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36 魔獣

「モクタン、セキタン、ツバキ! 集合!」

「ミー」

「ミッ」

「ミミミ」


 俺が声をかけると、裏庭の灰山で遊んでいた三匹の火蜥蜴が鳴き声を上げながら俺の足元に駆けてきて横一列に並んだ。


「これ燃やして」

「ミー!」

「ミッ!」

「ミミミ!」


 三匹の前にpt950(純度95%)のプラチナの指輪を入れた坩堝を火箸で掴んで差し出すと、一斉に口から火を噴いた。

 三本の火炎放射は過たず坩堝に命中し、だんだん赤熱させていく。一分と経たないうちに中のプラチナはドロドロに融け液化した。


「よし、やめ! よーしよしよしよし良い子だ~!」


 俺の合図で火を噴くのをやめた火蜥蜴たちに、それぞれ好物の木炭、石炭、椿油をくれてやると、尻尾を振り喜んで食いついた。可愛い。

 後ろで躾けの成果を見学していた青の魔女は感心して拍手した。


「すごいなこれは。よくここまで調教できたものだ」

「それほどでもある。二カ月かけたし」


 ワーハッハッハ! もっと褒めてくれ。これで俺も一人前の魔獣使いだ。

 二カ月も頑張って成果ゼロだったら流石にしょげる。だが俺は北海道魔獣農場の飼育ノウハウを参考に、成し遂げたのだ。


 グレムリンを埋め込んでから、俺は火蜥蜴と仲良くなった。

 仲間意識を持った火蜥蜴はどうやら俺を群れの長老か、大人の個体だと認識したらしい。体格差を考えればさもあらん。最初期は俺の尻を心配そうに嗅ぎ回り、何度か火をつけようとしてきた(青の魔女にはナイショだ)ぐらいだし、完全に同じ種族だと思われている。

 だが三日ぐらいで俺が炎を纏わなくても元気だし平気だと理解し、俺の尻の軽い火傷を舐めて治そうとしてくるぐらいの知能と学習能力もある。可愛いだけでなく賢い。しばらく火傷で尻が痛くて座れなかったぐらい安いもんだ。


 火蜥蜴は巣材になる金属を放り込んだ反射炉に両手で包み込み持って行って入れてやると、何度か元の巣に戻ろうとはしたものの、上質の備長炭で釣るとすぐに理解して反射炉に新しい巣を作った。

 反射炉は俺の家から少し離れた裏山の中にあるから、火事が起きても家までは延焼しないし、世話をしたり様子を見に行ったりするのも簡単だ。調教中に住まわせておくにはベストの場所だった。


 北海道魔獣農場の魔獣飼育秘伝の書によると、ほとんどどんな魔物にも共通して使えるのは上下関係と餌による調教だ。上の立場になり、餌をコントロールすれば、内心思うところはあっても従う事が多い。

 あとは個体ごとの性格や種族に応じた習性にも注意が必要だ。スキンシップを好む種族もいれば、群れているだけであまり触れ合わない種族もいる。水浴びが習慣だったり、死骸をオモチャにして遊んだり、相手に気を許した証としてグレムリンを舐めさせたり、独特の習性を持つ魔物は多い。


