第27話 オーマ島上陸
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第27話 オーマ島上陸
オーマ島西海岸
ここ列強国であるオーマバス神聖教皇国、その本土西海岸では、10万を軽く越える兵士達が待機していた。
どの兵士達も警戒しており、まるでこれから戦闘に行くかのような顔をしていた。
それもその筈、ここより西の海では、自国の主力艦隊を全滅に追い込んだ悪魔の軍勢が、自分達の祖国に踏み込もうとしていたのだ。
彼等は皆、祖国と愛する家族を守る為に集まっていたのだ。
砂浜にはバリケードや有刺鉄線が張り巡らされていた。
砂浜を抜けると、土で作った壁があり一部はコンクリートで出来ていた。そこに大砲やゴーレム・最新兵器である魔動式戦車が海側に砲塔を向けて待機していた。
壁の少し手前には塹壕が掘られており、そこに多数の歩兵がいた。機関銃や対空砲も多数配置されており、これから来る地球連合軍を待ち構えていた。
そして、空には数機の航空機が飛行していた。最近になって創設された空軍である。今回の防衛戦の為に動員されていた。有事の際には直ぐ様、第1航空戦闘団の100機が迎え撃つだろう。
オーマ島西海岸防衛司令部
ここ、司令部のある天幕では、多数の参謀や指揮官がいた。いづれ来るだろう日本軍の迎撃内容について、最終確認をしていた。
「・・・主力艦隊からの魔信が途絶えたことから、既に全滅した可能性が高いでしょう。」
参謀の1人からの報告に天幕内は重い空気になった。当然だ、オーマバス海軍の主力艦隊の全てが失われたのだ。これでは今後、最低でも数年は、他の列強国の海軍に怯えるはめになるのだ。
「海軍は何をやっておるのだ!!お陰で我々が奴等の尻拭いをするはめになるとはっ!!」
指揮官の1人がそう嘆く。彼だけでなく他の数人程も同意するかのように頷いていた。
「お気持ちは解りますが、落ち着いて下さい。敵はそれ程の強さを持っているのです。・・・取り敢えず付近の海域には海獣を潜伏させ、少しでも多く、敵艦隊を削ります。」
「・・・それではまだ足りないな。亜種族師団共に爆弾を抱えさせて突撃させるんだ。砂浜にも地雷を配置させろ。」
「なるほど、特攻ですか。それならば効果は見込めそうですな。急いで装備させます。」
「総司令官、第1師団は来るのでしょうか?彼等が来てくれるのならば、士気も上がりますし、頼もしいのですが・・・」
指揮官の1人がこの西海岸防衛軍の最高司令官にそう質問した。
第1師団はオーマバス陸軍の誇る最精鋭師団であり、基本的には首都防衛が任務であるが、今回の様な非常事態には迎撃任務を与えるべきであう。
それを考えていた指揮官はそう質問したのだ。
「第1師団は現在こちらに向かっているのだが、首都からここまで距離がある・・・恐らくここに着く前に交戦が始まっているだろう。我々は第1師団が来るまでの時間稼ぎだ。彼等が到着すれば、日本軍を返り討ちに出来る筈。上はそう考えている。」
「時間稼ぎですか・・・余り乗り気になりませんが、命令とあらば従うしかありませんね。」
「すまんな。海軍も、植民地等の最低限の防衛艦隊しか残っておらんからあまり期待出来ない。我々陸軍が最後の砦だ。何としてでもここで奴等を殲滅するのだ。」
総司令官の言葉に、天幕内にいた彼等は一斉に敬礼をした。日本軍・地球連合軍を迎撃する準備は着々と整っていた。
地球連合艦隊
オーマ島より、西に50キロメートル程離れた海域には、大型の軍艦が多く見られた。
地球連盟国海軍と、日本の第1護衛隊群の連合艦隊が、集結して航海していたのだ。
そして合計8隻の揚陸艦の甲板には、地対地ミサイルを搭載した多連装ロケット車両が各艦に10両ずつ、合計80両待機していた。
