表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/113

ギルドマスター

「えー、落ち着いて聞いて頂きたいんですが」

「勿体振らないで早く言ってくれる?」


アナスタシアさん怖いっす…


「……フンメル王は、どうやら私の弟みたいです」

「…………は?」

「………何言ってるの?」

「ふぇぇぇ、意味が分かりませぇん…」

「…………ごめんね、もう一度お願い」


やっぱりそう言う反応帰って来ますよねぇ。

でも、みんなよりも私の方が困惑してまふ。

なんで雄輔がこの世界に来てるのか、とかさぁ。

なんで?どうして?

もう大絶賛混乱中。

誰かお助けを…


「だから、フンメル王は私の弟でした!」

「ふ「「「…えぇぇぇぇーーーー!!!!」」」」

「ですよねぇ~」


うん、良い反応なんだろうけど、なんともねぇ。

うーん…

素直に楽しめない自分がいる。


「でも、あの強さなら納得がいくわね。貴女が異世界の人間って事は初耳だけれど」


アナスタシアさんが、なんだか思案顔で呟いた。

周りのみんなも地味に同意している。


「まぁ、何にせよ一旦戻りません?」


いつの間にか、私達を取り囲んでいた兵士は何処かに消えていて、死体だけが残っていた。

どうやら、逃げ足だけは達者なようで…


「そうね、一旦ギルドに帰りましょう。…フェルとか言う娘の腰に下がってる、その首とかも何とかしなくちゃいけないし」


首級の事ですね分かります。

私も、【フランメル某の兜付き生首】をなんとかしたいしね。

端から見たら、かなりヤバい人にしか見えないぉ。

だけど、これで一気にランクアップするはず!!

生首様々だねぇ。


「それじゃあ帰りましょうか」





ギルドの中は、今にも飛び出して行きそうなオッサン達で溢れかえっていた。

汗のむせかえるような臭気の中で、金髪の一人の小さい子供?みたいな人が、何やら演説みたい事をして、なんとか抑えていた。


「諸君!何度も言うが、まだ時は早い!!我々が今先行したところで、数に物を言わせて押し潰されるだけだ!!…かと言って、我々が劣っていると、言っている訳ではない。我々が奴等に劣っている筈が無いのだ!!しかし、勝利を確実な物にする為には、満を喫してからでないといけない。だから………遅かったじゃないか!!君達!!」


かなり高いお立ち台から、こちらを確認するなり飛び降りて、トテトテ走り寄ってきた。


なんでこんなところにガキンチョが…

しかも、なにやら大衆煽動してるし。


「頑張っているようで、何よりだわ。ギルドマスター」


ぎ、ギルドマスターぁ?

このちっこいのが?

なんとまぁ。


身長はマイちゃんと同じくらいで、澄んだ金髪に中性的な顔立ち。

声も高いせいで、どっちか分かりにくいが、私の直感(ゴースト)が男と囁いている。


「まったく、君達が何処かに行ってしまうから、大変だったんだぞ!!」

「何時も部屋に引き込もって、私達に仕事丸投げしてるんだから、たまには仕事しなさい」

「……はい」


なんか、急速に萎れてしまった。

アップダウンの激しいジャリボーイだなぁ。


「それでと言っては何だけどね、その真っ白な人の腰に下がっているそれは何だね?」


ギルドマスターは、フェルちゃんの腰に下がっている首級を指差して言った。


こら、クビちょんぱになったとは言え、人に指を指してはいけませんと習わなかったのか!

…じゃなくて。

ちょっと露骨過ぎたかなぁ。

てか、剥き出しだったのすっかり忘れてたぉ…

うーん。

オッサン達もこっち見てるし、絶対説明しなきゃいけない感じだよね…


「えっと、首です」

「いや、それは見れば分かるさ。暗黒院君」


おぉ!!初めてその名前で呼ばれたぉ!!

瞳子感激ぃぃ!!

…いや、待て待て。

初対面なのに何故知ってるんだ?

なーぞ。


「僕が言いたいのはだね。それが何の首だと言う事が知りたいのさ」


やっぱり言わなきゃダメかぁ。

誤魔化しは効かないと…


「ほら、さぁさぁ…早く言ってしまった方が楽に成れるからね…」

「どこの尋問屋さんだ!!」


なんて見も蓋もないガキンチョなんだろ…

しかも、地味に魅了をかけて来る辺りが、余計いやらしい。

大魔王である、この私には全ての状態異常は効かないのだ!

ふぅっはっはっはっはっはっはっはっはぁっ!!


「ふぅっはっはっはっはっはっはっはっはぁっ!!」

「うわっ!?」


おぉ、久々な反応ktkr!

いやぁ、最近みんな冷たいんですよねぇ…


「それで?勿体振らずに教えておくれよ」

「その前にジャリボーイ。魅了光線(チャーム)止めれ」

「!?……まさか気付かれるとは思わなかったよ。分かった、今止める」


一瞬驚いた顔をしたが、すぐに悪びれの無い顔に戻り、何事も無かったかのように振る舞い出す。


コイツ…


「早く早く」

「はぁ…そこの首級は、諸王国連合フンメル軍の将校達の首」

「………は?」


もうそのネタ飽きたぉ。

一日に何度も見すぎたせいが一番デカイかなぁ。

たまにだから良いのだよ。


「戦争で武勲をあげると、ランクアップするみたいだから、適当に先鋒を壊乱させて来たわけ。で、その証拠がこの首級」

「……うぅん。良く分かったような分からないような…」


アイテムボックスから、【フランメル某の兜付き生首】を取り出して、ギルドマスターらしいガキンチョに持たせる。


「はい」

「うわぁぁ………おや?」

「それで、めぼしい将校を討伐したから、昇格させて★」


なんかみんな固まってるけど、一体どうしたと言うのかしらん。

うーん、どうやらフランメル某の首級に視線が集まっているみたいだなぁ。

そんなに珍しい物なのかなぁ。首級って。


「なぁ、あの顔って」

「あぁ。…忘れもしねぇ。あの面はフランメル・ベリヌードだ」

「まさかあのフランメルが…」


なにやらオッサン達が騒がしい。

てか、フランメル・ベリヌードって名前だったんだねぇ。

ヌードとかっw

ちょっ、小さい時に苛められそうな名前だなぁ。

在りし日のヌード少年…

なんか服着てなさそう。


「ぶふっ…クククク、ヒヒッ」

「マスターは、何を笑っているんですか?」


いかんいかん。

人の名前で笑うのは失礼だよね。

フランメルさんごめんなさい。

でも、そんなに有名な人だったのかなぁ。

急に飛び出して来たから、反射的に斬っちゃったけどさぁ。


「ねぇジャリボーイ。そのフランメルさんって有名人だったの?」

「ジャリボーイって……まぁ良い。フランメル・ベリヌードは、戦場の狼と言われた凄腕の傭兵で、彼を雇うと敗ける事が無いとまで、言われているよ」


あらま、そんな人をびっくりした表紙に両断しちゃったわけ…

あー…

まぁ…運が無かったんだよきっと…



『何それ漢字豆知識クイズー!パチパチパチ

このコーナーでは、普通使わない単語やトリビアな漢字の読み方とかを出題します!

正解しても何も無いけどね。

それでは行きます!


『山毛欅』


これはなんと読むのでしょうか!

出来ればパソコンで調べるのはやめましょう。

そして、前回の答えの発表です!


『金縷梅』と書きまして、『まんさく』と読みます。

まんさくとは、マンサク科マンサク属の落葉小高木で、早春に咲く事から、、「まず咲く」「先んず咲く」が東北地方で訛ったものとが語源とも言われています。』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