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箱庭異世界の観察日記  作者: えろいむえっさいむ
ファイル3【極小世界の管理、及び外敵の駆除】
46/58

襲来、後編

 落ち着け、僕。まずは状況を整理しよう。


 ここは僕の部屋。時間は早朝で、カーテンから漏れ射す朝日が眩しいから6時前後だろう。

 そして部屋の中には僕と澤田、そして澤田の両手に挟まれた虫籠の中にリュウとスレイプニル。あと後ろにハエが飛んでるのが目に入った。あとでハエ取り紙を設置しておこう。


 うん、完全にバレたね。どう誤魔化そう。


「ああ、それ? 実はよくできた玩具なんだ。馬主体験ミニチュア。面白いモノなんだけど恥ずかしいから返してくれな……」


「いや、嘘だろ。どう考えても」


 澤田は見苦しい言い逃れをバッサリと切り捨て、ツンツンと指で虫籠をつついた。そのわずかな振動に怯えリュウがスレイプニルにより強くしがみつく。

 その動きはどう見ても人工的なものではなく、その光景はどう考えても3D映像やバーチャルリアリティーのソレではない。


 誤魔化すことは不可能のようだ。僕はため息をついて虫籠に手を伸ばした。


「つうかなに勝手に人のベッドの下漁ってるんだよ。確か昨日、見逃してやるとか何とか言ってなかったか? それをお前、家主に無断で……」


「それについては悪いと思うけどさ、夜中に目が覚めて頭痛かったから水道借りたんだよ。で、その後お前の顔をちょっと見ようと思ったら、なんかベッドの下が光ってたからさ。気になって覗いたらこれがあった……って、まだコレがなんなのか説明聞いてないんだけど?」


「ちょ、やめろって!」


 澤田が僕の手から逃れようと、虫籠を急に上に持ち上げた。僕は大声でそれを止めようとする。

 いきなり怒鳴られてビックリしたのか、澤田はビクンと体が跳ねて手が止まった。僕はその瞬間を逃さず、急いで澤田の手から虫籠をなるべく中を揺らさないように気を付けつつ奪い取り、ゆっくりと中を確認する。


 案の定というか、中のリュウは驚いて座り込んでいた。僕はいつものようにすぐさまリュウに手を伸ばし、彼女の安否を気遣う。


『だ、大丈夫だった? ごめん、驚かせて』


『い、いえ。大丈夫です……今の方は、どなたですか? もしかして、例の魔物ですか……?』


『魔物じゃないんだけど厄介な奴に見つかったというか……ごめん、後でね』


「なーにしてるのかなぁ、きみぃ?」


 後ろから澤田の声。背中の感触に驚いてビクリと震える。そのせいで再度驚くリュウと興奮して暴れ始めるスレイプニル。

 僕はもう誤魔化すのはやめた。こいつにならきちんと事情さえ話せばわかってくれるだろう。むしろ下手に秘密にすると何をされるかわからない。


「……わかった、わかったから、ちょっと離れろ。全部話す。全部話すから……」


「よろしい。ほれ、話してみなさいな。一体これは何があったのよ?」


 澤田はものすごくワクワクした顔で、こちらを警戒して睨んでいる虫籠の中のリュウを見つめていた。

 僕は諦めて、ここ1か月ほど間に起こった出来事を白状することにした。




…………




「……これ、マジなん?」


「マジ」


「……すげぇ、本当かよ……」


 僕は恥ずかしくて顔を背けながら肯定する。澤田は僕のパソコンを見ながら最初から最後まで一気に読み切っていた。

 僕がどういう状況に置かれたのか、理由を知りたければ今までの観察日記を読ませればそれでわかる。もちろん内容は突拍子もないものだが、巨大ケースの中にある大きな街と、リュウやスレイプニルを見せれば実際に起きた出来事だと否応なしにわかるだろう。

 これはフィクション小説や壮大な仕掛けのドッキリではなく、ガチで本当にあった観察対象の顛末なのだ、と澤田にわからせるにはそれほど時間は必要なかった。


「……でもこの日記はどうなんだ? まるでファンタジー小説みたいな書き方じゃないか」


「……うっさい。そのままを書いたら、なんかそういう感じになったんだよ」


「昔から変わってないね、こういうとこ」


 澤田にクスクスと笑われ、僕は露骨に口を尖らせた。確かに観察歴は長いが、その割には観察日記の書き方が下手くそだと方々で言われていた。

 夏休みの宿題でアリの観察日記を提出したときの中学のときの担任曰く「物語調でわかりやすいですね」とのこと。高校の生物部の発表を見た後の部長曰く「観察対象に感情移入しすぎて客観性がない」とのこと。

