラと飛んでいく花達。
「パパ百合と結婚するよね? ね?」
「メッ!」
ドシドシと近づいてくるドリは怒っていた。
「ブックマーク、★評価よろしくお願いいたします。ほら、ドリも」
「ほちちょーらい!」
ドリは両手を振って配信を終えた。
ぜひ、可愛いドリちゃんにたくさんの★をプレゼントしてください!
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