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久々の青騎士

「当たり前田のクラッカーってね」

「マエダ?クラッカー?何だいそれは」

「……気にしないで下さい」


しまったぁ、異世界じゃぁネタが分かんないよねぇ。

ここに来てまさか地雷を踏み抜くとは…


「わ、分かったよ」


ギルドマスターが、冷や汗を掻きながら頷いた。


「それじゃあ、そう言う事で。フェルちゃん、一旦小鹿亭に戻ってから、再出撃しよ」

「ほぇ?分かりましたぁぁ」

「それから、次もノンナさん達来ます?」


取り敢えず、さっきみたいについて来るかだけ聞いてみる。

ついて来るかで、戦闘のスタイルを変える必要があるからだ。

仲間がいる状態で、本気を出す訳にもいかないし、第一下手に魔法を使って、私が前回の【昼夜逆転事件】の犯人って事もバレたく無いと言うのもある。


「今回はパスしておくわ。私が居ても、かえって邪魔になりそうだわ。それに、ギルドマスターでは、これ以上冒険者達を抑えきれないでしょうしね」


だそうです。

こちらにとっては好都合ですな。

これで、ある程度は無茶出来るかなぁ。

ジャリボーイは…まぁ頑張ってたんじゃない?


「分かりました。ではでは皆さんさようなら~」


冒険者達の視線を全身に浴びながら、ノンナさん達に手を振って外に出た。

外に出て直ぐに、ギルド内が騒がしくなって、怒号と罵声の喧騒と共に、人が宙を舞う音が聞こえた。

敢えて振り向かなかった。


「ふぇぇぇぇ、また戦場に行くんですかぁ?ボクさっきのが初陣だったんですけどぉ…」

「まぁ、そう言う事もあるよ…」

「なんでそこで、遠い眼をするんですかぁぁ…」


あれは今から36万…いや、1万4千年前だったか…(以下略

とにかく、私も昔色々有ったのさ。


風鳴り街道を真っ直ぐ歩き、小鹿亭に向かう。

まだ住民達は、付近にまで諸王国連合軍の大軍が迫ってきているなんて、夢にも思って無いので、暢気に買い物やお喋りをしている。きっと今から知ってしまうと、大混乱に陥って軍を展開出来なくなるから、まだ知らせないで守備軍を先に展開してから、避難させるつもりなのだろう。

まぁ、さっさと帰るに越した事は無い。


向こう側に、小さく小鹿亭の姿が見えて来た。

少し歩みが速まる。


デュフフフ、汗掻いたからってお風呂に誘い、そこでフェルちゃんをムフフすると言う計画…完璧だ!

私ながら素晴らしい出来映えに、惚れ惚れするなぁ。


「グフグフグフ…」

「ふぇぇぇん!なんか急に笑い始めましたぁぁ!」


ザクとは違うのだよ!ザクとはっ!!

ハッ、いかんいかん。

笑いが駄々漏れになってしまった。


小鹿亭にたどり着き、開きっぱなしの戸口から、酒場になっている一階に入る。

やはり、何時もいる冒険者達の姿だけ無い。


「ユリアさん、ただいまです」

「あら、お帰りなさい。お昼ご飯に帰って来たの?」

「まぁ、そんな感じですかねぇ」


そう、とにこやかに笑い、カウンターから部屋の鍵を取り出して、それを手渡された。


くっ、笑顔が眩しすぐる…

落ち着け、深呼吸をするんだ…!

