ゴーリ・イン!目覚めよ伝説龍王
カツヨリに話しかける者がいる。
「カツヨリさん、俺だよ。ゴーリーだよ。わかるかい」
「ゴーリー?お前は死んだんじゃ?まさか俺も死んだのか?」
「ちがうよ。俺の魂はカツヨリさんの腕輪の中にあるんだ。伝説のドワーフ、カイマンが作った魔道具の中に」
「そういえば、腕輪に何かが吸い込まれるのを見たぞ」
「そう。それが俺の魂さ。俺は肉体は死んだが何故か生きているんだ。そしてアイテムボックスの中で何が起きているか知っているかい?」
「アイテムボックスだと。今入っているのはダンジョンコア、伝説龍王伍号機みたいな石像、ボスが落とした黒い玉、あと大剣かな。それがどうかしたのか?」
「叫んでみて、昔を思い出して」
「お兄ちゃん、起きて。やばいよ、早く起きて」
リコは必死にカツヨリの身体を揺さぶっている。カツヨリは起き上がってリコに水筒の水を飲んでから渡すと腕輪を見た。腕輪は点滅している。叫ぶのか、叫べばいいのか、叫ぶぞ、こんちきしょう。
「出でよ、伝説龍王伍号機!ゴーリ・イン!」
アイテムボックスから伝説龍王伍号機が現れる。伍号機は身長5mの巨体だ。石像の胸のあたりからカツヨリの腕輪に光があたり、カツヨリの腕が引っ張られる。
「おお、おお、吸い込まれる感じか、ま、まさか。合体?」
光は腕輪だけでなくカツヨリを包みそのままカツヨリは石像に飲み込まれる。そのまま石像の中に吸収されるとそこにあったのは。
「おお、操縦席だ。スーパーロボットの操縦席だ」
カツヨリは操縦席に座る。するとカツヨリの脳内に操縦方法が浮かんでくる。ダンジョンコアをエネルギー源とし、空を飛ぶこともできる。装備された武器の数々も一瞬で理解した。そして石像が金色に光り石像が金色の機体に変わっていく。
「おお、360°モニターだ。いくぞ、ゴーリー!」
ムサシとリコは何が起きたのかわからない。
「姫。これは一体?」
「これってあのお猿さんのところにあったやつよね。なんか動いてる。お兄ちゃんが動かしてるの?」
「リコ。あいつは俺が倒す。援護を頼む」
カツヨリの声が巨大な物体から聞こえきた。黒魔将軍グーリーは、何が起きたのか分からず立ち止まって成り行きを見ていたが、動き出した機体を見て魔法攻撃を仕掛けた。
「ブラックアロー!」
闇魔法の黒い矢が飛んでくる。
「ゴーリーブロック!」
伝説龍王伍号機の左腕から盾が現れ攻撃を防ぐ。続けて風魔法が飛んできた。リコのパクリ魔法だ。
「ウィンドプレスストーム!」
横向きの竜巻が伝説龍王伍号機に向かってくる。カツヨリは無意識に胸を張る。伝説龍王伍号機の胸がパカっと空き、中から扇風機の羽根のようなものが現れ、
「ゴーリーウィンド!」
黒魔将軍グーリーの風魔法を搔き消す。
「今度はこっちの番だ。ゴーリーアロー!」
伝説龍王伍号機は左手を前に突き出すと腕から上下に金属が飛び出して弓の形を作った。背中の矢筒から右手で矢を取り出して黒魔将軍グーリーを狙う。高速の矢が放たれ黒魔将軍グーリーに向かって一直線に飛んでいく。ところが1m手前で結界にあたり矢は消滅した。
「なんだ。あいつにも結界があるのか。リコ、聖なる加護を頼む」
リコは何の事か考えた。聖なる加護?そんなのあったっけ?あ、もしかしてそういう事?
「いっくねー。ホーリービームチャージ」
矢筒に向かって白い光が飛んでいく。カツヨリは矢をまとめて5本持ち弓を引く。よーく見ると矢の先端に聖魔法が宿っている。矢を放つと直ぐに次の矢を5本持ち連続で矢を射る。
「ゴーリーゴーガン、乱れ撃ち!!!」
ついに出た。カツヨリは戦国でこれがやりたくて、伝説龍王伍号機に弓装備をわざわざさせたのに、使う前に秀吉、三成に倒されたのだった。異世界で夢が叶う。
聖なる光を帯びた矢は、結界に当たると弾かれずに食い込んだ。そして二の矢、三の矢が結界にあたり無数の矢が結界に刺さった格好になった。
「ムサシ、リコ、チャンスだ。ゴーリーカッターパーーーーンチ!」
カツヨリが伝説龍王伍号機の右腕を正面に向けると腕から左右に刃物が現れる。そして肘から先がロケットパンチのように飛んでいった。
「ガッシャーーン!」
結界が砕け散る。そこを狙って、
「ホーリービーム、左右撃ち、連打連撃ひたすらビーム」
「竜巻斬り」
リコのビームが黒魔将軍グーリーの3つの顔のうち2つをビームで焼き払った。ムサシは6本の足のうち2本を切り落とす。
「グァ、だがこの程度」
黒魔将軍グーリーの身体が徐々に再生していく。黒の領域がなくても体内にあるダンジョンコアのエネルギーを使って再生能力を得ているようだ。そこを、
「ゴーリーファイブ、Z斬り!!!」
剣を抜いた伝説龍王伍号機はアルファベットのZの形に剣を走らせ黒魔将軍の首と胴体を斬った。