各車両には自衛隊側は12発ずつ、地球連盟国側は12発ないし24発ずつ大型ロケット弾を搭載している為、これだけでかなりの戦力だ。
更には「雷鳥」や米軍の攻撃ヘリが空対地ミサイルを搭載して、オーマバス陸軍を攻撃しようと準備していた。
そんな中、とある地球連盟国の揚陸艦の甲板では、ロケット車両の準備がなされていた。
「発射準備完了しました!いつでも発射できます!」
「そうか、命令がくるまで待機しろ・・・しかし凄い光景だな。ノルマンディー上陸の時もこんな感じなのかねぇ?」
そう言い、彼は周りを見渡す。周囲は揚陸艦は勿論のこと、大型イージス艦や日本の空母もあり、中々迫力のある光景だった。
「あれは比べる対象が悪すぎますよ。あの作戦は数十万人も動員しているんですよ?船だって大小合わせたら数千にも及びますよ。」
そうだ。戦闘艦では1213隻で、上陸用舟艇に至っては4126隻も動員したのだ。
それに比べて、今回の上陸作戦では戦闘艦は50にも満たず、上陸用舟艇は小型やLCACも合わせても、100は越えないだろう。
「ふぅむ・・・時代だねぇ。」
そう話していると、艦内放送が鳴り響いた。
「司令部より通達。目的地まであと40分程で到着する。ロケット車両部隊はオーマバス陸軍に狙いを定め、各個で発射せよ。航空機は発進し、敵航空戦力を殲滅の上、敵地上戦力に攻撃せよ。上陸部隊は上陸準備をし、上陸艇に乗り込むように。繰り返す・・・」
その放送が流れた直後、各部隊は急いで準備をした。
「許可が下りたのを聞いたな?各個に発射しろ!」
「よし!お前らさっさと飯を胃に流し込んで準備しろぉ!」
「日本の雷鳥は既に飛行準備が整ってるぞ!遅れをとるな!」
「もう上陸準備かよ・・・」
「今良いところなのに・・・」
「ガタガタ言わずにさっさと準備しろ!」
各艦では遂に上陸が近付いた為に、軽い食事をしていた者、娯楽室で本やビデオを見ていた者らが多少の不満を呟きながらも準備に取り掛かり始めた。
そして準備を整えていた誘導車両が先に攻撃を開始した。
「発射ぁ!!」
ブシュウゥゥゥ!!
アメリカの地対地ミサイル6発が先に煙を出しながら発射された。
続いて、日本のミサイルも発射され、次々とミサイルが空を飛んだ。
そして、イージス艦等の戦闘艦は、海中に潜伏している海獣に対し、誘導魚雷を放っていた。
陸上自衛隊や、各国の陸軍を乗せていた貨物船は、急遽、両脇に取り付けた上陸用舟艇を出して準備をしていた。
とある艦は、上陸地点に飛行物体を探知していた為、対空ミサイルを発射し、敵航空戦力を無力化していた。
地球連合艦隊は着々と上陸準備を整えていた。
オーマ島 西海岸
最初に異変に気付いたのは、空軍のとあるパイロットであった。彼は哨戒のために上空3000メートルを飛行していた。
彼がある方向を見た時、海上に黒っぽい点が何十も見えたのだ。
「ん?・・・まさか日本の艦隊か?もうこんな所まで来たのか?」
彼は確認の為に方向を変えた。「艦隊らしきもの発見」と魔信で報告するのも忘れない。
徐々に近付いて見るとそれは、巨大な軍艦だとわかった。どの艦にも小さな主砲しか無いことから、日本の艦隊だとわかった。
それを確認した彼は、直ぐさま本部に報告した。
「っ!やはりか!こちら偵察隊、日本の艦隊を確認した!もうすぐそこまで来ている!繰りk」
だが、彼が次の言葉を出すことは無かった。イージス艦から放たれた対空ミサイルによって撃墜されたのだから。
だがそれでも、彼の報告は確かに届いた。防衛軍は大急ぎで配置に着いていた。
「急げ急げ!敵は待ってくれないぞ!」「戦車中隊は前に出ろ!」「魔術師団も準備を整えろ!」
彼等が、迎撃準備を整えている中、地球連合軍の放った対地ミサイルがオーマバス陸軍を襲う。
「っ!?光る矢だぁ!!」「軍艦だけに撃てるわけじゃないのかよ!!」「全員伏せろぉ!」
ドガアァァァン!
