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箱庭異世界の観察日記  作者: えろいむえっさいむ
ファイル3【極小世界の管理、及び外敵の駆除】
47/58

5月19日(土) 追記(改)

3話前の【5月19日(土) 追記】とほぼ同じ内容です。読み飛ばしてほぼ問題ありません。

最後の数行だけ追加部分があります。読まなくてもあまり変化はないです。申し訳ありませんm(_ _)m

 リュウがウチに泊まりに来るのは二度目だ。

 リュウからすれば12年ぶり、僕からしたら12日ぶりだ。ギャップの差が激しい。


 とはいえ、さすがに2度目だから何をすればいいのかわかる。

 リュウを出迎える準備は特にしていなかったが、慌てることなく異世界人用のミニ寝床を用意し、小さいスプーンを利用した食器で食事等の準備をした。


 食事が終わり、「明日はとりあえずゆっくりしよう」とリュウに提案したのだけど、その時のリュウが妙に深刻そうな顔に気づいた。

 だから僕は彼女の話を聞いて、それがとても重要な話だったように思えて、今追加で記録を残している。神とリュウとの関係性の話だそうだ。


「リュウと呼ばれる存在は、簡単に言ってしまえば生贄の一種なんです」


 ドラゴンはゲームだけでなく、異世界でも最強の個であるらしい。

 空を飛び、大火力を放ち、肉体による質量差だけでも凶悪な破壊力を持つドラゴンは敵対したら最後、死あるのみだそうだ。

 しかしそんなドラゴンでも、いつか死んで急に姿を見かけなくなることがある。そしてその死骸を見つけることは滅多にない。

 そのため、ドラゴンは死んだ後は神の下へ帰っているんだと考えられているとのことだった。聖堂教会の教えはそこら辺をぼかしていたけれど、誰もが知る一般常識だそうだ。

 

 おそらく、異世界なりの弱肉強食を理解した形なんだろう僕は勝手に考えた。細かいところは違うだろうけれど、大まかには間違っていないはずだ。

 マオウさんの記憶を覗かせてもらったとき、ドラゴンらしき影がクロオオアリ変種にたかられて死んでる姿をチラリと見た気がしたが、ここでは空気を読んでツッコまないでおいた。


 そしてドラゴンではなく、人の身で神の贄となれる存在を、リュウと呼称するそうだ。


 異世界の文化を知る機会は今まで少なかったので……というか教会が暴走したりアリが襲撃したり色々忙しくて聞けていなくて……僕は素直に感心して聞いていた。

 僕が「ほうほう、それで?」と先を促すと、リュウは顔を少し赤くしながら説明の続きをしてくれた。


「一応、聖堂教会が教えてくれる教えについては、ドラゴンは神の贄として祀り上げられますけど、リュウは神と対話してその意思を知らしめるだけってことになっています。だから聖堂教会では、神と交神できるリュウが必ず一人ずついるそうです」


 「まあ本当に生贄にするわけないもんね」と僕は同意しつつ、教会の権力構造の腐敗した理由も察した。

 そうやって神の意志を遣わすリュウがトップに君臨してて、それが本当に神と通じているならともかく、違うとしたらやりたい放題だろうなぁと思ったからだ。

 リュウも同じことを考えているのか、僕の思考を否定しなかった。さすが「本当に神と交神している」リュウである。


「ただ、リュウには他にも役割があるそうなんです。そのことをお伝えしたくて……」


 他の役割? なんだろう、リュウみたいに魔法で住んでるところを守るとか?


 僕の頓珍漢な意見に、リュウはクスリと笑った。そしてモジモジしながら僕に教えてくれる。


「いえ、ちょっと違いますが、少しだけ当たっています。一つは世界のみんなの象徴として、国家安寧に勤めること」


 その役割はサクラ国と同じだね。


「はい、それだけでなく、他の神との折衝や交渉を行うこともそうです。リュウは私を除いて4人いますから、それぞれと交渉して、神が何を望んでおられるか話し合うんです」


 ……なんとなく教会が腐敗した理由のもう一つが理解できた気がする。


「それでもう一つの役割なんですが」


 リュウがここで言葉を切った。僕はどうしたんだろうと思いながら、気になって先を促す。

 リュウは躊躇いながら最後の役割を教えてくれた。


「……神の国にて、リュウは神と御供わし、永遠に共にあり続けるのです。人の世の安寧のために……」


 へー、まるで僕とリュウが結婚するみたいだね。


 僕が軽口をたたいて笑うと、リュウは妙に真剣な顔をしていた。





 ……さて、澤田のアホのせいでたったこれだけがなかなか書けなかった。

 リュウは異世界に戻ったけど、大丈夫なのかな? 今回、僕何もできてないけど……。

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