第48話 ドキドキの遊園地!!
「遊園地なんて久しぶりだな」
遊園地の入口で待ち合わせという事で俺は一人待つ。先程メッセージを送ったところ、竹之内さんと溝口の二人は竹之内さんの家の車で来るという。スマホの時間を見ると集合時間近くなっている。
「あ、しゅ〜ん!!」
「峻君、おはようございます」
声の方向を見ると竹之内さんと溝口が俺に対して手を振りながら駆け寄ってくる。俺も手を振って待つ。
「すみません。お待たせしちゃいました?」
「いや、俺も来たばかりだから大丈夫」
ここで俺は二人の姿を見る。そういえば私服姿を見るのが初めてで緊張するな。
竹之内さんは白いシャツに黒のロングスカートでお上品なイメージそのままという感じ。溝口はジージャンに白のパンツという感じでおしゃれだ。そういう俺はパーカーにジーンズという、近所に出かけるような格好なのでいたたまれない。
「ていうかさ〜、私達に言う事あるんじゃないの?」
「そういえば、今日の私達どうですか?」
二人は俺の顔をジッと見つめて俺の返事を待つ。これ、もしかして今日の私達を褒めろっていうやつか……。童貞の俺がそんな事出来るかと思う。ていうか二人の顔よく見ると化粧をしているのか更に美人に見える。
「かっ、かわゆいとおもいます」
「ぷっ、めっちゃ噛んでるじゃん」
「ふふっ、笑っては可哀想ですよ」
俺が緊張して噛み噛みで言ったのが二人のツボに入ったのか、クスクスと笑われる。マジで二度と言わんからな……。俺が歯ぎしりをしていると溝口は俺の肩にポンと手を置いた。
「ふふっ、ありがと。嬉しいよ」
「お、おう」
溝口が素直にお礼を言うのが意外でビックリしてしまった。何か顔が熱くなるのを感じる。俺は慌てて顔を逸らす。こんな所を見られたらまたイジられる。
「む〜、それじゃ行きますよ」
「う、うん」
竹之内さんは俺の腕を引っ張って入口までズンズンと進んでいく。溝口はそれを見て慌てて走って来る。竹之内さんいきなりどうしたんだ?
「竹之内さんどこ向かってるの?」
「そ、そういえばそうでした」
入口を抜けた所で竹之内さんはぱっと手を離して立ち止まる。何処行くか決まって無かったのに歩き出したんかい。そして俺達が立ち止まっている間に溝口が追いついた。俺は辺りを見渡すと入口の柱付近に館内マップが置いてあるのを見つける。
「あそこに地図あるから持ってくるよ」
俺は館内マップを三つ取って二人の元に戻って、二人にマップを手渡す。マップを見るとジェットコースターや観覧車、空中ブランコ、お化け屋敷など数多くのアトラクションがあるのが分かる。
「フッフッフッ、こういう時は全アトラクション制覇でしょ」
溝口は腕を組んで偉そうに提案する。出た〜、遊園地来たら全アトラクション乗りたいっていうやついるよな。
「それは良いと思うのですが、どれから行きましょう?」
「手前から奥に順番に乗れば良いんじゃない?」
「いや、こういうのは人気あるのを昼の時間とかにした方が良いぞ」
俺の提案を聞いて溝口は俺の方を見る。何故か説明しろってか。
「人気があるのは当然並ぶだろ。で十二時くらいになると昼休憩する人が多いから列が少なくなりやすいんだよ」
溝口は「なるほど……」と呟く。まあ、正直遊びなんだし好きな乗り物行けばという感じではあるのだが。
「それにお化け屋敷はやはり夜に行った方がテンション上がりますよね!!」
「え、竹之内さん、お化けとか得意なの?」
「はい!!夏のお化け特番など何度も見てしまいます!!」
竹之内さんは満面の笑みで語る。意外だ。竹之内さんそういうの大好きなんだ……。俺も正直得意って感じではないので俺と溝口は竹之内さんの後ろをついていく感じになりそうだな。
「へ、へ〜、まあそれは後で良いんじゃない」
溝口、怖いのかすぐ話を逸らそうとしたな。怖いの苦手っぽいし、後でからかってやろっと。
「じゃあ、取り敢えず近くのジェットコースター行くか。ここでずっと作戦会議するより並びながら話した方が良いだろう」
「分かりました」
という事で近くのジェットコースターの列に並ぶ。まだ開園したばかりなので人も多くないし数分で乗れそうだ。
「そういえば、今日遊園地に行こうってなったの何でなんだ?」
俺はずっと気になっていた事を尋ねる。確か、二人で遊園地に行くって話になってそれから俺を強制参加にするって流れだったよな。
「う〜ん、溝口さんどうします?」
「まだ早いから駄目だよ」
いや、何が駄目なんだよ。それを教えて欲しいんだが。まあ、その口ぶりなら後から教えてくれるみたいだが。でも何でだろう。その理由は俺達の関係を変える程の何かではないのかとふと思ってしまった。
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