第16話 ~ 真相 1 ~
《登場人物》
デリック・フォックス X市警 警部補
アラン ・・・30代、数学教師
ビル ・・・50代、弁護士
キャサリン・・・30代、デザイナー
エリカ ・・・20代、大学生
フランク ・・・40代、医者
ハリー ・・・70代、元軍人
イザベラ ・・・30代、国語教師
ジェームズ・・・30代、新聞記者
ケリー ・・・30代、女優
ジェラルド・・・60代、ホテルジャッカル支配人
ローラ ・・・60代、ホテルジャッカルシェフ
夜11時・・・303号室、デリックの部屋・・・
デリックは、今日の出来事から疲れて、ベッドで大きな寝息を立てて寝ていた。
深夜12時・・・303号室、デリックの部屋・・・
デリックの部屋に一人の人物が近づく。その人物は黒いパーカーを付けて、誰からも正体が見破られないようにしていた。デリックの部屋である303号室
人物はデリックの部屋のドアをもう一本のマスターキーで開いた。デリックの部屋は、照明が切られて一面暗い状態で部屋をよく見えることはできず静かだった。ただ、奥のベッドルームのベッドに膨らみがあることは確認できた。人物は、音を立てずにゆっくりとベッドルームに足を進めた。ベッドの目の前に止まり、膨らみを確認し、自分の服に隠していた。ナイフを取り出した。ゆっくり上半身の部分にナイフの先端の標準を合わせる。
ゆっくり・・・ゆっくり・・・と両手でナイフを持ち振り上げ、上半身にめがけてナイフ突き刺した。何度も、何度も突き刺した。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ」
悲鳴と同時にベッドルームのデリックの部屋の照明がついた。人物は、ナイフを握る力を緩めて、辺りを見渡した。
「そこまでだ! 殺人犯め! ナイフから離れてもらおうか」
その声は、後ろから聞こえてくる。人物は後ろを振り向いた。そこには、元気なデリックの姿があった。ホテル専用狩猟用のライフルを人物に構えている。
人物が刺したのは、毛布等を人間みたいに丸くくるめて、紐で縛って人間の体のようにしていた。
デリックは、人物の正体を知った時、ため息をついた。
「やっぱりあんただったのか・・・エリカさん」
人物は、被っていたパーカーのフードを外し、完全な姿を見せた。黒い髪が、窓から入って来る風によりなびいた。日系女性外国人特有の黄色の皮膚に首のところに手術痕があった。
エリカは、ベッドから離れて立った。エリカは黙り込む。
デリックは、銃を構えながらエリカを見つめた。
エリカは口を開いた。
「バレてしまいましたね。デリックさん。どうして私だと?」
デリックは、エリカの問いに答えた。
「キャサリンが死んだ時、君は、頭が痛いからと言って、部屋に戻っただろう。その時に君は廊下へと向かっていったその後だよ。丁度、俺とアラン夫妻、そしてフランクは、ブルーシートを取りに南館の建設現場に、ジェラルドはスタッフルーム、ローラは厨房、ケリーは自分の部屋へ戻って行った。あんたは、俺達より先に部屋へと戻ったふりをして、時間を待ち、バルコニーに誰もいなくなった時にあんたは戻り、キャサリンの遺体からキャサリンの部屋の鍵を取った。そしてその部屋の鍵をあらかじめ開けておき、そして、ハリーさんに、部屋に入れてくれと誘いをかけた。そして睡眠薬入りのウィスキーを飲ませて眠らせ、そのまま自分の持っていたナイフで刺殺した・・・・・・」
エリカは、デリックの推理についてとぼける。
「どういうことですか? 私は何もしていません・・・あの日はそのまま部屋に戻りましたが・・・」
デリックは、その答えを聞きながらも推理を続ける。
「いや、君は鍵を持っていた。そしてハリーを殺している。何よりの証拠は、そのスニーカーだよ」
「えっ・・・?」
「どうやら君は気づいてないようだな・・・そのスニーカーの裏に、黒い跡があるはずだ。その黒い跡は、血液が黒く変色した後だよ」
「そ、それが、なんの証拠だと言うのですか?」
「じゃあ、この写真を見てもらおう」
その写真は、ハリーの部屋のベランダの写真であった。その写真には、ベランダの転落防止の手すりの部分に黒い跡があった。靴の跡が見えた。
デリックは写真をエリカに渡してから話を続けた。
「その写真の靴跡が分かるだろう。その靴跡は、スニーカーだよ。スニーカーをつけた人は、君だけだからね・・・その靴跡と靴を調べるから靴を見せてもらってもいいか?」
広い部屋の中、沈黙が続く・・・
「ふぅ、もう終わりにしましょう。そうです。私がこの事件を起こした人間。二人目のジョン・ドゥです。全てを話しましょう」
エリカは、そう言い、事件の全容を語り始めた・・・
FOX 第16話でございます。 物語も終りへと向かっていきます。
今回は、真相編 1です。
話は続きます。
下手くそが書きました。
超展開になる事をお許しください。
誤字脱字がございましたら、指摘もよろしくお願いします。
この作品を読んで頂いている方、本当ありがとうございます。
拙い表現や会話文かもしれませんが、大目にみてもらえると嬉しいです。
話はまだまだ続きます。




