表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【爆アド】生まれた直後から最強悪霊と脳内バトルしてたら魔力量が測定可能域を超えてました〜悪憑の子の謙虚な覇道〜  作者: 広路なゆる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/58

58.実戦訓練

 界、じいじ、くまじいじの三名は奈良県のとある神社に訪れていた。


「風術〝旋風(つむじかぜ)〟!」


 神社に着くと、数名の破魔師が霊魔と交戦中であった。


「おー、やっとるやっとる」


 じいじはそんなことを言いながら、戦場に向かって歩いていく。


「おい、白神、昔のように身体は動かぬのじゃ、油断するなよ」


 などと忠告しながらも、くまじいじも続く。


 界もそんな二人についていく。


 と、


「し、白神さま……! 一之瀬さま……!」


 戦闘中の破魔師の一人がじいじとくまじいじの存在に気が付く。


「おう、君達、よく(しの)いでくれた。ここから先は我々に任せっしゃい」


「しょ、承知しました……。…………って、え? この子は……?」


 破魔師の一人が界に視線を向け、驚いた様子で尋ねる。


「ひょ、ひょっとして……」


「あん? 俺の孫だが……?」


 じいじはやや威圧的にそう言う。


「っ……! し、失礼しました!」


 破魔師は頭を下げると、そそくさとその場から離れていった。


(「…………やっぱり子供を戦場に連れてくるのって結構、白い目で見られるのかな……」)


【ん? 何言ってんだ?】


(「……? どういうこと?」)


【破魔師の世界は実力主義だぞ? 力があるのなら年齢など関係ない。小さい頃から実戦に触れさせるために、戦場に連れてこられることなど、さして珍しくもない】


(「……そうなんだね」)


(その辺の価値観はやっぱり前世とはちょっと違うんだろうな……)


【それはそれとして、さっきの破魔師の反応は田介が儂様の依代の子であるがゆえの反応だろ?】


(「……あ、そっちか……。ドウマ、大丈夫? ぶち切れたりしない?」)


【儂様がそんな小さきことに腹を立てるはずがなかろう……!】


(……そうか? ……確かに初期の頃よりちょっと丸くなった感じはするな。…………いや、生まれた直後の母親殺しの呪いモードの時を除けば、実はずっと……)


 などと界は考えていたが、


「ジャァアアアアア!!」


 残された霊魔が界、じいじ、くまじいじを威嚇する。


(っと……今は目の前の霊魔だな……)


 霊魔は巨大な蛇のような姿をしており、五体もいる。


「情報によると、クラス2程度の霊魔のようじゃ」


 じいじがそう告げる。


(クラス2か……。なら、そこまで厄介ってわけじゃないのかな……)


 界はこれまで破魔師としてクラス4の赤池に勝利した。

 さらにクラス5並みの狒々(ひひ)、そして恐らく、それよりも強力なシビョウの分霊体と対峙し、退けてきた。

 故に、クラス2に対して、そこまで厄介ではないと思うのはある意味、自然である。


 だが、


「界……、今、こいつを大したことないと思ったか?」


「っ……!」


 界はじいじに心を見透かされたことを言われ、はっとする。


「ご、ごめん……じいじ……ちょっとだけ思っちゃった」


(そうだよな……。慢心は身を滅ぼす。謙虚になれ、俺……!)


「その通りじゃ」


(ん……?)


「クラス2など大したことないのじゃ」


(え……? そっち……?)


「だがな、それは界、お前にとってはという話だ。界……お前は一握りの傑出(けっしゅつ)した才能を持った破魔師である……ということをしっかりと認識すべきだ」


「……!」


「先ほどまで、この霊魔と対峙していた破魔師達……。彼らは才能のない弱者ではない。むしろ〝クラス2を食い止めることができる〟優秀な破魔師達だ」


「うん……」


「そんな優秀な破魔師達が束になっても、お前は簡単にひねりつぶすことができるだろう……」


「……」


「一方で、彼らがいなかったとしたら、すでに人への被害が出ていたであろうな」


「……!」


「界、じいじが何が言いたいかわかるか?」


「……例え、どんなに強くても、人ひとりには限界があって、皆の助けが必要だってこと?」


「…………」


 じいじは黙る。


「…………ち、違ったかな?」


「……いや、正解じゃ」


 じいじはしかし、少し不満そうである。


(なんで不満そうなの……!?)


「界様、このじじい、界様に深い話をしてやろうと思っていたのに、当てられたから年甲斐もなく()ねてるんですよ」


(へ……?)


「あっ、一之瀬! てめっ!」


 と、


「ジャァアアアアア!!」


 蛇の霊魔が、無視すんじゃねえとでも言いたげに、三人を威嚇する。


「あぁあぁ、威勢のいいことで。五体いる。俺が2、一之瀬が2、界が1だ」


 じいじの指示に、界とくまじいじは頷く。


「特に界、お前は妖術を使わずにそいつをなんとかせい」


「……!」


(妖術NGか……。要するに封印術を使えってことだよな)


「じいじ、わ、わかった!」



実戦開始!



ここまでお読みいただきありがとうございます。


書籍についてなのですが、12/26(金)と告知していたのですが、確認したところなんと……


電子版の配信と早い書店での販売開始は【12/24(水)】からだそうです。


一応、正式には12/26(金)らしいのですが、12/24(水)にもあるところにはあるらしいです。


12/26でクリスマスからちょっとずれてるのをネタにしてたのに、ガチのクリスマスイブだったという……。


WEBの読者様には、ランキング上位に押し上げてくださっただけでもすでに感謝の気持ちで一杯ではあるのですが、その上で更に書籍まで購入してくださった方に……著者の自主企画で「特典SS」を用意します!


現在準備中ですが、こちらのリンクから読めるように致します。

(このリンクはWEBを読んでる方にしか公開しない秘密のリンクというわけです)


 https://reafan.net/b11/


タイトルは「ドウマ、おっさんなのに男風呂での挙動がおかしい」になります。


なにはともあれ、皆様、続巻できるかどうかは発売直後が非常に重要と言われておりますので、何卒よろしくお願い致します。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【書籍紹介ページ】

下記リンクで表紙が見れます!
https://www.kodansha.co.jp/comic/products/0000423408

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