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転生ですか?面倒なので能力は召喚対応でお願いします。  作者: 飛友翔 
第三章第二部 マグサヤ領へと駆ける風雲
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吹き出しの冷や汗は絶対に似合わない

本日の投稿分です、宜しくお願い致します。


※コノモブ領内 宿泊先の宿屋 料理継続中?


 まずは炊飯・・釜炊きだな、米を炊かせよう。この調理実習中に米を研いで水に浸けて置いた奴でだ。実習でかなりの量の試作品が出来た。そこはなんちゃって料理人でも、味見の物を食べ尽くす者は居なかったから良かったよ。そのままキッチンドランカーにまっしぐらだからな。酒に溺れる主婦はキッチンドリンカーな。和製英語でキッチンドランカーも使われてるけど、聞く耳が悪くてそんな覚えだったと思うよ。あちらではalcoholic housewifeだもの。全くの別物なのさ。


 いや米を炊けよって感じでしょ?でも、そこそこ多めに出来たリゾットを、さっきの子供達に食べさせる事が優先なのだ。お腹が鳴く音は夜泣きを聞かされるより辛い。俺が作った子供じゃないけど。


「ええ、この石臼で粉が轢けます。かなりの粉末に出来ますから、これに幾分かの米粉を混ぜれば劇的に変わったパンが焼けるでしょう」


 うんうん、ある程度まで引っ張ってから石臼のプレゼンをした。この頃には横柄な態度を改めて俺も営業モードをぶち込んだ。この領で石臼の宣伝と、粉の精製の偉大差を広めて貰うのだ。我が領の商業ギルドに石臼の展示はしたが、俺が追われる日々でそれの活用効果を広められなかったからな。外堀ならぬ横掘りを活用しなきゃ。燐領だし。ついでに今晩の夕食におにぎりを出させるつもりだ。その為に鍋釜4つもの米を炊き上げさせた。堅めやまあまあもあるが程良くも2つ出来てる、そこから良い未来を作って行ってくれ。


 このおにぎりは、商業ギルドにもレシピ登録はされていない。炊いたご飯などは、料理の予備準備に該当するからな。このままでのレシピ登録は無理だ、原価計算で出す利益がレシピ使用料の枠に届かないんだよ。その販売が十数個の纏め売りなら何とかなるが、個々人が買う商販品となれないからだ。それでも宿屋が扱うのなら変わって来る、テイクアウトの弁当にパン代わりに添えられる様に頑張れば良い。食堂で無理の無いように提供を続け、口コミで需要を拡大して行く。材料費も格安でレシピ使用料も無い、そんな弁当は価格据え置きときたもんだ。もっと俺を崇めろ!だから不味い堅パンを食わせるな。ほんとカンベンな。


 その石臼は有料・・場所?置きたい所に指示を。俺は負けてないから。子供達のお腹におにぎりの入る隙間は無かったらしい。明日の移動時のお昼分として貰っておこう。




・・・・・




 翌朝です。まああれですよ、何がどうこうとか無くても朝は勝手にやって来る。その感想が今の現状を表すのなら、俺とサナーとリーリェが寝たベットの隣に合った、もう1つのベットには2人の子供が寝かせられていた。指示したの俺だけど。うん、途中から完全に忘れてたな。昨夜に調理を頑張ったり試作やら宿屋が行える事を伝授?しながら、自分達の夕食まで勝手に作ったのだよ。子供達・・試作のリゾットと試作のおにぎりで腹が満タンこに成ったから、俺の部屋で寝かさせたのだ。


 この子等の寝る部屋は、後で手配しようとしたのがこの結果を招き、俺が部屋に戻った時には爆睡してたからな。それを移動させるのが面倒だったのと、昨夜の3人寝に慣れつつだったので同じ様に寝た。酔ってたのは間違いない、気疲れよりも睡眠を優先したわけだ。うん、気にせずスルーしよう。そのまま期待の朝食だ。俺の予想の上を行って欲しい。




