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第18話 戦いは尚続く

ハッピーバレンタインデー!

コスプレイベント二日目です!

お楽しみに!

初日に俺達が優勝して、夏美先輩が大騒ぎしたプチ祝勝会から一夜明け、コスプレイベントは二日目に突入した。このイベントは毎年ゴールデンウイークの最初と二日目に渡って行われている。つまり今日はイベントの最終日だった。しかし、レイヤー参加型のイベントは勿論、また別のゲストを招いてライブやトークショーを行う。そして、この日のイベントの参加者が先輩たちと春菜ちゃんだった。悪酔いして二日酔いで起きられるか心配だった夏美先輩はケロリとした表情で普通に起きてきたので不戦敗にならなくて良かった。健介先輩は少しつかれた表情をしているが、多分大丈夫だろう。そんな俺達は昨日と同じくやすらぎの森にある特設会場にいた。

「皆さんおはようございます!今日は最終日の二日目です!最後まで楽しんでいきましょう!」

ステージ上でMCのお兄さんが昨日にも増してハイテンションで司会進行をしていた。そしてスクリーンにて次のプログラムが映し出される。

「さぁ、まずはこのイベントからスタートです!『コスプレだらけの障害物リレー対決!』参加者の方は裏の受付までお越しください!」

そして、また次のイベントが開幕するのだった。


「健介先輩、夏美先輩、春菜ちゃん!頑張って下さい!」

「森くんありがとう。」

「ああ、頑張るよ!って言いたいけど、まだ昨日の疲れが残ってるから心配だよ、俺!」

ご機嫌の夏美先輩に対し、健介先輩は少しテンションが低かった。俺達は今、受付を済ませた先輩達と障害物リレーの特設会場にいる。そんな二人の先輩は健介先輩がスラムダンクの桜木花道、夏美先輩がラブライブ!の東條希だった。

「拓人先輩。私、運動あまり得意ではないですけど、応援して下さい!」

「大丈夫だよ春菜ちゃん!楽しくやることだけを考えな!」

心配そうな春菜ちゃんに、俺は慰めの言葉をかける。こういう時は前向きに行かなきゃな!ちなみに春菜ちゃんのコスプレは響け!ユーフォニアムの黄前久美子だ。

「それでは、準備ができた方は会場に入って下さーい!」

スタッフのお姉さんが参加者に呼びかけ、先輩達は会場に、俺達は応援ブースヘ移動した。

「タクト、あの三人で本当に大丈夫なの?」

セーラームーンの月野うさぎのコスプレをしたステイシーが俺に聞いてくる。

「心配ないだろ。障害物競走は足の速さはあまり関係ない!集中力の問題だ!」

俺も昔の運動会の障害物競争に出たことあるからつくづくそう思う。

「幼稚園の時にやった子供会主催の運動会を思い出すわね!タクちゃん!」

「お前、パン食い競争で本当にパンを食いながらゴールして失格になったの覚えているか?」

「ちょ…!それ言わないでよ!仕方ないじゃない!食べ切ってゴールしちゃいけないなんて知らなかったし!」

涼宮ハルヒのコスプレをした寶藍が顔を真っ赤にして俺に詰め寄ってきた。因みに俺はガンダムSEEDのキラ・ヤマトだ。

「とりあえず、この競技に出るのが某達でなくて良かったでござる!」

「「うんうん!」」

巨人の星の左門豊作のコスプレをした幹夫の言葉に桜蘭ホスト部の常陸院光、馨のコスプレをした双子が頷く。そういえば幹夫は運動神経悪かったもんな。走るとすぐに息切れするし。双子も運動苦手だったか。走行しているうちに参加者たちが入場し、障害物リレーが始まろうとしていた。

「それでは、第一走者の方、準備はいいですか?」

MCのお兄さんの言葉に続き、第一走者がスタートラインに立つ。うちの第一走者は夏美先輩だ。

「それでは行きますよ!よ~い…どん!」

お兄さんの言葉で走者は一斉にスタート。この障害物リレーは特設ステージがある場所から道を挟んで隣にある広場で行われている。出てくる障害は平均台、ネット潜り、ぐるぐるバット、袋ジャンプ、借り物競走と至ってシンプルなのだが…。

「おーっと、平均台で早くも失敗者続出!やはりコスプレでリレーとは難しいのか!」

そう、運動着ではなくコスプレで走らなきゃいけないので、コスプレの種類によってはとても動きにくい。特に飾りが多い物ではネット潜りの時に引っかかり、遅れを取る人も多いのだ。因みに平均台で失敗すると、最初からやり直しになる。夏美先輩は平均台は普通にクリアしたが、ネット潜りの時に、かつらが外れるハプニングがあった。グルグルバットでは少しフラつき、借り物競走では何故か真っ赤なジャケットを持って次のランナーの春菜ちゃんにバトンタッチした。お題は何だったんだろう?

「よーし、行けぇ春菜ちゃん!」

2位でゴールした夏美先輩の後を任された春菜ちゃんは平均台、ネット潜りも失敗せずクリアしたが…。

「なんか。」

「遅いような…。」

春菜ちゃんは失敗しないよう慎重に行こうとした分、平均台、ネット潜りで少し遅れを取ってしまった。袋ジャンプは普通にクリアし、借り物競走でライフルを持ってゴールしたが、4位に後退してしまった。そしてアンカーの健介先輩にバトンタッチした。

「先輩頑張れー!」

「健介先輩、意地を見せるでござる!」

俺と幹夫の必死の呼び掛けが届いたのか、健介先輩は快調なスタートを切った。平均台はすぐに落ちてしまったが、二回目はなんと駆け抜けて突破し、ネット潜りはあっという間に通り抜け、グルグルバットでフラついたにも関わらず、袋ジャンプでは前を走っていた二人を抜き、2位に躍り出た。そして問題の借り物競走。一位を走っていた走者の借り物がなかなか見つからないようなのでチャンスだと思った。一位走者がでかいステッキを借りたのと同時に、健介先輩も剣を持ってゴールを目指す。そして二人はデッドヒートを繰り広げたが…。

「ゴール!一位はチーム横浜、二位は西東京国際大学です!」

残念ながら一位にはなれなかったが、それでもよく頑張ったと思う。他のアンカーも続々とゴールし、無事にこの障害物リレーは終了した。

「皆様!ナイスランでした!今回もこのプログラムを盛り上げてくれてありがとうございます!そして、応援ブースの皆様!素晴らしい走りを見せてくれた皆様に拍手をお願いします!」

お兄さんの言葉に、ブースからは拍手と歓声が湧き上がった。そして、出場者達はそれらに迎えられて退場していったが、その中から満面の笑みを浮かべながら退場する健介先輩、夏美先輩、春菜ちゃん達の姿が見えたのだった。

こんにちは!

インフルエンザに気をつけながら毎日過ごしています!

いよいよコスプレイベントも完結編です。

長いよって思った人もいるかもしれませんが…。

とにかく次回も頑張りますので宜しくお願いします!

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