最初に放たれた6発の対地ミサイルが土壁に狙いを定め、爆発した。それにより、一部ではあるが、防衛拠点に穴が開いた。
「糞っ!急いで穴を修復するんだ!魔術師を呼んで修復だ!」
「駄目だ!次がくるぞ!!」
続いて十数発のミサイルが来るのを見た1人のオーマバス兵士が仲間に大声で知らせる。
「塹壕に逃げ込め!」「ひぃっ!」「バカ!早く立て!」
殆どのミサイルは土壁の方へ飛んだが、一部のミサイルは歩兵や大砲の配置されている場所へ飛び、途中でミサイルが分解した。
分解したミサイルの内部には多数の子弾が内蔵されており、それが空中で離散した。広範囲に渡って降り注ぐ子弾は多くの兵士達と大砲を破壊してゆく。
かつて湾岸戦争において、当時のイラク軍から「スチール・レイン」と恐れられていた悪魔の兵器が、異世界においても多くの兵士を恐怖の底へと叩き落とした。
ドガガガガガガアァン!!
「ぐわあっ!」「うぉ!?」
塹壕まで避難出来た兵士は運が良い。
逃げ遅れたり、大砲の準備を限界までしていた者の多くは、グチャグチャな肉片となっていた。
頭部は脳漿を撒き散らかし、胴体は潰れた内蔵が飛び出て、手足は至る所に飛び散っていた。
だが、本当に運が悪いのは、その攻撃から生き残ってしまった者達だ。腰から下が完全に失くなっていたり、腕で庇った為にその腕は骨が丸見えで一部の肉が剥がれていたり、顔にまともに喰らった為に、顔の皮膚を殆ど持っていかれた者もいた。
「ぁ、ぁあぁ」「ぎゃあぁぁぁ!!」「目が、目が見えない」「ひ、ひぁぁ!」「足がぁぁ!!」
塹壕から顔を出して様子を見てしまった若い兵士は後悔した。あんな地獄を見てしまったことに。
塹壕より30メートル程内側に近付くと、そこは辺り一面血だらけであり、誰かの手足や内蔵が落ちていた。そして一部の生き残った兵士達は喚いたり、叫んだりしており、その声が響いていた。
「あ、あぁ!い、急いで救出するんだ!!」
「ま、待て!まだ次の攻撃が来たらどうするんだ!?」
「じゃあ、見捨てるのかよ!?」
「お、お前は正気か!?あれを見てここから出れるのかよ!?一瞬で殺されるぞ!」
「お、おい!敵の艦隊が見えたぞ!」
双眼鏡で海を見ていた兵士の1人が仲間に知らせる。その声に反応して塹壕に控えていた兵士達も海の方向を見る。
そこには数十隻の艦隊がこちらに向かっていた。あれが自国の主力艦隊を全滅に追い込んだ悪魔の艦隊だとすぐに判った。
そして、平らな軍艦からあの光る矢が、煙を吐きながら飛んでくる。よく見てみると、その平らな軍艦には車両が乗っており、そこから飛ばしているようだ。
「来るぞぉ!全員伏せるんだ!!」
誰かがそう叫ぶ。兵士達は皆その声に従い、塹壕に籠り伏せた。
ドガアァァァン!!
