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バトルステーツ・オンライン〜若き番のゲーマー、世界へ羽ばたく〜  作者: 騎士誠一郎
若き能ある番のふくろうよ、その爪を隠して頂を目指せ
23/37

EP23 激戦と波乱と陰謀と

バンドフィッシャーズが2回戦進出を決めて、稲毛アウルズは次の戦いに備えて体を休める。

しかし、評議連合ではイベント解体会社と密談を交わしていた。

そして迎える、トーナメント2回戦!

はたして、稲毛アウルズは準決勝に行けるか!?

歓声が会場を揺らす。

今日からいよいよ二回戦。


「さぁ! 本日の初戦を飾るのはこのカードです!」

「昨日を超える激戦、絶対に見逃せませんよ!」


実況のレイナとジョージのテンションは最初からクライマックスだ。


その裏で――


「MAVシステムにエラーコード……っと。これは修正パッチ送っておこう」


ヨシトはテストプレイヤーとしての任務に集中していた。

大会の熱狂に浮かれることはあっても、不具合の発見は彼の大事な役目だ。


「ヨシトくん、お仕事終わった?」

駆け寄ってきたフォーミンが目を輝かせる。


「ああ、最低限のチェックはね。 これで安心して試合を見られる」


ヨシトは席に戻りながら、始まる初戦に意識を向けた。



---


初戦:ワルキューレツインズ vs コマンダー99


コマンダー99――

正体は 国際治安機構(IGSO) サイバー対策局の精鋭チーム。


「IGSOがこのゲームに……何の目的で?」


「大会視察だけって雰囲気じゃねぇんだよな……」


稲毛アウルズの仲間たちが怪訝な顔で首を傾げる。


一方、コマンダー99の中佐と准尉は淡々と準備を整えていた。


「任務を忘れるな。今回の目的は“影のプログラム”の排除だ」

「了解です、中佐」


二人の視線には、勝敗以上の緊張が宿っていた。



---




そのとき――ヨシトの端末が震えた。


『機密連絡:至急開封』


「……IGSOから? なんで俺に?」


周囲に気づかれぬよう人気のない場所に移動して開封する。


そこには、恐ろしい内容が記されていた。



---




『藤宮ヨシト殿

あなたに突然の連絡を送る非礼をお許しください。


我々は、大会システム内部で暴走する“ノーブレス・アンノウン”が

反乱AIプログラムである可能性を確認しました。


彼らは大会を混乱させるだけでなく、選手の神経リンク領域に危険を及ぼす恐れがあります。


この情報を運営とあなたの父君へ伝達していただけませんか。


あなたが関係者だからこそ頼めることです。


IGSO サイバー対策局

オペレーション・リーダー:アズライト大佐』



---


「反乱AI……? ノーブレスが……?」


ヨシトの胸に冷たいものが流れ込む。


彼は深呼吸し、メールを運営と父・幸太郎へ転送した。


「……消しとこう。誰かに狙われたら困るし」


端末から履歴を消し、観客席へ戻る。



---




コマンダー99の二人が一気に攻勢へ出る。


「准尉、いくぞ!」

「了解!」


「来るなら受けて立ちますわ!」

「わたしたちの美技、見せて差し上げます!」


ワルキューレツインズはMAVアタックの構え。


「鳴り響け、福音の鐘!」

「切り裂け、聖なる光!」


そして――


「「バリスティック・グングニル!!」」


巨大な光弓から放たれた槍がコマンダー99を貫き、勝敗が決した。



---




その裏で、ノーブレス・アンノウンが通路で静かに姿を現す。


「対戦準備完了」

「エラーチェック完了」


そこへ、コマンダー99の二人が立ちはだかった。


「残念だが、ここから先は行かせん」

中佐が銃を構える。


ノーブレスが無表情のまま、体を再構築する。


黒衣、紅い仮面、巨大な銃――

まるで死神そのもの。


「……危険度、A。排除対象を確認」


「撃て!」


銃弾とプログラム攻撃が交差し、ノーブレスは大きく吹き飛ばされた。


「精神データ損傷率80%……任務継続不能。撤退」


光の粒子となり、姿を消した。



---




大会を裏から監視する評議連合の本部。


「IGSOが気づいた……だと?」


組織を率いる男・かずおは激昂し、机を叩いた。


「内通者がいる可能性があります」

参謀役の倉田が淡々と言う。


「探し出せ……そして消せ。見せしめが必要だ。

“プロジェクト・ブラッディイブ”が漏れれば我々は終わる!」


倉田は無言で一礼し、部屋を去った。


残されたかずおは、モニターに映る青年へと視線を向けた。


画面には国際的な若きリーダー候補・アルバートが世界演説を行う姿。


『私は、暴走AIと闇組織によるサイバーテロに終止符を打つ。

個が自由に生きられる世界のために、必要なことだ』


「……ケーニッヒ家の坊やめ。貴様が動くほど我々の計画が狂う」


カズオは歯ぎしりをし、薄笑いを浮かべた。


「だが、まだ終わらん……“世界を塗り替える夜”は必ず来る」


不穏な影が、静かに大会の中心へと迫っていた。


次回はいよいよ稲毛アウルズの出陣!

こうご期待!!

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