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バトルステーツ・オンライン〜若き番のゲーマー、世界へ羽ばたく〜  作者: 騎士誠一郎
若き能ある番のふくろうよ、その爪を隠して頂を目指せ
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EP31 なにわ人情ふくろう時雨 最終楽章

決勝戦の激闘が続く中、フォーミンときりかの東西文化トークに思わず会場が大爆笑!?

迫る試合終了のカウントダウン、果たして栄光のランウェイは誰が歩くのか!?

「――どうやら、もう時間がないみたいだな」


ヨシとが口元を歪めて笑う。

その目には、迷いのない炎が宿っていた。


「ほんなら、次の一撃で――ケリつけるで!」


両チーム、同時にMAVアタックの詠唱を開始。


「両者、同時詠唱ッ!? まさかのWアタック発動だぁーっ!!」

レイナの実況が響く。ジョージも息を呑む。


「疾風迅雷――天下御免!!」

「天を裂け、稲光!!」


稲毛アウルズの詠唱が雷鳴を呼ぶ。

対するキタのおかんは豪快に叫んだ。


「ガシャの中身は運命や! ――外れたら地獄、当たれば天国!!」


両チーム、発動――!!


雷霆弩弓ケラヴノス!!」

「ガシャボックス・ガトリング――五月雨撃ち!!」


一発必中の雷弓と、超連射の弾幕。

光と音の奔流が、アリーナを白く塗りつぶす。


「フォーミン!」

「わかってる!」


二人の息は完璧に重なった。

SPゲージが赤く点滅する中、最後の力を振り絞る。


「枯れるまで撃ちまくれッ!!」

「出し惜しみなしやぁぁぁ!!」


轟音が響く。

雷と銃撃が交差し、衝撃波で観客席が震えた。


――そして。


「両チーム……動かない!? これは……!」


静寂ののち、ジョージが叫んだ。

「HP、SP共にゼロ! 両者、引き分けッ!!」


観客がどよめく。

レイナが慌ててタブレットを操作する。


「ルールにより、サドンデスマッチに移行します!」


その瞬間、アバターの胸に赤いターゲットマークが浮かんだ。

――一撃入れた方が勝利。運命の一撃戦。


「行くよ、ヨシとくん!」

「任せろ、フォーミン!」


再び、光の戦場が動き出す。


「スキル――ガイアウォール!」

ヨシとを守るフォーミンの防御壁。


「させへんわ! ディスオーダー!!」

きりかがバフを解除し、光の盾を砕く。


「ちっ、対策済みね!」


フォーミンは口元で小さく何かを呟いた。

ヨシとは、その唇を読み取る。――「任せた」。


次の瞬間、フォーミンは動きを止めた。


「なに? 相方が固まったで!?」

「チャンスや! 仕留めるで!」


たまもときりかが突撃。

しかし――


「かかったわね」


フォーミンの口角が上がる。


ドンッ!!


光の矢が、たまものターゲットを正確に貫いた。


「試合終了ぉぉぉ!!」

レイナが絶叫する。


「勝者――稲毛アウルズ!!!」


会場が揺れるほどの歓声。

フォーミンの作戦は、敵を欺くための“自己犠牲のフェイク”。

――仲間を信じた勝利だった。


「まさに戦略的勝利! 兵法の極みですね!」

ジョージの声が響き、光の粒が二人を包む。



---


「優勝おめでとうございますー!!」

「賞品はなんと、世界最高級ホテル《オハナ・リゾート・アライアンス》のスイート宿泊券&往復航空券!!」


「マジかっ!? ハワイだぞ、ハワイ!!」

「うそっ、夢みたい!!」


ヨシととフォーミンは抱き合って喜ぶ。


――が。


「浮かれるのはええけどな、」

たまもが腕を組んで笑う。

「勝っても、負けても、人間の値打ちは“楽しむ心”や」


「せや、金も肩書きも飾りや。笑えるやつが、ほんまに強い」

きりかも笑顔を見せた。


その言葉に、ヨシとはふっと息を漏らした。

(強さって……こういうこと、なのかもな)



---


そして二日後。


東京・池袋。

「優勝記念ランチ、だね!」

美浦が笑顔で言う。

「優勝賞金で焼肉とか、最高だな」


――しかし、その店の奥の席で、

新たな陰謀が蠢き始めていた。


「TGBMGC解体計画、最終段階に入りました」

不気味な笑みを浮かべる人影――かずおたち評議連合幹部たち。


彼らのグラスに映る炎が、ゆらりと揺れた。


(闇は、まだ終わらない――)

次回は、次の物語へ向けて大きく動きます!

学校ものと言ったら、社会人になるための「あれ」ですよね?

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