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はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~  作者: さとう
第七章・商業科発表会

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敵の元へ

 ニッケス、メリー、グレアムの一家と合流したエルクとフィーネ。

 エルクはフードと眼帯マスクを外しニッケスの元へ。


「大丈夫だったか?」

「あ、ああ。おいエルク……これ、何の騒ぎなんだよ」

「女神聖教なのは間違いない。くそ、こいつらマジでムカつく」

「女神聖教だけじゃないね」


 グレアムが、ニッケスとエルクの間に割り込みつつ言う。


「プルミエール騎士団。そして夜祭遊女も確認した。それと暴王……三つのS級危険組織と、新たに認定された四つ目のS級危険組織、女神聖教。この四組織が同時に、学園を襲撃してきた。間違いなくこれは偶然じゃない、何かの意志による襲撃だろうね」

「……何かの、意志」

「ああ。恐らく……考えたくもないが……この四つの組織が手を組んだ。そして、これは宣戦布告」

「お、おい親父、どういう」

「ただの推理さ。四つのS級危険組織が手を組み、世界最大の国であるガラティン王国を狙った。しかも、商業科の発表会を狙ってね」


 まさに、その通りだった。

 女神聖教の狙いはエルクの抹殺だが、三つの組織の狙いは『S級危険組織が手を組んだ』ことをアピールすることが狙いである。

 すると、メリーが挙手。


「あ、あの……エルクさん、あれはなんですか?」

「あ、忘れてた」


 メリーが指さしたのは窓の外。そこに浮かぶ巨大な肉団子だ。

 エルクは右手を向け、念動力を込めると───……肉団子はとんでもない速度で吹っ飛び、数百キロ先の山の頂上に激突した。

 エルクはそれに目を向けず、ニッケスに聞く。


「ニッケス、エマはどこだ?」

「エマちゃん? たぶん、博物館だと思うぜ」

「博物館……」


 博物館には、一年生の代表作が多く展示されている。

 すると、グレアムが護衛と何かを話し、エルクに言う。


「エルクくん。どうやら、敵はまだ多く残っているようだ。というか、新たに投入されたようだ。私の護衛のスキル『遠視』で確認したから間違いない」

「え……お、俺が吹っ飛ばしたの、かなりいましたけど」

「どうやら、この第二陣が本隊のようだね。最初は数で疲弊させ、第二陣で制圧する……投入された数こそ少ないが、手練れが多い」

「……く」


 すると、ニッケスがエルクの肩を叩く。


「何してんだ、さっさと行けよ。エマちゃんが危ないだろうが!!」

「でも、お前たちも……」

「馬鹿。こっちには護衛もいる。それにメリーもいる」

「ニッケス……」

「エルク、あたしも残る。一緒に行っても足手まといっぽいし……」

「あたしも残る! エルク、がんばれー!」


 フィーネとシルフィディも残るようだ。

 すると、教室のドアを蹴破り、一人の青年が入ってきた。


「見っけ……へへ、ガキ数匹に雑魚三匹、始末していいんだよなぁ? アザゼルぅ」


 血濡れの剣を持った男だった。

 すでに何人か斬ったようだ。間違いなく、強者。

 第二陣。暴王の構成員が、エルクたちに迫る。


「キャッキャッキャ!! 革命が始まるぜぇ? 平和ボケした連中に、暴虐なる王からプレゼントだ!! さぁ、あそぼ───……」


 ビシリと、男の身体が動かなくなった。

 エルクの念動力による拘束。そのままエルクの元に飛んでくる。

 エルクは両手のブレードを展開し、男の両肩を突き刺し両足を斬りつけ、空中で高速回転させた後に教室の床に頭から叩きつけた。

 床が陥没し、男の頭が床に突き刺さる。ピクピク痙攣しているが、エルクはもう見ていない。

 男の剣を念動力で引き寄せ、メリーに渡した。


「メリー、これ使え」

「……あ、はい」

「フィーネ、メリー、護衛さん……ここは任せる。俺は博物館に行く!!」


 エルクは眼帯マスク、フードを被り、教室の窓から飛び出した。


 ◇◇◇◇◇


 カリオストロ、エミリア、デミウルゴスの三人は、博物館に集まった。

 デミウルゴスは到着するなり二人に言う。


「生徒、一般人、貴族の避難は」

「七割完了したわ。残り三割はここと商業科校舎。学園側の教師たちと、警備部隊以外の騎士も動き出したわぁ……でも、ちょっとマズいわねぇ」

「ああ。ここまで何人かプルミエール騎士団と戦ったが、練度が違った。恐らく、こちらが本隊……最初の雑魚は我々を疲労させるためだろう」

「お父さん、どうする?」

「……隊長と呼べ。とりあえず、博物館内にいる人たちを守るぞ」


 プルミエール騎士団、夜祭遊女、暴王の正規部隊がゾロゾロ現れ、博物館を包囲する。

 エミリアは舌打ちする。


「マズいわね……どう見ても、あっちの数が多い」


 まだ、警備部隊は散り散りになっている。

 招集はかけたが、集まるのは時間がかかる。

 エミリアたちの人数は、二十名もいない。だが、三組織の数は五十を超えていた。一人一人が手練れで、このままでは全滅の可能性もある。

 そして……一人の男性が前に出た。

 騎士服にマント、立派な剣を装備した、可視化したオーラを纏う男だ。


「騎士団の紋章入りマント……幹部クラスね」


 カリオストロが顔を歪ませる。

 紋章入りマントを付けることが許されるのは、プルミエール騎士団の隊長格だけ。

 七聖騎士。プルミエール騎士団最強、七人の一人『光騎士』オルファンだった。


「降伏し、学園を明け渡せ」

「「「……」」」

「従わぬのなら、容赦しない」

「あ」


 エミリアが思わず呟いた。

 オルファンが怪訝な表情をした瞬間───背中に衝撃、激痛が走った。


「ごわっは!? ぐへっ!?」


 オルファンは気付かなかった。

 突如、上空から現れた黒い暗殺者(アサシン)が、オルファンの背中にブレードを突き刺し、そのまま押しつぶすように着地したのだ。

 カシャンと、右のブレードが隠れる。暗殺者に相応しい隠し武器だ。

 オルファンに気付かれることなく暗殺する……エルクは知らないが、『空中暗殺(エアアサシン)』と呼ばれる高等技術だ。

 エルクは囲まれるが、構わず叫んだ。


「エマ、無事か!! 助けに来たぞ!!」

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〇はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
レーベル: CLLENN COMICS / コミックREBEL
著者:さとう (著)
漫画:うなぽっぽ (著), トダフミト (著)
発売日:2024年 7月 21日

【↓情報はこちらのリンクから↓】
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お読みいただき有難うございます!
テンプレに従わない異世界無双 ~ストーリーを無視して、序盤で死ぬざまあキャラを育成し世界を攻略します~
連載中です!
気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』をいただけると嬉しいです

― 新着の感想 ―
[良い点] エルクがやっと人間相手に無双し始めたところ
[一言] 舐めプして使徒3人をわざわざ逃がしたエルクにも罪があるけど、一度襲撃されたにも関わらず人が集まりやすい発表会を決行した無能な学園側にも責任はあるなこれ。 常識で考えれば学園閉鎖は当然として…
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