・・・・・




 予想通りにとどまっていたが仕方ない。一長一短で何もかもはやはり無いだからな。

「・・さて・・」

ここでこれからの事や、目先の未来の事にも触れなければ成らない。その最優先がリーリェの身上になるのだ。マグサヤ子爵領から何事も無く転領を果たす為に、その身柄は王都へと運ぶ事に成っている。実際にそんな事実は無いが、幾つかの検問所で何を聞かれるか解らなかったからな。それも本人が知らなければ答えられないので、何も教えずにここまで来られた。俺達は今も他領の空の下だが、このまま行けば、午後の早い時間に我が領に戻れる。


 そのまま我が家に帰って旅の疲れを癒したいが、時間が時間だけに先に報告へ向かわなければ成らない。今日の行軍は、それ程の体力の消費が無いのも周知の事実だし。ならばとリーリェには少なくない謝罪をしつつ、彼女の現状とマグサヤ子爵領の現況も把握させる。そこに亡くなったオカバク・マグサヤの件が、色々な波紋を広げ現在の彼女の両親の商会へ及ぶだろうと。その中身は俺達が知っている程度では無かろうが、予期せぬ事実が出る事も踏まえておかなければ。


 これまでの彼女の境遇を今一度思い出させれば、鬱蒼で闇間な過強を今一度体験させるのだ。それが実体験では無くても、忘れたい過去を甘んじて思い出す・・ちょっと!そこのお2人さん。人が身上を思い諮って真剣に話してるのに、モキュモキュしながら無関心に聞くのはどうかと思うよ。えっ?いいから続けろって?そこはサナー君が答えるタイミングじゃ無いと思うんだけどなー。それにリーリェは取り敢えず我が家で預かる・・ああ、それで構わないと。いやいや、サナー君が言うようにそのキッシュは新作だよ。


 流石だね、俺の日々の精進をここで見抜くとは。確かにそのキッシュは今までとは違う、混ぜ物は一緒だけどそのまま焼いた訳じゃない。それの外側をさらに卵液をしっかり塗り、それから丁寧に焼いたのだよ。その味どうこうは大差ないが、外側がかなりパリッと焼けている。何処を目指しているかとなれば、しっかりな噛み応えのあるあのタルトだ。色々と必要に成る材料やら道具は無理だとしても、なんちゃってな物には今後も挑戦して行く。この先の試作は生地だけ先に焼く、タルト生地みたいな焼き物・・その上に具を乗せればそれっぽい。知ってる奴は殆どいないし。食感も優先したいじゃない?


 そうそう、そのパンもパンと呼べる物に成ったでしょ?ジャム?コウーテス君、2人部屋を毎回1人で満喫した君にさらにサービスしろと?そんなの・・他のみんなもか?一種だけだからね。しかし、パンが美味しくなるとその弊害もあるのか。いやいや、おかしくね?小麦の味が好きだからって言ってたのに、製粉を細かくして薄焼きにしたからそれらしい柔らかさが出たよね?そんな堅パンからの脱却に成功したのに、ジャムの魅力に負けてんじゃん・・ガフガフ食べてる子供達よ。君達はおにぎり派に成ったのか。


 朝のメニューがパンとサラダだから、塩おにぎりじゃオカズが欲しいだろうに。ああーがっつり齧れるのと、昨晩食べた後の腹持ちに味をしめたのね。これからはしっかり食べさせるから心配無用だぞ。兎に角だ、この薄パンが宿屋の売りになれば、手間数が増えた分を賄ってくれるだろう。小麦も8割くらいに抑えて、米粉で量増しをしてるからな。原価を下げた分は、厚さを半分の薄焼きにして枚数を多く焼かせている。お客たちは食べる分を、数枚のパンが入っている置き籠から取る形だ。前の食事形態もパンの追加注文が無料だったから、そこは宿泊料金に含みだったから余り変わらない。まさに手間だけなんだが、パン焼き釜が3つも合ったのだ。大事な所の手を抜くなよ。


「・・旦那様、リーリェの扱いはどの様に考えているのですか?聞いた話から読み書きと算術は納めているそうです。使用人の所作を一から学ぶのは年齢を考えると難しいですが、奥様が携わっている仕事の手伝いは関われるでしょう。その従事者達と不和になる可能性は低いですが、立場の如何によって使用人との摩擦が生まれるかもしれません」

