表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベル1の時点で異世界最強  作者: ろーたす
1章 英雄の息子
139/257

01.始まりの朝

かつて、史上最悪の存在から世界を守った英雄達がいた。


その中でも最強と呼ばれ、最後はたった一人で巨悪に立ち向かった青年は、共に戦った仲間である剣聖と呼ばれていた女性と結婚。


英雄同士の結婚は世界中で話題となり、人々は二人が授かる子に期待した。


当然、恐るべき力を秘めた子が産まれてくるだろう。そう誰もが思っていたのだが、残念なことに産まれた息子は特別な力などは持っていなかった。


しかし、その1年後に産まれた娘は凄まじい魔力を身に秘めていた。英雄夫婦は力などは一切関係なく息子と娘を育てたが、世間は息子を密かに落ちこぼれと呼ぶようになる。


なんとも酷い話だ。


「英雄の息子が英雄以上の力を持って産まれてくるなんて、女神様はそんなこと言ったりしてないだろ」


欠伸をしてから上体を起こす。


隣を見れば鏡に無愛想な自分の顔が映っており、本当にこんな男が『英雄の息子』なんだろうかと思えてくる。


そう、俺こそがさっき話した英雄夫婦が産んだ落ちこぼれの息子だ。


ユウ・シルヴァ、16歳。黒髪黒目で身長174cm、好きなタイプは優しい巨乳のお姉さん。


そんな俺は伸びをした後ベッドから降りようと布団の上に手を置いたんだが、妙な感触が手のひらに伝わってきた。


疑問に思い布団を持ち上げてみると、信じられないほど可愛らしい少女がスヤスヤと寝息を立てているではないか。


「はぁ、やっぱりか」

「ん、んん········」


雪のように白いミディアムヘアから覗く、髪と同じ色の獣耳。


着ているパジャマはがっつりはだけており、恐らく俺が手を置いたのはこの少女の胸の上ではないかと思われる。


「こら、起きろマナねえ!」


強めに体を揺すると、少女は目をうっすらと開けてベッドの上をごろんと転がった。


「ん〜〜〜····?」

「あのさぁ、俺じゃなかったら普通に襲われると思うぞ?」

「あれぇ?ユウ君、どうしたの········?」


のそのそと起き上がり、眠そうに俺を見つめてくるこの少女。実は俺よりも年上で、さらに義理の姉である。


英雄である親父が昔拾ったという、獣人のマナ姉。


身長は低めで童顔であり、姉というより妹と言った方がしっくりくるかもしれない。


しかし胸はそこそこ育っており、あまりにも可愛らしい容姿なので、姉を狙う男性は数えるのも面倒なくらいいる。


そんな姉が何故俺のベッドに潜り込んでいたのか、それは分かっているけど一応聞いておくとしよう。


「どうせ、昨日観た〝世界の本当にやばい心霊スポット巡り〟が怖かったからだろ?」

「えっ、ち、違うよ!」

「毎回そうだけどさ、怖いんだったら観なかったらいいのに」

「こ、怖くないもん!だって私はユウ君のお姉ちゃんだからね!」

「すまん、意味がわからん」


とりあえず立ち上がり、もう一度伸びをしてから部屋から出た。そして1階に降り、洗面所に向かう。


すると、洗面所には先客がいた。


腰のあたりまで伸ばした綺麗な銀髪が良く似合う、これまた信じられないほど可愛らしい美少女である。


真剣に鏡を見ていた彼女だったが、俺に気づくとぱっと笑顔になって振り向いた。


「あっ、兄さん。おはようございます」

「おはようクレハ。何してんだ?」

「いえ、その。最近少し太った気がしていたので、確かめていたといいますか········」


照れくさそうにそう言う彼女だったが、俺は彼女の胸に目を向けながら思った。


太ったのではなく、マナ姉よりも遥かに大きい胸がまた成長したのではないだろうか。


彼女はクレハ、俺の一つ年下の可愛い妹だ。


剣聖と呼ばれる母さんと同じ銀髪であり、のんびりした性格なので見ているとかなり癒される。


そして胸、母さんと同じで非常に大きい。この完璧とも言える容姿を持つクレハは当然モテモテであり、悪い男に騙されないか毎日心配だ。


「全然太ってるようには見えないけどな。兄ちゃんの目に映ってるのは、いつも通り可愛い妹の姿だぞ」

「そ、そんな、可愛いだなんて·········」


頬を赤らめながらモジモジしているクレハ。よかった、とても嬉しそうだ。


「そういや、今日は両親揃って居ないんだったな。俺が朝飯作るから、マナ姉呼んどいてくれ」

「はい、分かりました」


にこっと笑い、クレハが洗面所から出ていく。そんな彼女を見送ってから俺は顔を洗い、歯を磨いてから台所へ。


「わっ、わああ!どど、どうしようユウ君!今日朝から会議あるの忘れてた!」

「は?何やってんだよ········」

「あと10分しかないよぉ!お、怒られちゃう!」

「待て待て、落ち着け。とりあえずこれ、作ったサンドイッチな。会議が終わったら食べなよ」

「あ、ありがと!」


俺のサンドイッチを受け取り、いつの間にか着替えていたマナ姉は家から飛び出していった。


やれやれ、ほんと馬鹿だよなぁ。


そんなことを思いながら、俺はクレハの分の朝食と昼食用のお弁当をささっと作り、二人で朝食を食べてから家を出る。


「やっべえ、遅刻だ!」


声が聞こえたのは真上から。


顔を上に向ければ、箒に跨った男性が猛スピードで空を飛んでいくのが見えた。


「わあ、それ凄いね」

「火の魔法さ。まだコントロールは難しいけど、花の形とかなら変形させることができるんだ」


向こうでは、制服姿のカップルが歩いている。男の方が手のひらの上に小さな火球を浮かべてみせ、それを見て彼女の方は目を輝かせていた。


「兄さん、お待たせしました」


そんな人達を眺めていると、先程のカップルと同じ制服を着たクレハが外に出てきた。


まあ、俺も同じ制服を着てるけども。


「兄さんと同じ制服を着て登校できるなんて、夢みたいです」

「はは、嬉しいことを言ってくれるなぁ」


そう、俺達は学生だ。


俺は今日から二年生になり、クレハはついこの間入学したばかりの新入生。


しかし制服姿のクレハはかなり注目を集めており、ただ道を歩いているだけで男性達の視線を釘付けにしていた。


本人は向けられる視線に全く気づいておらず、のんびりと俺の隣を歩いている。おかげで兄だというのに嫉妬の視線が様々な方向から俺に突き刺さり、割と疲れているというのは言わないでおこう。


「到着だな」

「兄さんとの学園生活、とても楽しみです」

「俺はクレハが変態学生共に変なことをされないか、心配でしょうがないよ········」


さて、俺達はとある学園に通っている。


この世界には〝魔法〟と呼ばれる不思議な力が存在しており、誰もが体内に宿している〝魔力〟を消費することで魔法は使用可能となる。


火を操ったり風を発生させたり、水を凍らせたり雷を落としたり。


様々な種類がある魔法だけど、やはり人々には魔法の扱い方を学ぶ場所が必要である。


それがこの場所。


俺達が住むオーデムという街に建てられた、魔法を学ぶための〝オーデム魔法学園〟だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