第14話 特殊急襲制圧部隊
第14話 特殊急襲制圧部隊
日本国 茨城県の某防衛省管轄実験地
ここ防衛省が管轄している茨城県のとある実験地ではとある特殊部隊の能力テストをしていた。
そこには全身真っ黒の全身鎧のような物を装着しており顔の目の部分は赤く光っている暗視ゴーグル機能を着けており、口の部分には管が伸びておりそれが背中の四角い黒い箱らしき物についていた。
それ以外の顔と体中には一切素肌を見せつけずあらゆる面から銃撃を受けても問題なさそうな装備を着けたもの達がいた。
そして彼等は3メートルの高さのある壁をその重装備を着けながら軽々と乗り越え、逆に5メートルの高さから受け身なしで飛び降りたままの姿勢で着地しそのまま走った。
重装備を着けながらもパワードスーツの力で100メートル走を11秒で走り切った。
レンガ造りの壁を突進して突き破り横に控えていた隊員が突入したり、火炎放射機を正面から受けても難なく歩みより、その火炎放射機の所まで近付いた。
さらに水中でも管から伸びている背中のボンベのお陰で水中作戦も出来ていた。
さらに自衛隊の銃撃を受けてもそれを物ともせずに進んだり、格闘戦では鉄パイプで叩かれてもビクともせずにその鉄パイプを奪い取りそれをねじ曲げた。
「ご覧の通り我々が開発した新たな装備を装着した重装備部隊は従来の特殊部隊を遥かに上回る戦闘能力を保持しております。これならば実戦でも十分に活躍するでしょう。」
防衛省の開発者の責任者が視察にきた格省の大臣や総理大臣らの前で説明をしており、特殊部隊はその後ろで様々な能力テストをしていた。
「・・・まさかここまでの能力だとはな。ハッキリ言って予想を遥かに上回っているよ。」
総理の感想に他の大臣らも同意した。すると財務大臣が挙手して質問した。
「この特殊急襲制圧部隊の1人あたりの費用はどれ程なのですか?」
「はい。彼等の装備等を含めて計算しますと・・・約15億は掛かっています。」
予想以上の費用に周りはざわめく。
「お静かに。確かに高いとは思われますのもわかりますがこれ程の能力ならば現在の特殊作戦群よりも幅広い作戦を行えますし、野戦でも陸上自衛隊と合同で戦えるために妥当な金額だと私は信じております。」
「ふーむ。確かにそうですがこれはどれ程数を揃えるつもりなのですか?」
法務大臣の質問に防衛大臣が答えた。
「特殊作戦は勿論のこと陸上自衛隊らが行う野戦や敵のゲリラ戦や市街戦にも対応するため1個連隊つまり約2000名を確保したいです。これに掛かる費用は全て合わせれば3兆2000億円程を確保して欲しいです。」
防衛大臣の言葉に今度は先程よりも遥かに上回るざわめきが起きた。
「ちょっと待って下さい!いくらなんでもそれは多すぎますよ!!」
財務大臣の言葉に流石に他の大臣らも反対の声を出した。
「勿論それは分かっております。これはあくまで目標です。最初は500名程の1個大隊分の7500億円を確保して欲しいです。2000名は数年後を目安にしております。」
7500億円もかなりの金額だが近年他国との貿易で税収は増えているしGNPも転移前の水準に戻りつつあったため今度は納得の声が上がってきた。
「・・・それならば出来ると思います。が、数年後の2000名はまだ考えさせてください。」
「分かりました。では他に質問のある方は?」
総理が手を挙げた。
「噂で聞いたのだが、彼等は近いうちに海賊討伐に向かうと聞いたのだが本当なのかね?」
総理の言葉に防衛大臣は答えた。
「はい。2ヶ月後に30名の特殊急襲制圧部隊を西平島の近海にある海賊の本拠地に向かわせこれを殲滅させます。」
「なに?たったの30名だと?あそこはかなりの大規模だと聞いたぞ。大丈夫なのか?」
「えぇ。我々はそれでも問題ないと判断しております。」
防衛大臣の自信満々の言葉に周囲はどよめく。
「なるほど。その結果を見て判断をしても良さそうだな。」
「はい。そのつもりもあり、向かわせるのです。では他にある方は?」
その後も何個かの質問に答えてゆき、視察は終了した。
2ヶ月後
西平島近海 海賊本拠地
ここには8つの海賊組織が集まり連合を組んで西平島に向かう船を襲い暮らしている島だった。
戦力はフリゲート艦が15隻で戦列艦が4隻で2600名程の数の海賊達がいた。
現在、その島を取り囲むように8隻の巡視船と1隻のミサイル艇が万が一のために囲んでいた。
そこの1隻の巡視船からスクリューを装着した専用の水中装備を着けた特殊急襲制圧部隊が潜り向かっていた。