 同じことを澤田にからかわれ、僕は不機嫌になりながら事情を説明する。


「まあそういうわけで、僕はこの異世界を観察させてもらいながらできることを協力してるの。そのせいで忙しくてね……」


「すぐバイト見つけるとか言っておいて1か月も音沙汰がなかったのはこういうわけね。まあ、よくわかった。確かにこいつは、バイトなんか探してる場合じゃないね……」


 澤田は段ボールを片付けてむき出しになったガラスケースを興味深そうにのぞき込む。

 二重蓋を開けて「うわ、本当に手が入らないや」と騒いだり、四方八方からサクラ国を覗き見して1人興奮していたりした。その観察に夢中であられもない姿を晒している澤田が友人として情けない。


 澤田がガラスケースに夢中になっているうちに、リュウに事情を説明した。

 こういうとき、頭の中を直接見せられるこの意思疎通の魔法は便利である。「かくかくしかじか」を本当に実行できてしまう。


『……わかりました、人神様と同じで好奇心旺盛な方で、悪意や敵意は無い方なんですね。安心しました』


『うん、だけど結構遠慮なしにグイグイくるから、迷惑だったら言ってね。止めるから』


『はい、頼りにしてます』


 今までずっと澤田を警戒していたらしきリュウは、本日初めての笑顔を見せてくれた。頼られているようで凄く嬉しい。

 僕は尻を突き出してガラスケースを嘗め回す勢いで見回している阿呆に命令した。


「まあそういうわけだから、お前もう帰れよ。ビールの空き缶は片付けておくから。この後用事があるんだよ」


「用事ってどうせこの異世界関連のことでしょ? だったら帰るわけないじゃない何言ってんのバカなの?」


 バカにバカと言われるとムッとするが、否定はできなかった。こんな面白そうな観察対象を見つけて澤田が引くわけがない。一枚噛ませろと言われるのは想定済みだ。

 僕は嫌そうにハァとため息をつきつつ、実は内心小躍りしつつ澤田の横に座った。秘密を共有しあえる相談相手がずっとほしかったのだ。

 ガラスケースを指さして話し出す。


「今までの経過観察の写真は山ほどあるんだけどさ、それ見てみない? すごいよ、町が大きくなっていく様がリアルで。あと今の国の状態なんだけど、あのアリの巣穴がダンジョンの入り口ってことになっててさ。それで……」


「あーはいはい、ストップストップ。話したいことが山ほどあることはわかった。でもそれより先に、やるべきことがあるんじゃないですかね?」


 機先を削がれて僕は鼻白む。やるべきことと言われてもよくわからない。

 僕が頭にハテナを浮かべていると、澤田が腕を組んだまま小さいほうの虫籠ケースを指さした。


「そこに、異世界人の巫女さん? リュウだっけ? そんな感じの子がいるんでしょ? 紹介してはいただけないんですかね?」


 僕は、そういえばそうだと今更気づいた。異世界のことを相談できる相手ができて舞い上がってしまい、つい忘れていた。

 意思疎通の魔法については日記で読んで理解していたようだが、そのうえでさらに詳しく注意点を述べる。油断してプチッと潰されたり鼻息で飛ばされたりしたらたまったものではないからだ。


 リュウにも「こいつが話したいんだって」と伝えて、2人で一緒に会話できるよう調整してもらう。僕と澤田が指を合わせるようにし、その中間点にリュウが両手を広げて立つ姿勢をとった。


『は、初めまして。聞こえてますか?』


「うわっ、ほんとに頭の中に声が聞こえる! うわーうわー」


 興奮して「すごいすごい」と連呼する澤田に、僕はあまり大声を出さないよう窘めた。小声ならまだしも、大きな声だとリュウには大音量となって聞こえてしまう。

 案の定、両手を使っているため耳をふさげないリュウが顔を顰めていた。それを見て澤田は慌てて「ごめんなさい」と小声で謝った。


『声に出してもリュウには聞こえないよ。こんな感じで頭の中で会話するの』


『よく、できるね。むずかしい』


 最初のときの僕らのように、魔法で会話することに慣れていない澤田が苦戦しながら話そうとしていた。

 たどたどしく初めての挨拶をする澤田に対し、リュウは流暢に挨拶を返した。


『はじめまして、リュウ。わたし、こいつ、ともだち』


『初めまして、人神様の御友人の方。私は今代のリュウを務める者。人神様よりサクラ国の象徴となるべく仰せつかっております。どうぞよろしくお願いします』


『すごい、かわいいね』


『お褒め下さりありがとうございます。嬉しいです』


 2人は挨拶を終えると、その後覚束ない会話でお互いのことを話しだした。

 2人は気が合うのか、それともお互い意思疎通の魔法に慣れるためか、好きな物やら趣味やらを話し合っていた。

 リュウが「好きなことは裁縫です」と言った時に澤田も「あ、同じだ」と答えたので、僕は「あとスマホのゲームでしょ、君たち2人は」とからかった。リュウは恥ずかしそうに笑い、澤田には背中をどつかれた。3人で笑いあう。