今度は、そこまで近くなかった。爆発音のした方向を見てみると、貴重な魔動式戦車が数台ではあるが、破壊されていた。
魔法石が燃えているのだろう、青白い炎を出しながら燃えていた。付近にいた仲間は直ぐ様、距離をとり、避難していた。
「爆発するぞ!皆逃げろぉ!」「あぁ、貴重な戦車が・・・」「そんな事を言ってる場合か!」
更にはゴーレムにも損害が出ていた。ミサイルによって攻撃を受けたゴーレムは粉々になり、付近にいた、魔術師も巻き添えを喰らってしまった。
「お、おい!また何かが来たぞ!」
1人の兵士がまたそう叫んだ。他の兵士達が見ると、そこには、羽を高速で回しながら飛行する所謂戦闘ヘリが多数こちらへ向かってくるのが見えた。
「っ!対空攻撃だぁ!!急いで迎撃しろ!」
その言葉に、対空砲の近くにいた兵士達は急いで弾を込め狙いを定める。しかし、撃つことは出来なかった。
何故ならその前に、アメリカの戦闘ヘリであるアパッチが対地ミサイルで攻撃したからだ。ミサイルの威力により、対空砲は勿論のこと、兵士達もやられていた。
「対空砲が!・・・」「糞ったれが!撃ち落とせ!撃って落とすしか無い!!」
塹壕に詰めていた兵士達は持っていた小銃で撃ち落とそうとするが、高い機動力を持つ戦闘ヘリには当たる様子が無く、次々と戦車やゴーレムを破壊されていく。
「速く撃ち落とせ!」「今やってるよ!!」「ぐわあぁ!!」
オーマバス軍がこうして戦っている中、地球連合軍は着々と上陸しようとしていた。
地球連合軍
強襲揚陸艦内「とうかい」型
「ウェルドック内注水開始!これより発進する!」
艦内放送が鳴り響いた。ウェルドック内では、上陸用艦艇に乗り込んだ特殊急襲制圧部隊や水陸両用強襲輸送車、水陸両用戦闘車の部隊がいた。LCACにも数人の特殊急襲制圧部隊と戦車が乗っていた。
「・・・間もなく戦闘が始まる。隼で先行している仲間がいるが、各員は最前線にて、敵の撹乱を行い、友軍の上陸支援だ。決して敵に背を見せるなよ。」
「「「了解」」」
作戦としては、自衛隊の雷鳥や地球連盟国の戦闘ヘリであるイロコイやアパッチが先行して敵戦闘車両を撃滅、及び可能な限り敵戦力を削減して、チヌークや隼に乗っている特殊急襲制圧部隊が砂浜を占領、その後に揚陸艦内の上陸部隊が動く。
既に甲板からは各国の戦闘ヘリが飛び立っていた。上陸地点にある戦車を攻撃にしに行くのだろう。日本の原子力空母「あかぎ」の甲板からもF-32Jが飛び立っていた。
上陸地点である海岸を、各国の戦闘ヘリが蹂躙していた。
ウェルドック内で待機すること数分。注水が完了し、艦の後部にあるハッチが開いた。
「全部隊、発進せよ!」
待機していた上陸部隊は、その号令を合図に一斉に
発進した。他の艦でも続々と発進していた。
更に貨物船からも、脇に設置していた上陸用舟艇に自衛隊や海兵隊が乗り込み、降ろしていた。
水陸両用強襲輸送車や水陸両用戦闘車やLCAC、上陸用舟艇は海岸へと向かっていた。その先では、既に輸送ヘリによって一足先に上陸していた特殊急襲制圧部隊が戦っていた。
輸送大型ヘリ「隼」内部
ここには90名からなる特殊急襲制圧部隊が待機しており、上陸の時を待っていた。
「間もなく上陸する。各員は、降りた後、散会して敵を攻撃せよ!」
「「「了解」」」
着地したすぐ後ハッチが開き、隊長の命令の元、上陸。そこは敵の塹壕から300メートルは離れていた砂浜だった。
「行け行け行け!」
隊員は一斉に散らばり、目についた敵に向かってひたすら撃ちまくった。
ドガガガガガガガガガガッ!!