その事を知らずにいる海賊達はいつものように酒を飲んだりして宴を楽しんでいた。
「いやぁぁぁ・・・ニホンの野郎のお陰でこんなに儲かるとはな。」「あー全くだ奴等の運ぶ品物はそこらの物よりも高く売れるからな。笑いが止まらねぇぜ!」
「特にニホンの船は他の船よりも遥かにでけぇから捕まえればそれだけで一生遊んでいけるぜ。あの船の船員らも高そうなものを身につけてたから殺して奪ってやったぜ!」
「あぁ!俺なんてたまたまニホン人の女を見つけたから犯して楽しんでやったぜ!だけどあいつらすぐに壊れちまうから萎えちまうよ」
「ちげぇぇねぜ!!だははは!!」
この島の港には数多くの海賊船が停泊しており数人の見張りがいた。
「あーあ俺も早くあそこで飲みてぇな。」
「あと少しで交代だから頑張れや。」
「そうだけどなぁ~・・・ん?」
ペチャッ
すると何か音がし、話していた2人は武器を握りながら近付いた。
「・・・何の音なんだ?」「わからん・・・何もないよな?」
「あ、ああ今までに無かった音だったから気味が悪いなぁ。」
すると後ろから突然首をグイっと持ち上げられその直後に首を切られた。
(!?熱っ!・・・え、痛い・・・あ、あ)
彼等が最期に見たのは全身真っ黒の化け物だった。
「こちらアタッカー1 見張りを排除した。」
「こちらアタッカー2 こちらも排除した。」
「了解 これより上がる。」
すると見張りを排除した彼等の後ろから20名程の特殊急襲制圧部隊か上がり込んできた。
「奴等は宴の最中だ。それぞれ別れて殲滅しろ。」
「「「「「了解」」」」」
今回、彼等は圧倒的な力をみせるため肩には小型の防弾カメラがあり更に上空にはドローンが彼等を撮影してきた。
その後30名の特殊急襲制圧部隊は2人1組で手当たり次第に彼等の持つ小型15ミリミニガンや12.6ミリの独自開発した重機関銃を発見した海賊達に向けて発砲した。
グアァァァァァァン!!
ガガガガガガガガアァァン!!
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!!?」
「な、何だ!?あれは!!?なんであんな化物共がいんだよ!?」
「助けてくれぇぇぇ!!」「頼む!!殺さないでくれぇぇ!!」「嫌だ!!嫌だ!!」
彼等は見つかれば瞬時に肉片となりそれを見た海賊達は容赦なく殺してくる特殊急襲制圧部隊に戦慄して慌てて逃げた。
「や、やべぇよ!!やべぇよ!絶対勝てねぇよ!!」「何であんなのがここにきたんだよ!!」
「ニホンだ!!奴等がとうとう復讐に来たんだよ!!!?」
その直後に後ろからミニガンで肉片となった。
さらに別の場所では洞窟に立て籠り反撃をしていたがマスケット銃やクロスボウでは彼等に貫通するはずもなく、無惨に殺されていく。
「畜生!畜生!!なんで効かないんだよ!?」
「魔術師の奴はどこにいんだよ!?こんな時に役に立たねぇじゃねえかよ!!」
その後彼等は火炎放射機によって生きたまま焼かれた。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!!?熱ぃよぉ!!」
「痛い痛い痛い痛い!!!」
また別の所では通路になっている所々にいりくんだ洞窟内で待ち伏せして反撃しようとしていた。
「まだか?」「しー!気づかれるだろっ。」
ドドドドドォッ!!
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
また別の仲間が殺された声に彼等は震えていた。
ふー!ふー!
あまりの恐怖に呼吸が乱れるがなんとか集中して気づかれないように待機していた。
そして足音が聞こえ2体の黒い化物が通り過ぎたところを持っていた大槌で思いっきり振り上げて頭をぶっ叩いた。
ガツーン!!
甲高い音が鳴り響きもう片方の黒い化物にも仲間がハンマーで頭を叩いた。
ガアァァァァーン!!
「え?な、なんで・・・っ」
2人はあまりな現実に呆然とした。彼等は普通ならこれで殺せたはずなのにあの黒い化物達には何もなさそうに立っていた。
そして化物達は銃を使うのに勿体ないと思ったのか腰に着けていた大型の鉈で2人の首を切り飛ばした。
また別の場所では黒い化物達が合流して8名程で海賊達の宴会場で攻撃していた。
既にこの場には100人はいたはずなのにもう2割に減っており絶望していた。
「畜生!!なんで銃が効かないんだ!?」
海賊達が一斉に撃つが黒い化物達は跳ね返った音が響くだけですぐに自分達のほうにあの大型の銃弾を浴びせてきた。
トガガガガガガカガアァン!!
