第15話
《登場人物》
デリック・フォックス X市警 警部補
アラン ・・・30代、数学教師
エリカ ・・・20代、大学生
フランク ・・・40代、医者
イザベラ ・・・30代、国語教師
ケリー ・・・30代、女優
ジェラルド・・・60代、ホテルジャッカル支配人
ローラ ・・・60代、ホテルジャッカルシェフ
《死亡者》
ビル ・・・50代、弁護士
キャサリン・・・30代、デザイナー
ハリー ・・・70代、元軍人
ジェームズ・・・30代、新聞記者
午後7時、ホテルジャッカル西館バルコニー
フランクは、デリックの言われたとおりにモニター達と二人のホテルスタッフをバルコニーの方に呼び出した。ケリーは、呼ばれた事に腹を立て、フランクに詰め寄って責める。
「ちょっとどういうこと? 何で私たちがここに呼ばれなくちゃいけないわけ? 冗談もいい加減にしてよ!」
フランクは、ケリーを落ち着かせながら事の説明を行なった。
「まぁまぁ、落ち着いてくれ。どうして皆を集めたのかは、彼が説明してくれるだろうから・・・」
そう説明している間に、デリックがバルコニーに現れ、フランクはデリックがやってきた事に安堵した。そのまま、フランクはデリックに話しかける。
「おい、デリック、探したんだぞ! 今までどこに行っていたんだ?」
「ああ、すまない ちょっとした野暮用だよ。でもって全員来たんだな」
フランクは、答えた。
「ああ、全員いるぞ。話したい事があるんだろ?」
デリックはフランクの問いに淡々と答えた。
「ああ、全員が聞いたら驚く真実だがな・・・まさか、あいつが犯人だとはね」
アランは、フランクとデリックの話を聞いて驚愕してしまう。
「えっ!? 犯人が分かったんですか?」
「ええ、まぁ、でもあくまで推測だがな・・・」
デリックは、ボソッとアランに答えた。アランは、デリックに迫る。
「誰が、犯人なのか、教えてくれよ! 一体、誰がこんな惨劇を起こしたのか。さぁ、誰なんです?」
イザベラもケリーもデリックに迫った。
「誰なんですか? 教えてください」
「・・・・・・悪いが、それは、教えられない」
「えっ・・・?」
デリックは回答を拒否する。デリックの態度に、アランは呆然としながらも理由を聞こうとした。
「ちょっと待ってくれ。犯人は分かったんだろう? なんで教えてくれないんだ?」
デリックは黙り込むが、アランはデリックの胸ぐらを掴みかかり、デリックに再び迫る。
「そんな、何故、黙っておくんだ? どうしてだ? 教えてくれよ? 犯人は一体?」
「悪いが、俺が犯人の正体を明かしたら、俺も命が危ないのでね。この旅行もあと一日だ・・・自分の家に戻った時に教えてやるよ」
アランは、胸ぐらを解き、ソファーに座り込んだ。
「誰か助けにこないのか? ジェラルド?」
ジェラルドは、首を横に振って、アランの質問に答えた。
「申し訳ございませんが、アラン様、次の食料補給が来るまで、あと2日待っていただかなければなりません。補給機が来たら、助かる事ができますが・・・・・・」
「それまで、待てと? ふざけるな! どうしろと言うんだ・・・デリックさっさと言ってくれ。犯人は誰なんだ?」
デリックは、ある一枚の写真をソファーの前の机に置く。その写真は、ジェームズのファイルに挟まれていた写真であった。
アランとイザベラは、すぐに写真を手に取り写真に写っている人間を凝視する。デリックは、アランに言った。
「その写真の中に犯人がいるよ。ならば、補給機が来た時に犯人について教えてやるよ。俺は、部屋に戻るよ」
ケリーがデリックが部屋に戻ろうとする所を止めた。
「ちょっと待ってよ。それだけの為に私達を呼んだの? 他に何かあるんじゃないの? もしあるならそれを教えてよ」
エリカもデリックに詰め寄った。
「待ってください。デリックさん・・・犯人が誰か分かっているのに、どうしてですか? 今、言えば自分もそして皆も安心するじゃないですか?」
ケリーも続けた。
「こんな時にふざけてるの?」
「ふざけてないさ。そうそう言うのを忘れてた。寝る時は、入口の鍵を閉めたほうがいいと思うぞ。じゃ、お休み・・・・・・」
デリックは、ただただ、デリックを見る事しかできない状態でいるモニター達の視線からそらして自分の部屋へと戻って行く為に東館とつなぐ廊下を歩いて行った。
フランクは、デリックの後を急いで追い掛けて行き、デリックを止めた。
「おい! デリックどういう事だよ。さっき、言ってた事と全く違うじゃないか!」
デリックは、フランクの方に振り向き、フランクに冷静な面持ちを構えながら答えた。
「ああ、そうだな。それがどうしたんだ?」
「それがどうした・・・だって? ふざけるな! お前がそもそも、いい案があるって持ちかけてきたんだろう? それが、あれとは話が違うにも程があるぞ!」
「いや、これでやつが動くかもしれないからな。揺さぶりには十分さ」
デリックは、再び自分の部屋に戻ろうとするが、フランクの拳がデリックの顔に直撃した。デリックは、拳が顔にぶつかったと同時に後ずさりした。右の鼻穴から、タラタラと赤い鮮血が流れる。
鼻に激痛が走ったのを知り、デリックはゆっくりと左手で鼻をふくと、左手には、赤く綺麗な血がついていた。
「フランク、お前、やりやがったな・・・」
「ふざけるな! お前がやった事は単なるいたずらの一つだ。殺人鬼がいるこの島の中で、俺たちを不安に陥れたんだ!」
「・・・・・・分かった。俺が悪かったと思っているさ。だけど、気が乗らなくてな・・・すまないが、当分の間は一人にさせてくれ」
デリックは、フランクとの会話を強制的に終わらせて、自分の部屋がある東館の廊下へと向かって行く。
「おい、デリック。話は終わってないぞ! おい!」
フランクは再び、デリックを大声で呼び叫んだが、こっちに視線を向けずただただ東館へとデリックは、足を向けて移動するだけだった・・・
第15話です。
下手くそです。超展開になる事はお許しください。
読んでいただけたら幸いです。
基本もできていないかもしれません。それにつきましてはすいませんでした。
「ここはこうしたらいいのでは?」や「もう少し表現を変えてみては?」など、感想や批評をいただけたら幸いです。
宜しくお願いします。
話は続きます。




