【梗概】あらすじと人物紹介
元寇に神風は吹かず。されど《輩》の影働きありき。
その功績から連綿と続く、天皇直属の特務部隊《神風》。
時は令和、新時代の《神風》を選ぶべく《神風天覧試合》が幕を開けた。
全国より集められたる、日の目を見られぬ《道々の輩》の強者たち。
一族の矜持と意地を賭け、上方の闇に火花を散らす。
《最強の漂泊民》魚々島代表の洋は、前《神風》である兄、航の死の真相を求めて《天覧試合》に参加する。
《神風》候補の六名は、いずれ劣らぬ怪傑揃い。
初戦、《天狗礫》松羽 烏京を辛くも制した洋は、後に烏京の申し出を受け、同盟を組む。
そして始まる第二戦。舞台は曽根崎地下通路。
対戦者は洋の妹であり、《輩》最大勢力である畔の《最高傑作》、畔 蓮葉。
対するは九州の最大勢力、八百万家代表の八百万 浪馬。
蓮葉の圧倒的有利との見方で始まった勝負は、型破りな浪馬の機馬戦術と、不死身を誇る《鯰法》によって波乱の展開となる。
不可避の奥義、《誉石切》の直撃を受け、一度は崩れ落ちた蓮葉だが、兄の声に立ち上がり、ついに覚醒。浪馬のバイクに乗り移り、壁に衝突させて破壊すると、詰将棋のように浪馬を追い詰める。最後は大鋏《化け烏》で浪馬を絞首刑に処し、喘ぐ浪馬の唇を塞いで、勝利を収めた。
惚れた女の接吻に桃源郷の扉を開けた、浪馬の心境や如何に──?
▷登場人物紹介:《神風》候補
■魚々島 洋
主人公。
初代《神風》である海洋民族・魚々島の代表だが、《陸亀》。
短躯の肥満体でありながら、卓越した体術と戦術眼を持つ「小賢しい系のデブ」。
性格は万事に鷹揚な人たらしで、シスコン。
得物は特殊巻尺の《鮫貝》。
■畔 蓮葉
洋の妹。初代《神風》である《水妖》畔の代表。
モデル級の美貌とスタイル、黒髪ロングが特徴。
異名は《最高傑作にして失敗作》。
畔最強の呼び声も高いが、重度の健忘症で言動は幼児的。
兄である洋にのみ心を開いている。
得物は三段式に変化する大鋏、《化け烏》。
■八百万 浪馬
九州地方から勢力を伸ばす《輩》の一族、八百万家代表。
束ねたピンク髪に黒のライダースーツの出で立ち。
《不死騎王》の異名通り、バイクを駆る機馬戦法と《鯰法》による頑強さが売り。
性格は放埒で女好き。蓮葉に一目惚れしている。
得物は槍など長物全般とバイク。
■松羽 烏京
忍術から派生した流派、松羽流代表の暗殺者。
黒尽くしの長身に覆帯の外見。
異名は《天狗礫》《投げを極めた男》。
比類なき投擲術の使い手で、その超視力は《神眼》と賞される。
性格は辛辣でストイック。洋、蓮葉と同盟関係。
得物は投げられるもの全て。
■宮山 たつき
大蟲神社代表?の《虫祓いの巫女》。
巫女装束に麦わら帽子。金髪で小動物的な容貌。
その実力は、いまだ謎に包まれている。
性格は負けず嫌いの喧し屋。
得物は不明。
■最寄 荒楠
所属不明、実力不明の《神風》候補。
白髭を蓄えた巨漢で筋骨隆々。熊革の全身鎧に身を包み、仮面を脱がない。
日本語が話せず、通訳に雁那を連れている。
得物は、岩石と見まがう巨大な鎚。
▷その他の登場人物
■吉田 文殊
関西最大の暴走族の元頭領。現コンビニバイト。金髪ヤンキー。
洋にアジトを奪われたことから抗争していたが、今は友人関係。
族時代の浪馬とも、一度対戦している。
腕力は並みだが、高い戦術眼を二人に認められ、浪馬の勧誘を受けている。
性格は冷静沈着で、物怖じしないタイプ。
現在、浪馬の招待で《天覧試合》を観戦中。
■最寄 雁那
荒楠の通訳にして補佐役を務める。
おかっぱの黒髪に碧眼。ローティーンに見えるが、頭脳明晰で車も運転する。
荒楠同様、所属は不明。荒楠との関係も不明である。
■空木 忍野
《神風展覧試合》を仕切る立会人。
富士の樹海に隠れ住む、空木一族の出身。
涼やかな美貌の青年で、和装を好む。
体内に蟲を宿す《不死者》であり、二刀流の剣客。
性格はクソ真面目で、冗談が通じない。
■空木 八海
《神風天覧試合》治療役。忍野の妹。
細身に白装束、白帯の目隠しが印象的。
全盲だが、気を読めるので不便はない様子。
兄と同じ《不死者》で、蟲を繰り他者を治癒する。
穏やかな性格だが、ステージⅣのカップリング厨。
参照:神風VSメモランダム
https://kakuyomu.jp/works/16817330651484634036