 適応力が高いのかわからないが、澤田はものの20分くらいで普通の会話ができるレベルにまでになっていた。素直に感心する。


『ところで澤田、もう普通に会話できるようになってるんだな』


『ん? うーん、まあ普通にできるようになったよね。リュウちゃんのおかげかも』


『そんなことありませんよ。サワダ様がとても器用なのです』


『お前、妙に小器用だよなぁ。変わり者のくせに』


『変わり者は余計だよ。お前は人一倍不器用なんだよ』


 僕と澤田がいつもの調子で軽く悪態をつきあうと、リュウが横から割り込んできた。


『人神様は不器用ではありませんよ。だって私たちにもいろいろと……』


『それそれ、それが一番笑っちゃうんだよな』


 リュウの言葉を遮って澤田が苦笑する。リュウは不満そうに「何がですか?」と質問し、僕は「やっぱり気づかれたか」と諦めた。


『だってこいつが神様って、なんの冗談だって話だよ。笑っちゃう』


『そんな、だって神様は神様で……』


『いや、リュウ。悪いんだけど、僕らは異世界人から見たらでっかいだけで、ごく普通の一般人だから。この反応は仕方ないんだ……』


 恥ずかしい気持ちでいっぱいな僕の内心を隠さずにリュウに伝えると、リュウは納得したようなしてないような複雑な表情になった。

 なんとなく落ち込んでいる様子のリュウを見て、僕は慌てて「だって僕たちと同じサイズの人間はこの世界に70億人いるしね」と冗談めかしてフォローする。リュウは少しだけ顔をあげて、僕の方をまっすぐ見た。


『それでも、私は……』


『それに、このボンクラが神様だとしたら、私は女神様ってことになっちゃうな。いやー照れるわ』


『……え、女神、様?』


 リュウは驚いて澤田の方を見る。僕は眉根を寄せて澤田の方を見て、「何が女神様って顔だよ」と軽口をたたいた。

 リュウはゆっくりと確認するように質問をしてきた。


『その、人神様? サワダ様は、その……女性の方、なのですか?』


『え? ああ、そうだよ一応。こんな性格だけど一応女だよ、こいつ』


 「こんなとはなんだこんなとは」と文句を言う澤田を笑って誤魔化しつつ、僕はなぜリュウが理解できなかったかを把握した。

 サイズ差が大きすぎて顔だけでは性別が判断できず、声も騒音となってしまうため男女の違いがわからなかったのだろう。直接頭の中で意思疎通ができてしまう弊害と言える。

 リュウはなぜかショックを受けたような表情で固まったまま、呆然と呟いた。


『そう、なんですか……』


『まあ性格はこんなだけど、悪い奴ではないから安心してよ。人間性は保証する』


『上から目線で評価しないでよ。はぁ、リュウちゃんもこんな奴が相手で今まで大変だったでしょう?』


『……そんなことないです』


 その後しばらく、僕と澤田が冗談を言ったり異世界について話をしていたりしている間、リュウは言葉少なに「そうですね」とか「はい」とか返事をするだけだった。


 どうしたんだろうと僕が疑問に思ってきたときに、急に澤田のスマートフォンから電子音が鳴った。澤田が見ると「げ」と露骨に嫌そうな声をだした。


『どうしたの?』


『まだ帰らないのかってお母さんから連絡。昨日ちゃんと帰る予定だったから。ヤバイ急いで帰らないと』


『送ろうか?』


『要らない! また来る!』


 そういうと澤田は慌ただしく少ない荷物をまとめて僕の家から出ようとした。

 その背中に「ゴミは置いて行っていいよ!」と叫ぶと「ありがと、助かる!」と返事をして澤田は飛び出していった。玄関をバタンと閉めていく。


 なんとも忙しない奴だ、と僕が呆れていたら、リュウが僕に質問してきた。


『その、人神様は、その、サワダ様と、仲がよろしいのですか?』


 何をいまさら、と僕は思ったが、妙にその表情が思い詰めていたので、まじめに答えた。


『まあ、付き合い自体はそれなりだけど、仲は良いと思うよ? 趣味おんなじだし。よく話すし』


『そう、なんですか……』


 リュウはそれだけ返事をすると、力なく笑った。




………




 宣言通り、澤田は性懲りもなくまた僕の家に来た。

 来るなり「お前ん家から朝帰りとかホント最悪なんですけど」と悪態をつき、僕も負けずに「急に来るお前が悪い」と文句を返した。リュウは僕ら2人のやり取りを見て面白そうに笑っていた。