 俺の場合はグレムリンを埋め込んだだけで上下関係が成立したし、比較的簡単に巣の引っ越しもさせられたので、餌で釣って更に仲を深め火蜥蜴の生態を把握していった。


 まず分かったのは、餌に好みがある事だった。

 炭以外にも食べるのかと色々試してみたのだが、燃料になるものならだいたい食べた。石炭、木炭、古くなったガソリンや灯油、エタノール、菜種油、鯨油、椿油などだ。

 しかし例外はあって、薪やガス燃料は食べない。飢えれば食べるのかも知れないが、少なくとも好まない。飢えさせるのは可哀そうなので試していない。


 餌の好みは個体によって違いがある。

 一番大きくて三匹の先頭を走り、一番威張っていて一番元気な子は椿油が好物だった。

 一番のんびり屋で、焚火を焚くと()なたぼっこにやってきてボーッとする子は石炭が好物だ。

 そして一番好奇心旺盛で人懐っこい子の好物は木炭。


 最初は名前をつけず「おい」「お前」「火蜥蜴」「ちっこいの」などと呼んでいたのだが、だんだん好物の名前に反応するようになり、それがそのまま三匹の名前になった。


 餌で慣らした後はなるべく一緒に過ごす時間を多くとって生態を観察した。

 最初の尻着火の後は特に事故もなく、愛嬌のある生態が次々と判明した。


 例えば、火蜥蜴は灰の中で転げまわるのが好きな癖に、鱗を綺麗にするのも好きだ。

 使い古しの歯ブラシで誰か一匹の鱗を磨いてやっていると、他の奴らも寄ってきて磨いて欲しそうに前脚で歯ブラシを叩き催促する。

 そして鱗がピカピカになると喜んで駆け回り、灰の山に突撃していって灰まみれになる。磨く意味は……? まあ楽しそうだしいいけどさあ……

 本来は寄生虫か何かの対策としてこういう習性を持っているのかも知れない。猫や猿の毛繕いみたいなもんだ。この世界に火蜥蜴につく寄生虫がいるかは知らんが。


 餌を腹いっぱい食べた後に寝てしまうのも習性の一つだ。そういえば継火も炭食った後は寝ていた。これは種族の習性というか血筋なのかも知れない。

 火蜥蜴の一日の生活サイクルは朝起きて、飯食って、追いかけっこをしたりじゃれあったりして遊んで、昼飯食って、また遊んで、飯食って寝る、というものだ。本能のままに生きている。


 巣の手入れにはあまり熱心ではなく、せっかく金属の巣材をいっぱい反射炉に入れておいたのに、金属を溶かして造られた半球状の巣はいつまで経ってもガタガタボロボロのままだ。一部が錆びていても全く気にした様子がない。

 でも留守の隙にガタガタの巣を綺麗に手直ししたら、しばらく居心地悪そうにもぞもぞした後に火を吐いてガタガタボロボロに戻していた(元の形とは違った)から、火蜥蜴的にはちゃんと一定の意図があってボロボロのままにしているようだ。火蜥蜴の感性は分からん。

 あと巣材は融点が高いものほど好みらしい。鉛より鉄、鉄より白金の方が圧倒的に使用率が高かった。


 そして一番面白く、興味深く、有用な習性というか能力は、ママ譲りの火力コントロールだ。

 白金は鉄より融点が高い。それを溶かせる火蜥蜴の火炎放射は、少なくとも1768℃以上のはずだ。しかし俺の尻に火を吐かれても軽い火傷で済んだ。明らかに火力をコントロールしている。

 薪の燃えさしに火を噴きかけ餌に変えるのを近くで見ていても、熱風こそ来るものの不自然なほど熱くない。

 スペクトル反射を利用した温度計を自作し計測したところ、火蜥蜴が燃やそうと思った物にだけ物理的におかしな熱分布を示し火力が集中すると分かった。


 つまり、火蜥蜴は燃やしたいものだけを燃やし、燃やしたくないものは燃やさない事ができるのだ。

 もちろん限度はあって、飛び火して不本意な物に火がついてしまう事は有り得るし、ピッタリ火に境目ができて燃やしたくない物を避けていくというほどには精密なコントロールではないのだが。


 この不思議な火炎放射は実に魔法的だが、継火の火魔法と違い特殊属性は持たない。

 火蜥蜴の火炎放射は青の魔女の大氷河魔法(威力を絞って廃屋の一つを凍らせてもらった)の氷を溶かせなかったし、グレムリンは塵にならず融解した。

 魔法の火の中でも継火の「焔よ(ジン・ガ)」系統の火だけが特別らしい。やっぱ変な特殊効果がデフォルトでついちゃってるんだろうな。


 俺はグレムリン埋め込みで魔力を大きく減少させてしまったから、火魔法だけでも火蜥蜴に代行してもらえるのはありがたい。思ったより全然火を吐かないし、放火癖もない。大人になったら生態が変わる危険性が大きいが、小さい内は全然出火の危険性はなさそうだ。俺の尻火傷事件で「あんま火を吐くと良くないらしい」と学んだっぽいのも大きい。

