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強化日本異世界戦記  作者: 関東国軍
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第13話 西平島に来た異世界の国々

第13話 西平島に来た異世界の国々


「世界情報通信会社」の視察団が来日してから6か月が経過した。

彼等によって発表された内容は列強国と並ぶ程の国力を持ちながら他の列強国よりも友好的に接する国だというものだった。


これを聞いたまたは見た周辺大陸の国々は、日本の技術を得ようとする国、日本と同盟を結んで周辺国を支配しようと目論む国、列強国からの指示で日本の弱点を探ろうとする国など多くの国々が2ヶ月前からそのような国々と国交開設の交渉のために西平島がその外交拠点として開港されていた。





          西平島


この島には現在5万人の日本人が住んでおり、また毎日数千人の観光客や外交大使が来ていた。


「ほう・・・ここがニホンの島か。島とは思えない程発展しているな。」「まったくです。街には見たことのないものばかりで不思議な島ですなぁ。」


連日こういった外交大使である貴族らが辺りを物珍しそうに見回しており現地住民らはそれを見慣れたように生活していた。


また、港では国交を開設した国々の商人が日本の高品質な品物を仕入れるために毎日、様々な国からの木造船の交易船が行ったり来たりしていた。


港には日本等が使う大型船専用の場所と木造船等の小型船専用の場所を確保しており、木造船は毎日大量に来るためこの島の港は非常に大きく造られていた。


「おー!船長!ここが日本の港ですか!?向こうにめちゃくちゃデカイ船があんなにあるんですかぁ!?」


とある国の交易船では新米の乗組員がもう既に何度もこの島に来たことのある船長に聞いていた。


「バカ野郎!こんなんで驚いてたらきりがねぇぞ!それとあの船は鉄で出来ている船であれよりデケェ船なんてゴロゴロいるわ!」


「鉄で!?・・・なんでそんな船が沈まないんですか!?」


「んなもん知るか!おめぇはさっさと降りる準備をしろ!」


船長の指示に新米乗組員は慌てて帆を下ろす準備をしていた。


港から少し出ると大通りに出る。その大通りにある店は観光客や商人らのために数多くの店が開いており、どの店も繁盛していた。


大通りの車道には車やバス等が走っておりそれを初めて来た商人や観光客として来た貴族らが驚きながら見ていた。


「あれが馬のない鉄の馬車か・・・噂通り凄い速さだ。」「お父様、あのお店を見てみたいです。」


「む、あそこか?見たところ服を売っているようだな。」


と貴族の家族連れとその護衛兵とお付きの使用人らの集団は大通りに面している高級服屋に入った。


「いらっしゃいませ。」


「ほぉー中は予想以上に清潔だな。それに丁度どいい温度だ。・・・温度調整の魔道具を使っているのか?確かあれはかなり高価な筈だが。」


「お父様!この生地のさわり心地を確認なさって!凄いですわぁ!」


「なに?どれどれ・・・なんと。この手触りは凄いな。一体何で作っているのだ?」


「こちらの生地はシルクで出来ております。あちらにその素材で作られた服がございます。」


貴族親子らは店員が教えてくれた所にいき、その服の見事なデザインに驚いた。


「これは!なんと見事な服だ。やはり大金を払ってまで来て正解だったか。」


「あなた!こちらの服もご覧になって!どれも素晴らしいわ。」


「うーむ。確かにどれも素晴らしい。よし!ここらにある服を頂こう。」


「ありがとうございます。」


こうして貴族親子達は大きな買い物をして満喫をしていた。


ここ以外にも宝石店や家具店等は貴族らがよく大量に購入していた。


「また、貴族様が買い占めているよ。」「まったく凄い買いっぷりだねぇ。」


それを見ていた現地住民らは慣れはしたがそれでも驚いた様子で見ていた。


また、商人らは日用品や日本の非常用食品を手に入れてそれはを交易船に運んでいた。


食品は現地の生態系を崩さないために野菜や肉等の食品を売っているのではなく加工済みの物を販売していた。


「次はそこにある荷物を入れてくれ。」「はいよ。・・・旦那これは何ですかいな?」


商人の元で長年働いている男が木箱にある品物を見ながら聞いた。


「ん?あ~それはニホンでは非常食として売られている缶詰というやつだな。」


「カンズメ?これが食べ物?」


「疑うのも無理はないな。店で試食してみたが中々美味くてな。きっと売れるぞぉ。」


「・・・そうですかぁ?中身よりもこっちの硬い器の方が売れるんじゃないですか?」


男が缶詰を見ながらそう呟く。


「確かにそっちも凄いぞ。何せそれは常温でも数年は持つらしい。」