スーハースーハー

クンカクンカ、花の香りがする…


「まだ二人は帰って来て無いんですか?」

「そうねぇ、まだ帰って来てないわ。そうそう、ご飯は部屋に持って行こうかしら?それとも酒場で食べる?」

「悪いんで、ここで食べますよ。あ、それとまたお風呂場借りますね」

「分かったわ~。はい、じゃあお風呂場の鍵も渡しておくわね」

「どうもです」


ユリアさんからお風呂場の鍵も受け取り、逆にお昼ご飯代二人分を手渡して、一旦ユリアさんと別れた。

階段を上がり、借りている部屋の扉に鍵を刺して回す。

カチリと音がして鍵が外れたので、ドアノブを回して中に入る。

ユリアさんが言っていた通り、まだ二人共帰って来ていなかった。


一旦全体、二人共どこに行ったんだろ。

まぁ、言ってもまだお昼だからなぁ。

リーラちゃんは、可愛いけどしっかりしてるから、あまり心配は要らないんだけど、問題は青騎士なんだよね。

アイツは当て馬属性を持ってるから、どこぞでアクシデントに巻き込まれるか分かったもんじゃないからなぁ。

私としては、かなり心配です。


「~水の都はぁ~何時もの…なんだ帰って来てたのかよ」


調子っぱずれな歌を歌いながら、片手に何やら食材が突っ込まれている紙袋を携えて、件の青騎士が部屋に帰って来た。


ふぅ、なんとも無かったみたいだね。

てか、なんかパチンコ帰りのオッサンみたいだなぁ。

今日は結構勝ったから、日用品と食材に変えるか…みたいな。


青騎士自身がなんかだらしないからなぁ。

そんなデジャビュが見えてしまう。


「そう言や、瞳子達は何処に行ってたんだよ」


手に持っていた紙袋を机に置いてから、気持ち良さそうに伸びをしながら聞いてきた。


能天気なヤツめ。


「そう言うお前さんは何処に行って来たわけ?」

「あぁ?あ、あぁ。賭博場だよ賭博場。いやー、今日は久々に勝ってよぉ。ボロ勝ちだぜ!」


あれ?私のイメージ、あながち間違いじゃ無かったんじゃね?

どんなゲームで賭けてるか分からないけど、パチンコも賭け事には代わり無いからなぁ。

やっぱり、コイツぶれないなぁ。


「そんで、何処に行って来たんだよ」


フェルちゃんと顔を見合わせる。

既にフェルちゃんはヘルムを取っており、弱々しい眼差しで、どうするか訴え掛けて来ていた。


うーん、どうするべきなのかなぁ…

青騎士の事だから、自分も行くぜ!とか言い出しそうなんだよねぇ…

そん時はそん時で、別に構いやしないんだけどさ。

地味に強いから。


仕方無い、どうせ後で巻き込んじゃうかもしれないから、先に巻き込んでしまえ!!


「いやぁ、ちょっくら戦争してきたのよな」

「はぁ?戦争だぁ?」


何言ってんの、バカじゃねぇーの、バーカって言う顔をしてくる。

なんかとてつもなく、ぶん殴りたい気分になって来た。

ねぇ、殴って良い?

良いよね、ちょっとくらいなら。

多分首の骨が折れるくらいで済むはずだからさ。


「いやそれ死ぬだろっ!!」

「しまった!心の声が!!」

「ふぇぇぇぇん、目が本当にやりそうで怖いですぅぅぅ!?」


なんたる失態!

青騎士抹殺計画がオジャンになってしまった!


「まぁ、本当に行って来たの!戦争しに!」

「嘘つけよ!どこで戦争おっ始めんだよ!」

「すぐ王都出てそこの平原だよ!諸王国連合の連中が、大軍引き連れてやって来たから、先鋒軍を潰して来たの!」

「そんなまさ…………マジで…?」



『何それ漢字豆知識クイズー!パチパチパチ

このコーナーでは、普通使わない単語やトリビアな漢字の読み方とかを出題します!

正解しても何も無いけどね。

それでは行きます!


『女郎花』


これはなんと読むのでしょうか!

出来ればパソコンで調べるのはやめましょう。

そして、前回の答えの発表です!


『蚯蚓』と書きまして、『ミミズ』と読みます。

ミミズです。時にはコアなプレイに使用されるミミズです。実は毛が生えていたりするミミズでした。

ミミズは、環形動物門貧毛綱に属する動物の総称で、手も眼もない事から、名称は「目見えず」からメメズになり、ミミズになったとも言われいます。西日本にはミミズをメメズという所が今だにあるそうです。』

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