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第41話の2『提案』

 「どうして、ここに姫様がいるタラコ?」


 「横やりですが……どうして、クラゲさんがここに?立派な筋肉質の体は、どこにやったんですか?」


 壁の穴から飛び出してきた顔は、そっくりクラゲさんの顔に似ている。つけている語尾が違うのと、ムキムキの体がない違和感は置いといて、俺は彼がギザギザ海賊団のクラゲさんである前提で声をかけた。


 「お前、兄貴を知ってるタラコ?クラゲニキはモズクの兄貴だタラコ!」


 「別人でしたか……これは失礼」


 「モズクたちメカブ一族は強い魔力を秘めているタラコ!その一族の中でも特に魔力の強いスーパーアメフラシは成人する頃になると体が生えてくるタラコ!兄貴はアメフラシ一族の中でも屈指の強者で、インコマンの称号を持っている天才なんだタラコ!解ったかタラコ!?」


 「すみません……俺、あんまり頭がよくないので解りませんです」


 姿はイソギンチャクなのに名前がモズクだったり、メカブかと思いきやアメフラシだったり、最終的には鳥になったり訳ワカメである。とりあえず、クラゲさんが非常に優秀な何かだという事だけは解った。


 「丁度いいタラコ!姫様にもお話があるから、ここで聞いていくタラコ!これから先の作戦についてタラコ!」


 「えっ……私も?ううう……ううう」


 「しっかりするタラコ!しっかりするタラコ!」


 まあ、姫様はジ・ブーンに狙われている身だし、どこに身を隠すか議題に上がるのも当然である。しかし、おろおろしている姫様をモズクさんが延々なだめており、なかなか話が進まない。その内、ゼロさんが静かに手を挙げて無理やり話を促した。


 「その会議では、どういったことが決まったのだ」


 「そうタラコ!会議の結果、クジラ丸を使って勇者一行を血の海まで連れていくのが決まっタラコ!あと……」


 「あと……?」


 「……えっと。勇者一行には、姫様をつれて行ってほしいタラコ!以上!」


 「ん……」


 「えっ……」


 「えええ……?」


 モズクさんが簡潔な説明を始めたのだが、その最後に満を持して出されたお願いが思いもよらなかった為、ゼロさんや姫様……あと俺も、次々と怪訝な声を出してしまった。すぐさま、俺は姫様同行の目的を尋ねた。


 「なな……なんで?危ないでしょ」


 「聞くところによると、ジ・ブーンは姫様を狙っているとの事タラコ!だけども、国で一番の腕利きであるエビゾーさんは手負いだし、頼りになるギザギザや王子様もいないタラコ!この国にジ・ブーンが攻めてきたら、誰も太刀打ちできないタラコ!」


 確かに……この先、間違いなく姫を狙って来るであろうジ・ブーンと、まだいるのかすら解らない血の海の怪物。後者に賭けるのは合理的かもしれないし、護衛にゼロさんがいればジ・ブーンは不用心には近寄ってはこないだろう。ただ、一つ間違いなく言える事といえば、俺たちの責任が重たい……重たすぎる。


 「じゃが、姫様は人間の男が苦手と見えるんよ。あれ達と一緒なのはイヤだと思うん」

 「勇者は怖くないぞ。ヤチャも怖くない。たまに面白いこともあるぞ」


 ルルルがお断りの姿勢を貫く中、ゼロさんが俺たちの擁護をしてくれており、どちらを引き止める訳にもいかず、俺は事の顛末を見守るだけ。そうしていると、姫様は初めて俺の方を正面から見て、恐怖を振り切るようにして言った。


 「……勇者様は……あわわ……私を食べたり……しませんね?」

 「……え?」

 「勇者様……私を食べないですよ……ね?」

 「……え?ええ……はい」


 た……食べれるの?


第41話の3へ続く

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