 一般的な火蜥蜴がどうかは知らんが、ウチの子たちは火炎放射に慎重だ。


 俺の調教の成果と自慢話をひとしきり聞いた青の魔女は納得し、矛を収めた。

 もう殺さないと約束してくれたので安心する。

 青の魔女の子殺し、回避! しかも反射炉に魔物が住んだ。

 これから大利ブランド製品で火を扱う時は、「魔獣の火で鍛えた」という売り文句がつくぜ? 継火はとんでもない事をやらかしたが、なんとか軟着陸させる事ができた。

 いったん、めでたしめでたしとさせて頂こう。


「私にも懐くかな」

「ミミミ……!」


 俺の靴のつま先に腹ばいになってダラけているのんびり屋のセキタンに青の魔女が手を伸ばしたが、セキタンは口の端から火を漏らし舌をチロチロさせて威嚇した。

 青の魔女は残念そうに手を引っ込める。血縁とか全然関係ないな。やはり生みの親より育ての親という事か。

 コイツらもうウチの工房の鍛冶場要員に育てあげると内定しているのだ。今さら横から取らないでくれよな。


「ペットが欲しけりゃ他にいい魔獣いるだろ。ほら、北海道魔獣農場から贈られてきたやつとか。飼い方確立されてるし、資料読んだ感じ便利そうだったし」

「フクロスズメは飼おうか迷ってる。でも目玉の使い魔で済むしな」

「あーね。俺は鉄鋼羊、というか鉄鋼羊の羊毛に興味あるわ」


 俺は火蜥蜴たちの鱗を歯ブラシで磨いてやりながら、青の魔女と魔獣話に花を咲かせた。


 北海道魔獣農場が東京に贈ってくれた魔獣は三種類。


 リーダーへの忠誠と運搬力がウリのフクロスズメ。

 とにかく羊毛が高価値な鉄鋼羊。

 陣地防衛のスペシャリスト砲台鳳仙花。


 この三種だ。


 フクロスズメは雀が変異した魔物だ。雀は元々個体数が多いから、必然的にその変異先の一つであるフクロスズメも比較的容易に確保・調教できる。

 雀の特徴をそのままに一回り大型化させたような姿をしていて、雀より鈍重で飛ぶのが遅い。

 代わりにお腹のところにだるんだるんの脂肪でできたカンガルーの袋のような物を持っていて、フクロスズメはこの袋の中に明らかに入るはずのない大量の物資を入れて運ぶ事ができる。


 この袋の容量はかなり大きく、小型の冷蔵庫ぐらいまでの体積まで収納できる。しかも収納した物の重さが消えるオマケつき。

 フクロスズメが死ぬとその腹袋は収納機能を失い入っていたものを吐き出してしまうし、生物が袋に入ると入った者に激しい車酔いのような症状が出るためそういう使い方は現実的ではない。袋の中でも普通に時間が経過していくし、なんならちょっとしっとり生暖かいから、食料保存庫としてもあまり適していない。


 が、フクロスズメはとにかく群れのリーダー、魔獣使いに忠実だ。

 しっかり調教して群れのリーダーと認められれば、指示をよく聞き忠実に従う。死すら厭わないほどだ。健気すぎる。

 賢さはオウム程度だから複雑な命令は理解できないものの、地理記憶力は高く、北海道魔獣農場では運送業を一手に担っている。瓦礫や廃材の撤去から木材や鋼材の運搬まで、フクロスズメが果たす役割は大きい。もちろん郵便にも使える。


 本来、フクロスズメは腹袋を巣作りのために利用する。

 フクロスズメ自身は飛ぶのが遅く鈍重で、特別な攻撃力もない。つつく力は普通の雀と同じだ。

だから、フクロスズメは岩や倒木や鉄材を腹袋にしまいこんで集め、砦のような極めて頑強な巣を作る。本体が弱い代わりに巣が強いのだ。

 巣の引っ越しをする時は巣材を腹袋にしまって運び、引っ越し先で再建築する。遮蔽物が何もない平原にすら、身を隠し身を守る強固な巣を建築できるのはフクロスズメの強さと言えるだろう。


