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隣の席の彼女は今日もアホ可愛い  作者: 138ネコ


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第32話

「それで、どこに行くか決めてあるのか?」


「えっ、俊介考えてないの?」


「事前に連絡もなしに来られて、予定を立てられると思うか?」


「うん!」


 元気よく挨拶するこのは。

 色々と突っ込みたい俊介だが、もはや突っ込む気力すらなく「そっか」と言って笑うしかない。

 このはの相手をしても仕方がないと、俊介が真希とともの方へ目を向ける。

 このはに負けじ劣らずの笑顔で頷く真希、何も考えていないの笑顔である。


「せめてプランを考えてから来てくれないかな」


 真希の隣で申し訳なさそうにするともにはあえて触れず、このはと真希に諭すように言う駿介。

 分かったと元気よく返事をするこのはと真紀だが、どうせ分かっていないだろう。駿介の中に諦めの念が混じる。


(そもそも、このははともかく、真紀はこんなアホだったか?)


 このはのアホが伝染してしまったのだろうと結論づけ、がっくりと項垂れながら、嫌々ベッドから這い出る駿介。

 

「とりあえず、一旦部屋から出てってくれるか?」


「なんで?」


「着替えるからだ。見たいのか?」


「うん!」


「そうか。出てけ!」


 ポイっと部屋から放りだされたこのは。

 見たいか聞かれたから素直に返事をしたのに、何故と少々不満気である。

 追い出されたこのはに続き、真紀とともも駿介の部屋から出ていく。

 この時、駿介は追い出すべきではなかったと後悔する事になる。


「これはね、この前駿介と遊んだ時の写真!」


 着替えた駿介がリビングに向かうと、そこにはテーブルを囲み嬉しそうにスマホの写真を見せて説明するこのはと、その話をニコニコしながら聞き入る母の姿があった。

 このはの隣に座り、このはの説明に補足を入れる真紀。駿介の母の隣に座り、申し訳なさそうに目を逸らしつつも笑いを必死に堪えているとも。

 今すぐに怒鳴り散らしたい駿介だが、ここはあえて堪える。何を見せ何を言ったのか。まずはその確認からだと。


「おう、何見てるんだ」


 出来るだけ優しい声色で話しかけているつもりの駿介だが、頬は完全にピクついている。

 そんな駿介の様子など気にも留めず、アホ丸出しの笑顔でこのはがスマホを駿介に向ける。


「この前ゴローさんとフリスビー対決で勝った時の写真だよ!」


 スマホには、フリスビー片手にはしゃぐこのは、そんなこのはの頭を撫でている写真が写されていた。

 まさか、その写真を母に見せたのかと、駿介はあえて口にはしない。何故ならニヤついた母の顔で全て理解わかってしまったから。


「しゅんちゃん……このはちゃんの首輪はいつ買いに行くの?」


 その瞬間、早朝の米内家に、駿介の怒声が響き渡った。

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