表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/18

ゲームの世界のような国王と王妃の恋物語を初めて知りました

 リックはその後、用事があるとかで、寮まで送れなくて申し訳ないと謝りつつ帰っていった。


「アミ、凄いじゃない、あんなイケメンとお知り合いだったなんて。絶対にリック様ってお貴族様よね」

「うーん、その辺りはよく知らないのよね」

 ビアンカの問いに私は口を濁した。


「何故知らないのよ? あなたのお母様に聞かなかったの?」

「聞いても母は昔の知り合いだとしか教えてくれなかったのよ」

 そう、いくら聞いても母はそれ以上は教えてくれなかったのだ。

「あんまりうるさく言うとトレーニング倍にするわよ」

 母はそう言いながら、既に倍のトレーニングメニューを書き出してくれていたんだけど……


 もう一度会いたいだの、どこに住んでいるのだの聞いても全く答えてくれなかった。

 やっと私が手紙を書くのは認めてくれたけれど、返事も帰ってこなかったし……


「住所はあなたが書いたのよね。覚えていないの?」

 ビアンカに聞かれて、

「私はリックへって書いただけだったから。通信魔術で送ってくれるって母が言ったから判らないのよ」

「通信魔術ってあなたのいたアンハームからここまでどれだけ離れていると思うのよ。普通の魔術師じゃ到底届かないわよ」

「うーん、でも、母ならおそらく届くと思うんだよね」

 何しろ帝国にも通信魔術で連絡していたくらいだから、王都には届くはずだ。帝国にはしつこい男がいるから断りの手紙を送るとかえらく怒っていたから、できる限り関わらないようにしていて詳しくは知らないけど……

「何々、まだ諦めないだ、ふざけるな!」

 ちゃんと返事までもらってその返事を燃やしていたから……


「まあ良いわ。またお会いしたときに聞いておいてよね」

「というか、アミ、リック様と付き合うのはやめておいた方が良いわよ」

 考え込んでいたエーレンがいきなり忠告してくれた。

「えっ、どうして?」

 私の代わりにビアンカが聞いてくれた。

「だってお貴族様と平民のアミじゃ釣り合う訳はないじゃない」

「そんなの判らないじゃない。確か今の王妃様は元々平民出身のはずよ」

「それはそうだけど、王太子殿下は婚約者がいたにもかかわらず、その平民の女の子と恋に落ちたんでしょう。その当時凄まじいゴシップになったみたいよ」

「えっ、そうなんだ」

「あなたこの話知らないの? めちゃくちゃ有名なのに! 本当にアンハームって田舎なのね」

 ビアンカが馬鹿にしてくれたけれど……アンハームが田舎でなくて、いや、田舎は田舎だけれど……母がお貴族様が大嫌いで私にそんな話を聞かせないようにしていただけだと思う。


 エーレンらによると、元々今の国王陛下、当時の王太子殿下には公爵家の令嬢が婚約者としていたらしい。ところが王立魔術学園に入ってきた平民のディアナという女の子に王太子殿下が恋してしまったそうだ。

 最初は淡い恋だったらしい。一過性のものだろうと側近や周りの大人達は思っていたそうだ。

 しかし、それを察知した婚約者の公爵令嬢がディアナに嫉妬して注意した。それも相当きつく。それでディアナが泣いてしまい、それを知った王太子が怒って公爵令嬢に文句を言ったらしい。

 ゲームとかでよくある話だ。公爵令嬢の行いは婚約者を取られまいとヒロインの前に登場する悪役令嬢そのままだった。ヒロインが耐えて、それを王太子が庇う。面白くない悪役令嬢がさらに酷い虐めを行う。王太子とディアナの恋の前に悪役令嬢が障壁のように立ち塞がって、それによって更に二人の恋が燃え広がったのだとか。それを知った悪役令嬢の虐めは更に激しさをました。

「公爵令嬢はディアナ様を虐め倒したんでしょう。あまりに酷いから最後は王太子殿下が立ち上がられて、公爵令嬢を断罪して王都追放したって聞いたわ。さすがの公爵令嬢もそのショックからその後消息を絶ったんですって。まあ、皆がその処罰を納得するくらい酷い虐めだったから仕方がなかったと思うけれど」

 ビアンカはまだ王妃様たちの味方をしていた。

「でも、王妃様は王宮に慣れるまでにとても苦労されたと聞くわ。

中々子供が生まれなくて、陛下は侯爵家の側妃様を娶られたのよ。その側妃様との間に第一王子のディートリヒ様がお生まれになったのよ。その後よ、王妃様が第二王子殿下をお生みになられたのは。

でも、今では長男をお生みになった侯爵家出身の側妃様の方が王宮では力があるそうよ。王妃様のお生みになった第二王子殿下は王位継承争いにおいても不利になっているみたいよ」

 さすが商人の娘のエーレンは情報通だ。


「でも、私と王妃様は全く関係ないでしょ」

「それはそうだけど、お貴族様の家はどこともにそんな感じだからあなたもお貴族様と結婚したら大変なことになるわよ」

「判っているわよ」

 私は大きく頷いた。そんなこと母が許すわけなかった。

 下手したら相手もろとも燃やされるかもしれない。

 母はそれだけ凶暴だった。

「本当にわかっているのかな」

「だから大丈夫だって」

「あなたはそうかもしれないけれど、リック様はどうなのかしら?」

「結構アミを見る目が熱かったわよ」

二人して言ってくれたんだけど。それはないと思う。リックは単なる幼なじみだ。


「えっ、そうかな。あの泣き虫リックに恋に落ちる事なんて絶対にないと思うけれど」

 私は笑って言い切っていた。

「なら良いんだけど。私は友達のあなたが失意にくれたり、後で苦労するのを見るのが嫌だから」

 エーレンが親切心から忠告してくれるのはよく判ったんだけど、何でそこまで気にするのか私にはよく判らなかった。


ここまで読んで頂いて有り難うございました

全く他人ごとだと思っているアマーリアでした……

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

前作

『帝国から脅されたので、逆襲することにしました! 跳ねっ返り王女は帝国の大臣だろうが女帝だろうが関係ありません』https://book1.adouzi.eu.org/n0699lf/

私の今一番熱い人気の作品はこちら

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

■【小説家になろう記載ページ】『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n9991iq/


表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/



5番人気の話

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n3871kh/

短編

『AIに乗っ取られた男』https://book1.adouzi.eu.org/n7779ku/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