 あと餌は昆虫や死肉で、魔物の死骸の柔らかな内臓を最も好み、人の食料と競合しない上、人間は全く襲わない。

 むしろ巣の外にいる時に他の魔物に襲われ食べられてしまう危険性の方が大きいので、フクロスズメは安全が確保されている市街地での運用が基本となる。

 繁殖力もそこそこ高め。輸送系のインフラを強固に支えてくれる、優秀な魔獣だ。


 鉄鋼羊は羊が変異した魔物だ。

 北海道は羊肉(ジンギスカン)が有名だが、実のところジンギスカンは99%以上が輸入で、道内で飼育されていた羊の個体数は1万頭足らずだった。

 しかし羊(飼育下にある品種の羊)は魔物に変異する場合必ず鉄鋼羊になるので、上手く捕獲し飼育・繁殖できているという。


 羊は増肉係数が悪い家畜で、与えた餌に対する食料生産効率を示す増肉係数は15.0をマークしている。

 1gの肉を生産するために、15gの餌を食わせてやらないといけないのだ。鉄鋼羊も同じぐらいの増肉係数を示す。

 鶏の増肉係数が1.7である事を考えると、いかに羊肉が非効率的で大量の餌を必要とする高価なものか分かる。

 成長だってニワトリと比べればめちゃくちゃ遅い。大人になるまで二年もかかる。ニワトリは三カ月なのに。

 まあこのあたりは鶏が家畜として優秀過ぎるのもあるのだが。


 だが鉄鋼羊の真価は肉ではなく、その羊毛にある。

 鉄鋼羊の羊毛は普段は柔らかくてフワフワしているのだが、火にやたらと強く、断熱性に優れ、高熱を与えると鋼のように硬化する。この硬化は一日程度持続し、硬化が切れても数時間のインターバルを挟み再発動できる。

 この羊毛を刈って織り上げたウールの服も同じ効果を持ち、最低でも4年は劣化せず使い続けられるのが確認済みだ。

 鉄鋼羊は火を操る魔物に対してだけ明らかに警戒心が特別強いので、恐らく火系の魔物に対抗するための性質だと考えられている。


 鉄鋼羊のウールは鉄も融かす高温でも燃えず、極めて高い断熱性によって着ている者を守る。また、硬化したウールの強度は鉄の刃も通さない。ちゃんと目を細かく編み込めば弾丸すら止める、天然の防刃防弾スーツになる。

 更にそれだけの性能を持ちながら軽くて扱いやすい。着ていると冬は暖かいのに、夏は不思議と涼しい。虫がつかず、洗っても縮まない。

 衣料の材料としてあまりに完璧だ。


 惜しむらくはまだまだ鉄鋼羊の飼育個体数が少なく、一年に一回、春にしか毛刈りができないので生産量も限られるところだ。

 しかし個体数を増やしていけば生産力も上がる。これだけ高性能な天然素材なのだから、いくら投資したっていい。鉄鋼羊の羊毛服があれば、魔物との戦闘で日々負傷が絶えない警備隊も相当楽になるだろう。

 鉄鋼羊のウールは火蜥蜴を飼育する上での火傷対策として俺も是非欲しいところだ。


 フクロスズメと同じく、鉄鋼羊も人を襲わない。

 主食は草で、雑草でもなんでも食べるが、少量の塩と鉄分も欲しがるので、餌の栄養バランスには注意が必要だ。

 鉄鋼羊は仲間以外が近づくとすぐに逃げる。そして一番角の大きな個体をリーダーと見做すため、鉄鋼羊の魔獣使いは頭に着け角をする必要がある。地味に頭が重くなって大変らしい。