いきなり黒い兵士達が、見たことの無い乗り物から大量に出てきた事で、オーマバス側は更に混乱していた。
「ぎゃあぁぁぁ!!」「何なんだこいつらは!?」
だが、オーマバス軍も殺られっぱなしでは無い、塹壕で避難していた者は機関銃を撃ち、他の兵士達も一斉射撃や手榴弾を使って反撃した。
「異教徒共を返り討ちにしろぉ!!」
ドダダダダダダダダダダダダッ!!
バアァァァン!!
この弾幕に特殊部隊達もミサイル等で出来たクレーターに隠れながら攻撃した。
「右方向に戦車があるぞ!注意しろ!」
無線から報告が聞こえた。隊員の1人が右方向に目をやると、確かに戦車がいた。対地ミサイルから運良く生き残ったのだろう。
両脇に主砲を付けており、横からの攻撃なら強そうだ。上の方には煙突があり、そこから青い煙を出していた。
「何だあれは?青い煙を出しているぞ。」
隊員の1人がそう無線で言う。戦車はまだ塹壕よりもかなり奥にいる為、迎撃準備は出来るだろう。
「確かに変な奴だが、んなことよりも早く対物ライフルで黙らせろ。」
「了解」
そう答え、背中に背負っていた対物ライフルを構えて射撃する。
ドオォォォン!
一発目は右側の主砲近くに当たった。続いて二発目を放った。
ドオォォォン!
二発目は車体の中央部に命中した。すると動きが鈍くなってきた。恐らくエンジン部分が損傷したのだろう。
暫くすると、あちこちから青い炎が噴きだし、そのまま戦車全体を呑み込み燃え上がった。
戦車はもう動かないと判断し、隊員らは別の目標へと向かった。その時には後方から上陸部隊の本隊が来ていた。
「本隊が来るぞ!」
仲間の1人がそう言った瞬間に爆発しぶっ飛んだ。
オーマバスの仕掛けた対人地雷であった。彼はそれを踏んでしまいそのまま2メートル程吹き飛んでしまったのだ。
直ぐ様、数人の仲間が駆け付ける。
「大丈夫か!?」
すると倒れていた隊員は起き上がり返事をした。
「あ、あぁ何とかな。だが、足の部分が動かしにくい。多分、どっか壊れてるな。」
爆発の衝撃でパワードスーツの関節部分がおかしくなったのだろう。
「そうか・・・手榴弾で足が壊れたってのを聞いたな。爆発耐性をもう少し考えて欲しいものだな。それじゃあお前は後退するんだ。」
倒れた隊員は担架で運ばれて後退した。その様子を見た隊長は隊員に1つの指示をした。
「お前達、見ての通りここには地雷がある。手当たり次第に地面を撃ちまくって地雷を処分しろ。弾なんて気にするな。後方の補給部隊から腐るほど持ってくるからな。」
「了解!」
隊員らは直ぐ様、地面に向けて撃ちまくり、地雷を処分した。
だが、処分を終える前に本隊が来た為、装甲車や戦車を前に出して処分させた。幸い対人地雷なので、数発程度なら問題無かった。数発受けた車両は後方にいた車両と交代して進軍した。
だが、オーマバス側もそれを黙って見ていなかった。爆弾を抱えた亜種族師団に突撃をさせた。総勢9000体ものゴブリンが、爆弾を持って突撃してくる様は見ていてとても恐ろしいものだ。
グキャギャギャギャギャ!!
「な!?気を付けろ!奴等が持ってるのは爆弾だ!!」
それを聞いた上陸部隊は銃口をゴブリンに向けて発砲した。だが、オーガ重装甲兵や巨人重装甲兵らも一緒に突撃してきており、更にはオーマバス陸軍からの射撃やまだ生き残っていた戦車やゴーレムが動き出したのだ。かなりの激戦となった。
地球連合軍は兎に角撃ちまくる。
「奴等を近付けさせるなぁ!」
「ガッデム!!日本人の神風みたいな事をしやがって!!」
「どんどん撃ちまくれ!!」
「地球人の力を見せてやる!」
ドオォン!ドオォン!ドオォン!
