384話 最終決戦・その5
「あなたのそれは、復讐なんかじゃない! 子供がそうするように、ただ癇癪を起こして暴れているだけだ!」
「うるさいうるさイ、黙レ!!!」
「本当はわかっているんだよね、こんなことをしても意味はないって。なにも戻るものはないって。なら……」
「黙れと言っタ!!!」
できることならジャガーノートを討伐したくない。
わかりあえるのならわかりあいたい。
そう思い言葉を重ねるものの、彼の心に届くことはない。
目につく全てを破壊する勢いで暴れる。
「フェイト、気持ちはわかりますが、もう……」
「……うん、そうだね」
心も魔獣に堕ちた。
なら、もうできることはない。
「せめて、安らかに眠れることを」
「舐めるナ!!!」
ジャガーノートが怒りに吠えて、ブレスを吐き出した。
超高熱の炎。
直撃したら骨も残らないだろう。
かすっても致命傷だ。
でも、もう覚えた。
「なニ!?」
横に跳んで回避して……
舌のように伸びてくる炎の破片は、剣で地面を砕いて、その破片で相殺した。
「その攻撃はもう通用しないよ」
「同じく、ですね」
「んー……ちょっと攻撃がワンパターンなんだよね」
「力はあるが、それをうまく使いこなせていないな」
「生意気ナ……!!!」
ジャガーノートは再びブレスを吐いた。
今度は先程よりも勢いがあって、広範囲に炎が広がる。
でも、それも芸がない攻撃だ。
ただ範囲を広げただけなら簡単に避けることができる。
事実、僕を含めて、みんな無傷だ。
「フェイト、一気に決めましょう。切り札がないとは限りません」
「うん、そうだね」
僕とソフィアでありったけの一撃を叩き込む。
そうすれば、たぶん、なんとかなるはずだ。
でも……
「我の邪魔を……するなアアアアアアアアッ!!!」
ジャガーノートは空気を震わせるような叫び声を放つ。
暴れる。
暴れる。
暴れる。
デタラメな攻撃を繰り返して、周囲にあるもの全てを破壊していく。
攻撃は単純で見切ることは簡単だ。
しかし、ジャガーノートのような巨体が暴れ回ることで、迂闊に近づくことができないでいた。
それに力を貯めることも難しい。
まずい。
今のところ、ジャガーノートの注意は僕達に向いているものの……
これが王都に向けられたら、どれだけの被害が生まれることか。
できる限りヘイトを買い、ターゲットが移らないようにしないと。
でも、そうすると決定的な一打を叩き込めないわけで……
ものすごくもどかしい。
「なにもかも、全て滅びてしまうがいイ! 我が壊してくれル!!!」
「そんなこと……」
「……させないよ」
ふと、第三者の声が響いた。
炎、氷、雷、土、風……色々な魔法が飛んできた。
それと、数え切れないくらいの矢の雨。
それらがジャガーノートに襲いかかる。
ダメージを与えることは敵わないが、その動きを止めることには成功した。
「すみません、おまたせしました!」
「やあ、元気にやっているかい?」
エリンとクリフ……それと、たくさんの騎士と冒険者の姿があった。
新作始めてみました。
『執事ですがなにか?~幼馴染のパワハラ王女と絶縁したら、隣国の向日葵王女に拾われて溺愛されました~』
こちらも読んでいただけると嬉しいです。




