ダンジョンへ
翌日、リリィ達はダンジョンへ入っていった。一気に10階層まで進みボス部屋の前にいる。
「コングとは前に戦った事があります。あの時はマジックモンキーも一緒でしたが勝頼とリコがいたので勝てました。今はあの時より強くなっていますので問題なく勝てると思います」
「リリィ。お前は自分の強さを理解していない。コングは所詮Bランク。今のお前の敵じゃあないさ」
ゼックスが答えた。ローラは、
「この位で苦労していたら先には進めないよ。さっさと行きましょう」
と言って勝手にボス部屋に入り戦闘を始めた。リリィ達は慌てて追いかけたがその時にはすでに先頭が始まっていた。敵はラージモンキー三匹、グレートモンキー三匹、そしてコングだ。
「そりゃ、えい、回ってキーック!」
ローラの格闘術がモンキー達を倒していく。ゼックスは剣をふるいモンキー達を切り刻んでいく。あっという間にコング一匹だけになった。
「ウィンドストーム!そしてウィンドカッター!」
リリィの風魔法がコングを襲う。竜巻で加速された風のヤイバがコングの皮膚を切り刻む。
「鬼・斬真剣」
ゼックスの剣技が炸裂し、コングは倒れた。ゼックスの持つ剣は父、ゼックスから譲り受けた鬼族の秘宝だ。オリハルコン製で魔石が嵌め込まれている。この剣で死者を操ることもできる。
コングはドロップアイテムを落とした。ミスリル製の小手と金貨だ。なんで魔物がお金を落とすのか?ダンジョンでは死んだ冒険者の装備やお金がダンジョンに吸収されて排出される仕組みだ。ローラがサクッと回収してアイテムボックスへしまった。一行は何事もなかったように11階へ向かった。
「いきなり砂漠かよ。無茶苦茶な設定だな」
「ゼックスさん。このダンジョンはラモス国のダンジョンに似ています。階層毎に岩場になったり森林になったりしました。中にはBランクやAランクの魔物がぞろぞろ出てきてお陰で一気にレベルが上がりました」
「レベルかあ。そんな物もあったなあ。もう俺たちの次元になるとレベルより装備やスキルの方が依存度が大きいから」
「ちなみにゼックスさんのレベルは?」
「99だ。もうこれ以上は上がらない。親父も99だったが勇者カツヨリには歯が立たなかった。ある程度の地力をつけるのがレベル、そこからは個人の才能と努力なんだ」
確かに私のレベルがいくつになろうとカツヨリのステータスには届かない。でもレベルが近いの戦い方はできる。
砂漠を進んでいると地中からサンドワームが現れた。サンドワームは砂に中に住んでいる巨大なミミズみたいな魔物でAランクだ。
足場が悪くしかも地面の砂が動き出した。サンドワームの土魔法だ。リリィ達の足を動かせないように足の周りで砂が回転している。無理矢理足を抜こうとすると激痛が走った。砂が足を切り刻んでいる。すぐに回復魔法が飛んでくるがこれでは動けない。
「私がやります。ウィンドカッター」
リリィの風魔法はサンドワームに弾かれてしまう。
「ダメか。あれを使います。ウィンドカッター乱れ打ち!」
左右の手をワンツーパンチのように交互に繰り出し左右の手からウィンドカッターを連続で発射する。サンドワームは無数に飛んでくるウィンドカッターに驚くが威力がさほどないと見極め避けようともしない。ウィンドカッターは次々にサンドワームに命中するがかすり傷だ、が、その時、
『ドッカーン』
サンドワームの胴体がちぎれ飛んだ。ウィンドカッターに紛れて魔力を練り込んだ苦無がリリィから投げられていたのだった。苦無には魔石が埋められており事前に大量の魔力を注ぎ込んであった。
「うまくいきました。回収回収っと」
リリィは投げた苦無を回収して満足げだ。クロックは驚いていた。Aランクは嘘ではなさそうだ。しかし今のは何だ。武器に魔力を込めたのだろうが凄まじい破壊力だった。
「お嬢さん、今のは一体?」
「クロックさん。それは秘密です。見当はついていますよね、それで合ってますよ」
そう言われるとそれ以上は聞けない。小娘のくせに小癪なやつだ。その後もサンドワームが何回か出たがリリィが倒した。リリィはマルスでMP回復効果のあるアクセサリーをもらったのでこの程度の魔力消費は影響がない。そして一行は12階へ降りた。
「今度は森林か。リリィの言う通りだな」
「ラモスではトレント系が出ました。その時はリコが火魔法を使えたので効果的だったのですが、このパーティーって火魔法を使える人………、いませんね」
「確かに森の魔物には火が効くが別に火魔法が使えなくたって魔力を火にすればいいんだろ」
「ローラさん、それって。わかりました、カツヨリが良くやってたやつですね。あれは魔法が使えないくせに魔力の使い方が上手くて。真似してみます」
クロックは会話についていけない。魔力を纏わせる事はできる。俺の場合は風魔法が使えるから風の魔力を拳や足に纏わせて攻撃の威力をあげていた。さっきの会話だと魔法の属性以外の魔力を纏わせるって事か?できるのかそんな事が。しかもこの小娘に。