 先ほどの落ち込んだ雰囲気がなくなってよかった、と思いつつ、僕たち3人は夕方まで遊び呆けた。


 澤田のスマートフォンを使い、カードゲームで通信対戦をすると、ルールを覚えるまでは負け続けていたリュウが最終的には連戦連勝するようになっていた。僕と澤田2人かかりで戦って、である。頭の出来が違うらしい。

 他にはいろんな動画を見た。澤田オススメの動画は古い洋画が多く、僕はあまり好みではなかったがリュウには大ヒットだった。やはり2人は気が合うらしい。体格差が100倍近くあるけど、その姿は仲の良い姉妹のようだった。

 少し遅めの昼食を僕が作ったのだけど、評価は対照的だった。リュウは「人神様の料理は素晴らしいですね。また食べられて嬉しいです」と大喜びしていたけれど、澤田は「レトルトじゃん、せめてもうちょっとマシな手料理作れないの?」と不満たらたらだった。パスタの何が悪い、一人暮らしの最高のお供なんだぞ。


 そして夕方になった。日が暮れたらガラスケースの中が急にゆっくりになり、異世界人たちの動きが視認できるようになった。

 澤田がそれにまたも興奮してガラスケースにへばりついている。


 僕は帰ろうとしているリュウに言いたいことを言った。


『エルバードさんはああ言ってたけど、嫌だったら嫌って言っていいよ。僕が許可する。無理に結婚しなきゃいけないなんて、やっぱりおかしいよ』


『……はい、お気遣いありがとうございます。人神様』


『まあお見合い形式って古いしねー。異世界ではどうだか知らないけど、政略結婚なんて空しいだけだよ』


『……はい、ありがとうございます。サワダ様』


『リュウちゃん可愛いからより取り見取りだしね』


 澤田とリュウがお互いの顔を見て笑いあう。そしてリュウと別れの挨拶を交わした。


『それでは失礼いたします。お2人が幸せでありますように……』


 帰り方は前の家出のときと同じ方法である。両手でリュウの背中を守るようにして降臨してもらう。

 澤田が面白がってガラスケースの横から動画を撮っていた。後で見せてもらおう。


「……さすがに地面にまで行っちゃうと、どれがリュウちゃんだかわからなくなるね」


「慣れると結構見分けつくよ? ほら、今建物に入った」


「……よくわかるねぇ……」


 僕が指さした先を目を凝らして見つめる澤田。しばらく頑張って無理だと諦めたのか、首を振って二重蓋から離れた。

 そして徐に質問をしてくる。


「ていうか、リュウちゃんって何歳なの? なんか可愛いから”ちゃん”付けで呼んじゃったけど、もしかして私より年上?」


「……たぶん1歳上か同い歳だと思う。異世界の時間の流れは違うからわかりづらいんだよね」


「……うわぁ、リュウちゃんとか生意気な呼び方しちゃったなぁ」


 「途中からでもリュウさんにしとくべきだったなぁ」と変なところで悔やんでいる澤田を見ながら、僕は彼女に口止めをした。


「わかってると思うけど、異世界のことは誰にも言わないでね。あとさっき撮った動画、誰にも見せないでね。できれば消してくれると嬉しい」


「わかってるわかってる。さすがにコレはヤバイってことくらい理解できるよ。誰にも言わない」


 澤田は性格は軽いが口は堅いはずだ。大丈夫だと安心できた。

 しかし、次の一言で違う意味での心配が増えた。


「……でもさ、私にもたまには見せてよ、この異世界。凄く好奇心がくすぐられる」


 ……こいつ、またウチに来るつもりか? 男の1人暮らしに来たがるなんて警戒心なさすぎだろう……。


 その日は、そのまま解散となった。

【ハイパー言い訳タイム】

更新が遅れたのは、全部台風が悪いです。そのせいで日程が全部狂いました……。死ぬほど忙しかったです……or2

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