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はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~  作者: さとう
第八章・ヤマト国の英雄『飛天皇武』タケル・クサナギ

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それぞれの相手

 両手を広げたエルクをアサシンたちが包囲する。

 その中には、アカネの上司であるシャクヤクがいた。アカネはいない。

 シャクヤクは、無言で両手のブレードを展開。部下たちも展開する。

 タケル、ビャクヤは座ったままだ。


「タケル様、まずは」

「ああ、お手並み拝見」

「…………」

「やれ」


 ビャクヤが命令すると同時に、アサシンたちは両手のブレードで自らの両足を突き刺した。


「は?」

「「「ぐ、あァァァァァッ!?」」」


 アサシンたちが絶叫する。

 ブレードを展開した時点で、エルクの念動力に囚われていたのだ。

 ビャクヤの命令と同時に、自分の両足に突き刺すように操作し、ぐりぐりと神経や骨を砕くようにブレードを掻きまわす。もう、二度と歩けないように、二度とふざけたことができないように。

 アサシンたちが痛みで気を失ったのを確認することなく、エルクはビャクヤを睨み……確認した。


「ヤト」

「…………なに?」

「こいつ、殺していいか?」

「駄目。私が殺す」

「わかった」

「おいおいおいおい、キミがボクを殺す? 冗だ」


 ビシリと、ビャクヤの身体が硬直した。

 念動力による拘束。指一本動かせず、さすがのビャクヤも目を見開く。

 エルクは念動力を解除し、両手のブレードを展開した……が。


「エルクくん。そちらの方は譲っていただけませんか?」

「ソフィア先生? 武士は……」

 

 武士たちは、全員が見るも無残な姿になっていた。

 二十人以上いた武士は、ほんの一分足らずで全員が半殺しになっていた。

 ソフィアは、両手に聖剣を持っている。銀と金の聖剣には、血が滴っていた。

 そして、ソフィアの目つきが尋常ではないほど殺意に染まっている。


「わかりました。殺すのはヤトがやるそうです」

「ええ、半殺しにしておきます」

「ヤトの方は?」

「大丈夫でしょう。それと、授業ではまだ習っていない範囲ですので教えておきます。スキルというのは、経験値による蓄積でレベルが上がり、レベル上限になるとスキル進化をします。経験値は、戦いの中で得たり、魔獣を倒すと得られますが……心に深い影響を受けた時、大量の経験値を得ることがあります。カヤさんの死が、ヤトさんに大量の経験値を与えたようです」

「……そうですか。じゃあ、ここはお任せします」


 エルクは、ビャクヤを念動力で引き寄せる。そして、入れ替わるようにタケルの前へ。

 ソフィアは、ゲホゲホむせるビャクヤを、冷たい目で見ていた。


「げっほげっほ……あーしんどいわ。ったく、なんだあのガキは……ねぇ、先生」

「…………」

「おお、怖い怖い。どうやら、あなたはとんでもない剣士のようだ。ボクも本気にならんとねぇ」


 砕けた口調……こちらが、本来のビャクヤなのだろう。

 ビャクヤは、ウェポンリングから一本の長刀を取り出す。


「櫛灘家の宝剣が一本、『絶歌氷刃』……ふふ、サクヤの持つ六本の宝剣もまぁ宝剣だけど、ボク、ユウヒ、ヒノワの持つ宝刀とはレベルが違うよ? 先生、覚悟するといい」

「よく回る口ですね」


 ソフィアは、黄金の剣と、白銀の剣を掲げた。


「エクスカリヴァー、コールブランド……久しぶりに、本気で行きますよ」


 ◇◇◇◇◇


 ヤトは、六本の刀を全て取り出し足元にバラバラ落とす。

 ヤトの前には、妹ヒノワが忍者刀を抜いてクルクル回し、姉ユウヒは反り返った刀を抜く。

 ヒノワは、ヤトの刀を見て笑った。


「あはは!! お姉ちゃん、その刀……ふふ、櫛灘家の宝刀みたいだけど、大したやつじゃないって知ってるの? あたしの『隠形鬼』一本以下の刀だよ?」

「…………」

「ヒノワ、いいから真面目にやりなさい」

「はーいっ。ね、お姉ちゃん。『分身』使わないの?」

「…………」


 スキル、『武神分身』を発動。

 五体の鎧武者が現れ、落ちていた剣を拾って抜刀した。

 

「お、スキル進化したんだ!」

「少しは強くなったようねぇ。ふふ、式場家の連中、よく育ててくれたわ」

「…………」


 ヤトは何も言わない。

 無言で、分身たちに向かい言った。


「スキル進化───……マスタースキル、『阿修羅王』」


 そして、五体の分身が融合……六本の腕を持つ一体の鬼神となった。

 ヤトは、いつも使っていた『六天魔王』を阿修羅王に渡す。

 これには、ヒノワも驚いていた。


「わお、マスタースキル……マジで? この土壇場で?」

「ふ、六本の腕を持つ鬼神ねぇ。でも、あなたは丸腰でやるつもり?」

「丸腰じゃないわ」

 

 ヤトは、ウェポンリングから一本の宝刀を取り出す。

 白銀の柄、鞘、鍔の、触れることすら躊躇う宝刀。

 櫛灘家の秘宝が、ヤトの手にあった。

 これに、ユウヒとヒノワは仰天する。


「な……し、『七星神覇(しちせいしんは)』!? うそ、なんで!?」

「ど、どうしてあんたがその刀を……!? それは、選ばれし者しか触れることができない刀のはず」

「今思うと、不思議だった……これね、櫛灘家を逃げようとした私の足元に転がってたの。すごいタイミングだと思ったけど、どうやらこの刀……」


 ヤトは、柄と鞘に手をかけ、一気に抜いた。

 眩い輝きの銀の刀身があらわになる。芸術品のような美しさだ。


「この刀、私を主と認めたようね……覚悟はいい?」


 ヤトが構えを取ると、阿修羅王がヤトに並び立つ。

 ユウヒ、ヒノワも剣を構えた。


「ヒノワ、あの刀を回収するわよ」

「うん。あの刀、あたしが使っていい……? お姉ちゃんにはもったいないよね」


 ヤトの戦いが、始まった。

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〇はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
レーベル: CLLENN COMICS / コミックREBEL
著者:さとう (著)
漫画:うなぽっぽ (著), トダフミト (著)
発売日:2024年 7月 21日

【↓情報はこちらのリンクから↓】
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お読みいただき有難うございます!
テンプレに従わない異世界無双 ~ストーリーを無視して、序盤で死ぬざまあキャラを育成し世界を攻略します~
連載中です!
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