ドドドドドドドドドッ!!
装甲車からの重機関銃、機関砲や戦車の砲撃、歩兵からなる一斉射撃や各攻撃ヘリのミサイルやミニガンが一斉に放たれた。
オーマバス側も塹壕から撃ちまくる。突撃している亜種族師団を到達させるために。
「日本軍め!地獄を見ろ!」
「異教徒共を地獄に突き落とせ!!」
「教皇様万歳!!」
「第1師団はまだ到着しないのか!?えぇい!魔術師達をもっと集めろ!!」
塹壕からの機関銃や大砲、魔動式戦車による砲撃、魔術師らによる攻撃魔法や歩兵達の一斉射撃等、お互いに撃ちまくった。
ドドドドドドドドドッ!!
ドポオォン!ドポオォン!ドポオォン!
ダアァン!ダアァン!ダアァン!
両軍共に被害が出ていた。特に亜種族師団は酷い、地球連合軍からの分厚い弾幕に次々と殺られていった。だが、一部のゴブリンは最前線にいた特殊部隊の元まで辿り着き、ゴブリンは自爆した。
ドガアァン!
「ぐうぅ!!」
隊員はそのまま吹き飛んでしまった。だが、爆発の距離が数メートルの所で爆発した為に、衝撃波だけですんだ。
「おい!大丈夫か!?」
付近にいた海兵隊が駆け付けてくれた。
「な、何とかな。」
「無理するな!お前は念のため下がって治療を受けろ!」
海兵隊からの手厚い援護のお陰で安全に後退することが出来た。
「・・・あの装備でも危険があるかっ!」
「航空支援だ!攻撃機から要請しろ!」
「了解!」
敵からの特攻により、次々と犠牲が出ていた。
ドオォン!
「ぎゃあぁぁぁ!!」
「甲野!?大丈夫か!?」
「急いで衛生兵の元まで運ぶんだ!!」
ドオォン!
「糞ったれが!トム!!」
ゴブリンだけでなく大型のオーガや巨人、ゴーレムらの防御力の高い者達らも突撃してきているため、上陸部隊は少しづつ後退していった。
更にオーマバス陸軍の戦車も厄介だった。地球の古い戦車のような見た目だが、戦闘力は明らかにそれより高かった。
砲撃すると、青白い煙を出しながら弾が飛び、着弾すると、半径数メートルが青い光を出して燃え上がる。装甲車両なら問題無かったが、歩兵達となるとそうはいかない。
少なくない歩兵達が犠牲となった。
「ぎゃあぁぁぁ!!」「助けてくれぇ!!」
だが、地球連合軍も必死で援護した。戦車の120ミリ砲弾や艦隊からの艦砲射撃も加わり、オーガや巨人、ゴーレムらが次々と殺されていった。
艦砲射撃の直撃を受けた巨人はグシャリと嫌な音を出すこともなく、爆発し、内蔵を撒き散らかした。
戦車からの砲撃は、塹壕より後ろにいた魔動式戦車の装甲をいとも容易く撃ち破り、中にいた兵士もろとも潰し、燃料庫の魔法石に当たって大爆発を起こした。
ドポオォォォォォォォン!!!
「糞っ!また殺られたぞ!?」
「奴等の戦車は一体どうなってやがる!!」
「科学で造られた戦車がどうしてここまでの力を出せるんだ!?」
この頃には、ゴブリンらは壊滅しており、オーマバス軍は2万人程の犠牲者を、地球連合軍は600人程の殉職者を出していた。
その時、海の方角、その上空から轟音が聞こえた。空母から飛び立ったジェット戦闘機が、編成を組んで航空支援に来たのだ。
その両翼下には、爆弾や対地ミサイルが搭載されていた。
日に日に投稿が遅くなってきているような感じが・・・
最近、色んな映画にハマってて忘れがちですわ。
繰り返しますが今のところは失踪の予定はありませんので、ご安心下さい?
また、お会いしましょう!