「え!?これが数年も!?」


これには流石に男も驚く。


「あぁ。作り方は教えてくれなかったが何か特殊な方法で中に閉じ込めてその技術で中身が傷むのを阻止してくれるらしい。」


「ほへ~こんなのがねぇ。凄い国ですなぁ。」


「まったくだ。さぁお前達早く積んでくれ。少しでも早く売りさばきたいんだ。頼むぞ!」


商人らはこうして日本の商品を入手してそれを自国や日本と距離の離れた国々に売る。




そして、やはりこの島に観光目的や商売目的そして外交目的以外の理由で来る者達もいる。


その者達は列強国のスパイや列強国の命令を受けた国の密偵が日本の情報を手に入れるために入港していた。



「ここがニシイリシマか。予想以上に発展しているな。」「うむ、予想以上過ぎるぞ。」「とりあえず分かれて行動するぞ。1時間後にあそこの噴水で落ち合おう。」


彼等はオーマバス神聖教皇国の情報局から派遣されたスパイである。


4人は取り敢えず分かれて行動し情報収集することにした。


「ん?ここは・・・」


するとスパイの1人がある本屋の前で止まった。

彼はその本屋に入り情報を集めることにした。


(うーむ、どの本も文字は読めんがこの表紙は日本の都市の観光案内みたいなものか?)


彼は自国にある準列強国以上の国々に発行されている、自国の観光本を思い浮かびその本ある写真だけを見た。


(・・・どれも山や川の写真ばかりだ。確かに景色はいいが、都市の中の写真はないのか?)


彼がペラペラとめくっているとようやく都市の写真があった。


(お!これは・・・飛行機か?だがこの写真だと大きさとかが良くわからん。外れだな。)


だが彼は本国に持ち帰るため何冊かの観光案内本を持ち帰ることにした。


(・・・ん!?ちょっと待て考えてみればここの本はどれもカラー本じゃないか!?)


彼はふと思い返してようやく気づいた。上位列強国や超大国でもない日本が自国でもカラー技術を持っていないのに彼等は持っている事に今更ながら驚いた。



そして別の所では車の店に入ろうとしたが、現在は日本国籍を持った人間しか購入できないため駐車していた車を怪しまれない程度に遠目から見ていた。


(うーむ。やはり速度といい、排気ガスの少なさといい。かなり高い技術なのだろうか?車についてはよくわからんなぁ。)




また別の所では港の方へ戻り貨物船等を見ていた。


「ふーむ。どれも随分デカイな。それに長方形の形をしたものを大型クレーンで運んでいるがあれは何だ?」


「恐らくだがあの中に荷物を入れてあるのだろう。上位列強国もあれを使っているのを見たことがある。」


彼等が言っているのは貨物船に積んであるコンテナのことである。


コンテナは地球で1956年の頃に使われ始めた物なので彼等が知らないのも無理はない。


「なに?・・・だとしたら奴等の技術は相当高いってことじゃないのか?大丈夫なのか?」


「さぁな。超大国らの支援を受けてたり、盗んだ技術というのも考えられる。じゃなきゃ急にこんな国が現れるなんておかしいだろ?」


「だが、世界情報通信会社の発表では・・・」


「お前はあの馬鹿げた情報を信じてるのか?」


男が若干呆れたように言う。


「いや。別に信じてはいないが。彼等があんなふざけた事を真面目に書くのか?」


彼はあの会社の発行した新聞紙を思い出す。


「確かにそうだが。幾らなんでもあれは無いだろ。常識的に考えてあのアトランティス帝国ですら国ごとの転移魔法は出来ないんだぞ?最高幹部の奴等が俺達をこうやって混乱するためにやってるんじゃないか?最近では超大国らがうるさいからな。」


「うーむ。そうなのかね?・・・ならまだ分かりやすくて助かるが。」


「たぶんな。それよりもそろそろ時間だ。戻るぞ。」


「わかった。」


彼等のようなスパイはこうして少しずつ情報を集めていた。





そして日本との外交目的で来た者達も例に漏れずこの島にきて驚いていた。


「な!?なんと!これ程までに発展しているとは・・・」


「ただの島にここまで発展しているならば本土は一体どれ程凄いのか・・・これは何としてでも同盟を結ばなくは!」


日々ライバルである隣国や大国にいつ攻め滅ぼされるか分からない小国は貢ぎ物等を持っていき日本と同盟や軍事技術を得ようと動いていた。


「・・・申し訳ありませんが貴国との国交開設は出来ません。」


「な!?何故ですか!?我が国が隣国を攻め滅ぼした暁には戦利品である奴隷や財宝の半分を貴国に譲るのですぞ!!」


とある西平島の外交施設の部屋では日本の外務省の人間と外交大使が話し合っていた。


「我々は戦利品を頂くつもりはありませんし、他国の侵略戦争を手助けするつもりもありません。・・・それに貴国は海賊組織と癒着し我が国の民間船を襲ったではありませんか?」


