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『ドジっ娘女神を救え!固有スキル 勇者の影??』 天下を取った転生勝頼が今度は異世界へ  作者: Kくぼ


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クロック王

 勇者カツヨリだと!!!この世界でその名を知らぬ者はいない。だが、この爺さんがいう意味はそれではないであろう。突然出てきた名前にさすがのゼックスも少し動揺した。その気配は爺さんに悟られた。


「驚いたようだな。つまりあんたらは俺の敵か味方かどっちかって事だ。俺が正体を明かすからそっちも明かせてくれないか?腹を割って話したい」


 リリィが会話に割り込んだ。


「不正をして王位を継承した卑怯者の言葉を信じろと」


 今度は爺さんが動揺する。冷や汗まで出てきている。そうか、その事を知っている者がまだ生きているのかと。


 クロックは王位を継ぎ、大臣、貴族を獅子獣人中心の国家に作り変えていく一方で、王位継承戦に関わった者達を暗殺していった。10年もすると王位継承戦の事は話題にならなくなり、その後は国の繁栄に力を注いだ。もう国内に生き残りはいないはずなのだが。そうか、国外。だが、誰だ?オズバーンも死んだと聞いている。ま、まさか。


「ふう、まさかそこの娘さんからその言葉が出ようとは。だがその娘さんではあるまい、昨日の女、いやあんたの奥さんが誰かの子孫……………、いや、オズバーンの娘か」


 クロックの呟きにゼックス、リリィは答えない。沈黙が続く。しばらくしてクロックが話し出す。

 

「俺はクロック。元国王だ。オズバーンの娘には何を言っても無駄であろう、今更詫びたところで気もはれまい。頼みがある。全てを話す。事が済めば命でもなんでもさし出そう。味方になってくれないか」





 ゼックスは宿の部屋に戻りしばらくしてからローラを連れてきた。だいぶ葛藤があったのか、ローラの顔は暗い。


「オズバーンの娘か?」


 ローラは答えない。


「こちらからの一方的な願いになる。まずは話を聞いてくれる事に感謝する。俺は息子に王位を譲った。それはもともと考えていた事でその事には後悔はない。だが事件はその後に起こった」




 王位を譲られたクロックの息子、ナプールは前王の遺産を引き継ぎ、各国との外交にも力を入れていった。保守的ではなく国をさらに大きくし、獣人の素晴らしさを世に訴えたいと考えていた。この世界は人族が最も多く、獣人は少し下に見られがちだ。勇者カツヨリが魔王を討伐した際、獣人が協力した事から国を持つ事が出来、他の人種とも対等に付き合えるようになった。とはいえ、やはり隣国のマルス国に行くと獣人は目立ってしまう。明確な差別はないし、人族側はそう思っていないかもしれない。だが、獣人側ではなんとなくの差別を肌で感じてしまうのだ。

 ナプールは人族より獣人の方が優れているのになんでこうなってしまったのかを知るより、なんとかしたいと考えていた。獣人の凄さを世に知らしめる方法、それが何かを求めていた。


 そんな時に、コリン大臣から報告があった。


「龍神様がお目覚めになられたとの噂が聴こえて参りました」


「龍神様?それはなんだ?」


 この国には龍王山がある。そこには龍族が住んでおり、レベルが高い龍族は人化ができるという。勇者カツヨリが魔王を倒したとき、龍人が仲間にいた話は有名だ。ナプールはコリンに聞いた。


「龍?龍は国を作らずナッツピーに人族を置いて治めているのではないのか?龍王山の龍とは関係ないと思っていたが」


「ナッツピーには龍はいないと聞いております。全ての龍族は龍王山に住んでいます。前王は龍族の頭領とは交流がありました。ですが、先ほどお話ししたのは龍族の話ではなく龍神様です」


「龍神と龍族は違うという事か?龍神とはどこにいるのだ?」


「龍王山に行く途中のウイミー山にダンジョンが現れました。多くの冒険者がダンジョンを攻略しようと向かいましたが、そこに龍神様が突然現れたそうです。龍神様は転移魔法を使うそうで、冒険者にここに王を連れてこいと言って姿を消したとの事です」


 王を?俺を連れてこいというのか?


「龍神様は自ら我が龍神である、と名乗られたそうです。その威圧感はまさに神の領域で冒険者達は誰も何も出来ず転移を見送り、その後に殺されずに良かったとホッとしたと言っていました。一瞬で全員が死を覚悟するほどの強さだそうです」


「よくわからないが、その龍神とやらの目的は何なのだ?冒険者全員を一瞬で殺すなど俺にもできない。そんな力があるのならばここに現れればいいであろう」


「目的はわかりません。冒険者の言うことを信じれば、龍神様がその気になればこの国など滅ぼされてしまうでしょう。つまり王様に拒否権はありませぬ。ダンジョンへ行っていただきとう存じます」




 翌日、ナプールは護衛の騎士団を引き連れてダンジョンへ向かった。ダンジョンは龍の門の手前の山中にあった。途中に出る魔物は騎士団が魔法と拳法で倒していく。獣人は格闘に特化している種族だが、魔法と拳法を合わせて使う者が多い。ナプール自身も魔力を纏わせた足技が得意だ。


 ダンジョンの入り口に男が立っていた。黒い鎧に黒い剣、一見して怪しい。


「王の護衛達は下がれ、王と差しで話がしたい」


 黒い男が話し始めると護衛団長が答えた。


「そのような事はできん。護衛としての責任を果たせないであろう」


「王を呼び出したのは俺だ。龍神を使ってな。つまり王は俺と話をしにきたんだよ。心配しなくても別に王に危害は加えんよ。おい、そこの王様。どうする?全員殺してもいいが俺はそれを望んではいない。お前だけ残って全員を下がらせろ」


 ナプールは、何だこいつと思いながらこの謎の男の強さを肌で感じていた。確かに強そうだが全員でかかれば勝てるだろう。戦うか、話をするか?

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