究極合体
グーリーが叫ぶと黒の領域が広がりダークゴーレムが再生していく。いつのまにかムサシが破壊した宝石も復元している。
「何だよそりゃ、無限かよ」
カツヨリはわざと大声でつぶやく。グーリーは、
「お前達は真剣に戦っているようだがこの偉大なるグーリー様にとってはこのような戦いはお遊びだ。再びダークゴーレムと戯れるが良い。リコとやら、お前の魔力量だがなかなかだな。ここで殺して私の眷属として使ってやろう」
「残念ね。私はお兄ちゃんの物なの。あんたなんかお断りよ。響け、聖なる鐘よ!ホーリーリンリン!」
黒の領域の外側に、そう空中にウェディングロードが現れた。その上空に多くの金色の鐘が一直線に並び、リン、リンと鳴り響く。その音色の振動が空気を伝わり聖なる振動波となり黒の領域を揺らし始めると、黒の領域が徐々に溶けていく。リコはよろけた振りをしつつ魔力を集中して詠唱もしていたのだ。ここに来るまでの間に特訓していたリコの秘密兵器だ。上級聖魔法、ホーリーリンリン。鐘の音は振動波となり、あらゆる物の表面をマクロレベルで微振動させる。それによって悪しきもの分解し消滅させるのだ。対アンデッドの究極魔法ともいえよう。ただし、この魔法は効果は絶大だが魔力の消耗が激しい。リコの膨大なMPを8割ほど持ってかれてしまった。カツヨリがここで使えと言ったのだ。信じるしかない。
鐘は鳴り続き振動波がダークゴーレムとグーリーを襲う。ダークゴーレムが苦しんでいるところをカツヨリの奥義『神滅打突』が炸裂し再び黒い石が破壊されて倒れた。
黒の領域は消滅したままだ。だがグーリーの結界は健在のようでチャンスと見て放たれたムサシの斬撃が何かに阻まれかき消されてしまう。リン、リンと振動波が引き続き結界を襲うが拮抗している。
「竜巻斬り」
「神滅閃」
ムサシの竜巻斬りが結界を破壊したその瞬時にカツヨリの神をも斬る超高速の居合斬りがグーリーの首を斬り飛ばした。カツヨリは身体能力強化を使って準備していたのだ、この一瞬逃さんと。ムサシとカツヨリの暗黙のコンビネーションが炸裂したのだ。何だかんだ言ってお互いの戦闘力を信頼している。
グーリーの首は宙を舞い、マーリーの腕の中に落下した。首だけのグーリーの目がギラっと光り、
「これで勝ったつもりか?甘い、甘いぞ。闇の杖!」
魔王の持ち物だったと言われている闇の杖を胴体のグーリーが地面に突き刺す。杖から発生した黒い煙が聖なる鐘を黒く塗りつぶすと鐘は地面に落下し割れてしまった。
「姫の聖魔法が消されただと。だが相当魔力を使ったはずだ。グーリーよ、もう魔力は残っていまい。素直にあの世へ旅立て」
ムサシはゼーゼー言いながらグーリーに最もらしい事を言っている。それを聞いたカツヨリは、魔力が残ってないとかはフラグじゃない?と思いながら気をぬかない。
首の方のグーリーは詠唱をはじめている。気づいたカツヨリが小刀を投げて邪魔しようとするが胴体が駆け寄り防いでしまう。
リコは急激なMP消費が応えたようで座り込んでいる。カツヨリはリコに駆け寄って水筒を渡す。何が起きるかわからない今は回復だ。
「まさかここまで追い込まれるとは。魔法合戦など遊びが過ぎたようだ。だがこれで貴様らは終わりだ。冥土の土産に見せてやろう。闇の杖よ、我に力を。究極合体、黒魔将軍グーリー!」
マーリーの黒いペンダントが光る。倒れたダークゴーレムの割れた宝石が光る。そして闇の杖がグーリーに吸収された。いつのまにか飛んでいったはずのダンジョンコアもグーリーに吸収される。
「えっ、これはやばそうだぞ!」
「ホーリービーム」
「忍法 稲妻落とし」
リコのホーリービームはマーリーが被っていた闇の衣を吹き飛ばし、ムサシの忍法はマーリーの左足を吹き飛ばした。だが関係なくマーリーも吸収されていく。
「グーリー、なぜ私が、あああー」
黒いドームが現れその中で何かが融合していく。ドームが消え、現れたのは身長3mほどの魔人だった。顔が3つ、手は6本、2本の剣と盾が1つ、杖も持っている。足も6本あり全ての足に目がある。顔はグーリー、グドラ、マーリーの3人のようだ。ダンジョンコアは表からは見えない。
「フォ、フォ、フォ。凄まじい力だぞ、この黒魔将軍グーリーは。この力ならあのカツヨリにも勝てる。カツヨリといってもお前ではないぞ、お前はここで死んでもらう」
「はいそうですか、と死ぬわけにはいかないんでね。精一杯抵抗させてもらうよ」
とは言ったものの様子見てる場合じゃなさそうだ。3人全力でかかるしかない。
「リコ、ムサシ。出し惜しみするな。全てを出さないと勝てないぞ」
「おう」
「わかったわ、お兄ちゃん。ホーリーリンリン!」
「竜巻斬り」
「神滅閃」
リコの上級聖魔法が黒魔グーリーの上空に現れ鐘が鳴ろうとした時、グーリーの杖から黒い煙が噴出され鐘が鳴らずに止まってしまう。ムサシの竜巻斬りはグーリーの大剣で受け止められダメージを与えられない。カツヨリの居合斬りは突っ込んだところを黒魔将軍グーリーの足の目に動きを見られていてもう一本の大剣で受け止められてしまう。そして3人の攻撃を受け切った後、闇魔法が襲ってきた。
「ブラックメテオ!」