「な!?な、何を根拠に言うのだ!!」


「後日捕縛した海賊船の船長室からの王家の紋章のあった命令書そして彼等の証言等数えればきりがないです。」


外交大使は血の気が引いた何せ確かに彼の国は海賊組織と癒着しており他国の船を奪わせてその戦利品を山分けしていたのだ。


そして数ヵ月前からニホンという非常に豊かな国の船が頻繁にとある海域を通ると聞き、その時の王と貴族らが攻撃させてその財を奪っていたのだ。


だが日本が予想以上に強大な国だと分かると慌てて命令を取り消して何事も無かったかのようにこうして外交大使を向かわせていたのだった。


「な、そんな馬鹿な・・・」(あれほど命令書は破棄しろと言ったのに!)


「そういう理由で貴国とは国交を結べません。今回の所はお引き取りください。後日正式な謝罪が無ければ我か国もしかるべき対応をさせていただきます。」


「もうよい!!辺境の国が図にのりおって!!」


外交大使は怒ってそのまま船に戻ってしまった。



また、ここ以外にも様々な国の外交大使がいた。


「是非!貴国の高度な軍事技術を頂きたい!もちろんタダという訳ではない!くれた暁には我が国が貴国の兵士として世界を征服してみましょう!!」


「貴国には奴隷が居ないと聞きました!ですがそれは非常に勿体ないと思いますぞ!是非!我が国の奴隷を連れてきましたので有効活用してくだされ!」


「我が国の誇る魔法技術を伝授しますよ?貴国は科学で発展したようですが・・・ハッキリ言って魔法には及びません。ここらが限界でしょうぞ。その代わりに我が国と貿易をしていただきたい。」


「貴国は強いと聞いておるが列強国以上は言い過ぎですぞ。近いうちに列強国から来るでしょうがここは自ら出向いた方が身のためですぞぉ。」


と本当に様々な理由で来ており日本の外務省らは日々疲れていた。




また西平島付近の海域では多くの貨物船や交易船を狙って海賊行為をする船を巡視船らが日々取り締まっていた。



   西平島 近海のとある海賊船


「船長ー!!右舷に交易船ですぜ!しかもあれはメーンズバナ商会の船だぁ!!」


「よぉーし!野郎共!!仕事に取りかかれぇ!!」


船長の言葉に海賊達は雄叫びを挙げて交易船に向かった。




     メーンズバナ商会 交易船


「旦那様!海賊船がこっちに向かって来ます!」


「なに!?・・・糞っ!もうすぐ着くと思った矢先にこれか!急いで逃げるぞ!」


「はい!!」


メーンズバナ商会の交易船は海賊船を見て急いで逃げたが交易船と海賊船との距離が少しずつだが確実に狭くなっていた。


「あの船は何故ああも速いのだ!?・・・は!まはか風起こしの魔道具を着けているのか!?あんな高価な物を!?」





「ひぃやっほぉぉぉぉぉいぃぃぃ!!あと少しであの大物が手にはいるぜ!!」


「船長!!左舷からあの白い化け物が来ましたぜ!」


「なに!?あの日本の白い船か!?」


船長は見張りが指差した方向を見て舌打ちをした。


「っち!・・・久しぶりの大物だと思ったのにしょうがねぇ。引き上げだ!野郎共ぉ~来た道へ戻れ!!」


海賊船は巡視船を見るやすぐに撤退してひとまずの危機は去った。


「ふーむ。本当に海賊共はしつこい!・・・これでは解決せんぞ。」


巡視船の艦長は逃げていく海賊船を見てそう呟く。


「そろそろ奴等の本拠地を潰さないと各国の被害も増すばかりです。まぁ今回もあの交易船に何事も無かったのでよかったですよ。」


副艦長が交易船を見ながら言う。


「あぁ。だがそろそろ上がなんとな決断してくれんとな・・・」


艦長の呟きは船内で響いたのだった。




「旦那様!あの船のお陰で助かりましたぞ!」


船長の言葉にこの船の持ち主と船員は安堵した。


「ふ~。・・・あのニホン国のジュンシセンとやらか。やはりいつ見てもデカイな。こいつのお陰で助かったよ。これは今夜はあの船に乾杯だな。」


持ち主の言葉に船員達は顔を綻ばせながら仕事にとりかかったのだった。



いかがでしたか?


最近寒くなってきて毎朝起きるのが辛くなってきた作者です。


まぁ、それもこの活動のためになんとか頑張って起きておりますがね。


いやほんとに辛いですねぇ。


それではまた次回お会いしましょう!

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