「・・そうだね。今に言える事は食客の扱と同程度で、そこらの様子次第で考えたいかな。本人の希望も汲みながら」


 うん、疑問が解けたよ。俺の知らない所でサナーとリーリェは、そこそこの深い話を終わらせてるらしい。こちらの話に動じないリーリェの態度が不思議だったが、その辺がしっかり折り込まれていたか。その結果が俺の動揺を緩和してくれたから、もちろん有難く受け取って置こう。そのお返しは夜に・・倍か3倍くらいで返します。遠慮はさせません。俺得とか知らないし。


 あとはリーリェの扱いか・・年齢的に使用人訓練を数年ほど受けさせても、世間の需要にマッチした職から外れるからなー。そんな行き遅れ女性の生産に加担する訳にはいかないから、俺の仕事のトップに据えるのが一番なんだが、それの肩書きに左右されるのか?嫁というか妻であるメイサリスやサナーの権限は絶大だから、たいていの指示は受け取られている。肩書きや権限の無い新人となれば、正しい指示を受けても偏見に傾いたりも在りそうだな。その辺は良く考えながら、父上達に相談しよう。ほぼ丸投げ的なやつで。


 さて出発・・出来なかった。俺の記憶に落ちは無く正しければ、この領に戻った時に何かをする様な事は言ってない筈。そう何度も否定したのだが、領主はこれからのこの領の在り方を精査し計画的な概要の書面を持ち込んで来た。そこは俺に何も出来ないと言ってはみたが、間違いなくこの領で起こした事を確認しに俺の所にもそれらしい鑑査者は訪れる。その者達の対応の場で、ここの領主が挽回する努力を行っていたと釈明みたいな擁護を願って来た訳だ。


「・・取返しがつかない行いに、うちの旦那様を矢面に立たせるとは万死に値しますね。いっそその前にあの首を転がして置きますか?」

「いやいや、そのまま放置して置いても転がる時は転がるから、態々埃をかぶる必要はないよ」

「・・サナー様は奥様の鏡のようです。応援いたします」


 そこはするなよ。サナーもリーリェも予想以上の過激感情を抱いていないか?口より手が物を言うのはフェインだけで間に合っている。彼女が危ない人認定は俺しかしてないけどな。


「一番に手が早いのは若様だと思うよ、蹴ってたけど」


 おおっーい、コウーテス君?接敵した相手にならいち早い対処が肝心だろ。そこで誰かが怪我をするのは容認出来ないからな。俺の足は長いんだよ。


「えっ?商業ギルドの人が来たの?何しにとは聞かないけど、とっても会いたくないな」

「それは・・昨晩の事も含めて早めに報告をさせたのですが、使者様がこちらに滞在してると聞いて慌てて出向いて参りました。朝食に出させて頂いた薄パンも、派生料理のレシピとして届けて頂きたいそうです。領主様のお話が終わるまで待機しておりました」


 おう、結構早くから待ってたんかい。いやいや、それならそこは早や巻きで進めようよ。もう目の前まで帰って来たのに、出るか出ないかの便秘状態じゃねえか。食物繊維ばかりの食事なのに、出待ちはミーハーに任せなさい。それに知ってたよ、正確に言うのなら長々と食堂に滞在してた奴等だ。旅出る様子じゃ無かったから、呑気な旅行者だなとは思ったんだよ。俺の[空間範囲探知]じゃその辺の風体は解らないから、そこに何人かが居るくらいしか解らない。まあ、魔物や魔獣の数も解ったりするけど、街中に潜んでたりしないからな。それでも魔力のごり押しで、この探知を常時発動している。近接戦で魔法併用の戦いに成ったら、そっち優先で魔法対処に移すからその時は使えないけど。


 使える時はせっせと使い、その能力の底上げもしたいと思ってるからな。ここはバンバン使ってそれのレベルを上げる・・レベルが上がれば上の魔法が覚えられるかも?空間系のスクロールその物は見ないし、そんなスクロールは聞いた事無いと魔道具屋も言ってたから無さそうでしょ?そう考えると使いまくれば新しい魔法を覚えそうじゃないか。想像は付かないが、不便でも無いから発想も出来ないけど。不便魔法でも新し物好きなのだよ。


次回の投稿予定は1月26日を目指します。

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