 北海道魔獣農場が誇る魔獣の三種類目、砲台鳳仙花は、植物が変異した魔物だ。

 ホウセンカと名付けられているし植物のホウセンカに似ているが、ホウセンカから変異するとは限らない。

 大人ほどの背丈に成長するこの植物の魔物は一年生植物で、春先に芽吹いて冬に入ると枯れる。面白いのは、芽吹いて間もなく花を咲かせ、すぐに種をつける事だ。

 砲台鳳仙花はこの種を近づいてきた動物や魔物に撃ち込み、殺す。

 射撃精度と威力はかなりのもので、砲台鳳仙花のタネは殺した魔物の腐った体内で芽吹く。好戦的な植物魔物だ。

 種を撃ち尽くすとまた花を咲かせ、春から秋にかけて常に種をストックし続ける。 


 砲台鳳仙花はその名の通り砲台として優秀で、拠点防衛に極めて役立つ。

 丙1類、つまり「ハッキリ異形化しているガチ魔物」程度までならぶっ殺せるし、乙3類でも足止めや撃退を期待できる。

 魔術師部隊の出動が必要な乙2類以上には無力だが、そこまでの対応力は期待をかけすぎだろう。丙類を自動処理し、乙3類を止めてくれるだけで有り難過ぎる。


 ただ、砲台鳳仙花は人間にも普通に砲弾を撃ち込んでくるので、飼育運用にはくれぐれも注意が必要だ。施肥や水やり、植え替えには魔獣使いが必須になる。


 フクロスズメも鉄鋼羊も砲台鳳仙花も、クセがあるが全て非常に素晴らしい魔獣だ。

 北海道魔獣農場では日々新しい魔物の家畜化が試みられており、今後も安定した飼育法が確立できた魔物を東京に送ってくれるという話だ。神かな?


 もっともタダではなく、東京からは魔法杖の輸出や魔法言語学教員派遣を約束させられたそうだ。

 北海道魔獣農場には農学専門学校、というか魔獣使いの職業訓練校があるらしい。東京に送られてきた使節の人もそこの卒業生だ。

 是非今後の交流に期待したい。俺はその交流を外から眺めて、美味しいところをもらうから。

 いや北海道魔獣農場に納品する魔法杖は俺が作るから、まったく交流の輪に参加しないわけでもないんだけどね。


 交流の輪といえば、五つの大規模生存者コミュニティのうちの残り二つ、琵琶湖協定と荒瀧組は作られはじめた日本全国規模の交流の輪を外れている。結局東京に支援を送ってくれなかった。


 なんでも琵琶湖協定ではキノコパンデミックをきっかけに政変が起き、内部でタカ派とハト派が相当モメているらしい。東京への支援どころではないようだ。

 まあ、しゃーない。東京魔女集会だってみんながみんな一致団結してるわけじゃないし。


 荒瀧組の方は支援要請を完全無視している。

 琵琶湖協定と同じように政変でも起きているのか、何か別の事情があるのかも不明だ。

 けっこうガラの悪いコミュニティらしいから、豊穣魔法の伝授という支援を受けるだけ受けて何も返さないつもりなのかも知れない。

 というか、そもそもキノコ病を広められたのを恨んでいる可能性も普通にある。わざとではないのだが、だからといってエゲつない病を持ち込まれて笑って許せるはずもないしな。

 賠償請求が飛んでこなかっただけ良しとするべきなのかも知れない。


 キノコパンデミックは日本中に災禍を振り撒いた。

 だが、そのおかげで皮肉にも交流が強化され、新しい物が持ち込まれ、新しい物が生まれた。


 パンデミックの爪痕は大きい。

 だが、人類は確かに挫ける事なく崩壊した世界の復興を推し進めていた。

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― 新着の感想 ―
青の魔女にグレムリン埋め込みバレて怒られなかったのかね。
不思議生物図鑑読んでる気分になってめちゃめちゃ楽しい 昨日見た夢の話を思い出しました あれもだいぶ前にですが大いに楽しませて頂いたものです 冒険者酒場でも思いましたが、ファンタジー生物が本当に存在して…
次の展開忘れたがなんかくるなこれ(予言
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