その後彼等は全員死んだ。
また別の所では魔術師達が一斉に魔法を放ち攻撃していた。
「撃てぇぇぇぇ!!」
10人程の魔術師らが炎・氷・水等の魔法であの黒い化物達に向けて放つが奴等は全く聞いていない様子だった。
「な、なぜ、死んでいないんだ!?」
その直後彼等は火炎放射機で焼き死んだ。
そして海賊達の船長達はある部屋で会議をしていたが襲撃の知らせで固まって迎撃に向かっていた。
「チッ!まさか奴等がこうも大胆に攻撃にくるとはな。」
「だがどうやってここを知ったんだ?我々はつけられていないことを確認して島に戻っていたのに。」
「さぁな、それより今は命知らずの馬鹿共を片付けるだけだ。」
この島の場所は偵察衛星によって随分前から確認しており、規模などを把握していた。
すると前方から黒い化物達10人がおり待ち構えていた。そこに50程の海賊達が怯えながら武器を構えていた。
「あぁ!!お頭だ!!」「本当だ!やったぞこれで助かった!!」「奴等を皆殺しにしてくださいよ!!」
生き残っていた海賊達はそれぞれのボスが現れたことに希望を抱いた。
「チッ!怯えやがって・・・んでお前らはニホンの兵隊様か?」
1人の船長の質問に彼等は答えない。
「・・・黙りか、嘗められたもんだな。」「それだけ調子に乗ってるだけだ。」「こちとら強い連中だけを相手に戦っていたんだから楽勝だな。こんな奴等はよ」
船長らの言葉に船員達は士気を取り戻した。
「そうだ!そうだ!船長らにかかればこんな野郎すぐに皆殺しだ!!」「覚悟しろよ!」
すると黒い化物達は武器を下げて腰に着けた鉈を構えた。
「・・・へぇ~そんな剣で俺たちと戦うつもりなんだぁ。」
「ふんっ!あんなの簡単に折れるよ。」
すると船長の1人が突進して黒い化物の1人に飛び蹴りをした。その黒い化物は後ろに転んだ。
「あ~あ。もう1人ダウンしちゃったよ・・・」
「所詮この程度か・・・ッ!?」
すると転んだ化物は何事もなく起き上がり呟いた。
「・・・拍子抜けだな。」
その言葉に蹴った船長はぶちギレた。
「ほ~!図に乗るなよ。次は殺す!」
そう言い今度は殴ろうとするがその前に起き上がった化物がその腕を掴み空いた手で顔を握りその頭を壁に打ち付けて潰した。
ドオォンッ!! グシャ!!
その光景を見た船長らは呆然とした。だがそれも一瞬のことですぐに他の化物達に向かいそれぞれの武器で攻撃した。
「ふんっ!!」
船長の1人が大槌で腹の部分も叩くが何事もなさそうな様子でその化物は手に持っていた鉈で首を刺した。
「はいやぁ!!」
また別の船長は剣で突き刺そうとするが貫通せずに折れて同じく鉈で顔を切断された。
もはや他の船長らも同じように切られ、殴り殺されたり、蹴り殺されたりした。
船長らが全滅したとき船員らは武器を捨てて命乞いをした。
「お、お願いします!助けてぐざい!!」
「嫌だぁ!お願いじばず!何でもずるからぁ!」
「頼む!!許してくれぇ!!死にたくないよ!!」
「あ、あぁ!!せめて痛くないようにしてくれ!!」
たが彼等の命乞いも無視され持っていた重機関銃でミンチになった。
「アァァァァァァ!!」「嫌だ嫌だ!!!」
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!」
殆どが死ぬなか1人だけ運悪く下半身だけに当たって殆どミンチになってるのに死ねなかった。彼は前回日本の船を襲い日本人の女性を犯した男だった。
「あぁ、嫌だぁ~!殺してくれぇぇ!痛いよぉ!」
その後 本拠地の海賊達は殲滅され最期に航空自衛隊の爆撃機の爆撃に徹底的に破壊されて運良く生き残った海賊達も死んだ。
日本国 東京 国会 某会議室
「これは予想以上だな。」
映像を見ていた総理が呟く。
「はい。先日の特殊作戦群は魔法に耐えられ無かったですが彼等は多数の同時魔法攻撃を耐えることができます。」
「うーむ。これは増員を急いだ方がいいのかもな・・・財務大臣!どうだ予算は確保できそうか?」
総理の質問に財務大臣が答える。
「・・・これだけの戦闘能力ならば我々も許可するしかないでしょう。取り敢えず500名分の予算を確保します。後ほど予算の草案を出します。」
「うむ。わかった。今後彼等は自衛隊の主力になるかも知れんなぁ。」
総理の発言に防衛大臣が反応する。
「はい。その可能性もありますが無人兵器の開発もしており、それらが主力になる可能性もありますよ。」
「ほぉ~無人兵器か・・・時代は変わるのだねぇ。」
総理の呟きは会議室に響いた。
どうも!やっと特殊急襲制圧部隊を登場させれました!
現実にもそんな部隊があるとロマンありますよね!
次回もよろしくお願いします!




